栃乃洋に最も力の出る左差しを許したとはいえ、最後は右の内無双で仕留めたつもりだっただろう。だが朝青龍の右手は空を切り、押し倒された土俵下で降り注ぐ座布団を浴びた。支度部屋では「いいところが全然なかった」と落胆した表情を浮かべた。
右前まわしを引き、頭までつけた。それでも勝てなかっただけに重症だ。初日はあっさり手をついた土俵際で勝負への執念を見せたが、物言いにまで持ち込むのが精いっぱい。相手に上がった軍配は覆らず「多少いい形になったけど…。(最後は)自分でも残ったかなと思ったけど、審判部が決めることだから」と悔しさを交えて振り返った。
場所前から朝青龍はおかしかった。けいこを3日連続で休んだり、得意としている琴光喜との出げいこで負け越す場面もあった。北の湖理事長(元横綱)は「一気に前に出て攻めていく相撲が数場所前からなくなっている」と話し、ほかの力士と以前ほどの絶対的な差がないことを認めた。
着々と白星を重ねる白鵬に対し、早くも2敗。「まあ勝負だからね」と淡々と話した朝青龍だが、逆転優勝するためにはこれ以上離されるわけにはいかない。今後に向け「頑張るよ」と強気に言ったが、早くも正念場だ。
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