団体で連覇を目指す男子体操が6日、会場となる北京国家体育館で公式練習を行った。一般入場不可の中、最大のライバルとなる中国の地元ボランティア約500人が詰めかける“完全アウェー”状態。6人中、5人が演技を行う予選はアテネ組の鹿島丈博(28)=セントラルスポーツ=がトップバッターに選ばれた。けが人もいる中、あらゆる逆境をベテランが跳ね返す。
青で統一された会場に想定外の“ブルー軍団”が加わった。五輪スタッフ用の青地のポロシャツを着込んだ地元ボランティア約500人が仕事をすっぽかし?突如会場に押し寄せた。
「(3階まである)席の多さにビックリした。全部入ったら圧迫感があるだろうなって」
アテネ金の立役者の一人、主将の冨田は完全アウェー状態の雰囲気を早くも想像していた。
日本の最大のライバルとなる中国。アテネ以降、一度も勝っていない宿敵を拍手喝采(かっさい)が後押しした。予選同組で、この日も呉越同舟の中、中国選手が着地を決めると狂喜乱舞。2種目が終わると大部分は仕事に戻ったが、残ったスタッフは中国が種目を移動するごとに客席を動き回り、おらがチームを応援し続けた。
そんな中、最後まで冷静さを失わなかったのが鹿島だ。9日の予選で日本が波にのるために重要なスタート種目、平行棒のトップバッターに指名され、練習からキレを見せた。
アテネ種目別銅メダルのあん馬では、中国から熱い視線を受けながら、長い手足を使ったダイナミックな演技を披露。逆に「中国の演技はあまり見ていない。個人個人は強いと思うけど、日本だってすごく強いと思う。きれいな体操をやれば結果はついてくる」と断言した。
難易度を追究する中国に対し、確実性で対抗する日本。先陣を切る鹿島の目には、恐れるに足らず−と映ったようだ。
「中国に勢いを感じる。ただ、日本も全体的に仕上がっているし、残り2日で小さなミスをなくしていきたい」
予選のオーダーもほぼ固まり、具志堅幸司強化本部長も確かな手応えを感じ取った。体操ニッポンの名にかけて、6人の若武者が敢然と立ち向かう。(山田貴史)