★琴欧洲、致命的な初日黒星
優勝した先場所でも完敗した安美錦が相手とはいえ、棒立ちで真っすぐ下がった琴欧洲の負けっぷりは、綱とりを目指す大関の姿ではなかった。
5連敗中の苦手意識からか、どっしりと構えることができない。立ち合いで珍しく先に両手をついたことで、相手の当たりをまともに受けてしまう。「一瞬、待っただと思った。向こうは手をついてなかったんじゃない?」と嘆いたが、惨敗ともいえる相撲内容からすれば、あまり関係ない。
休場明けで初優勝した夏場所はかど番で、大関15場所で2けた勝利はわずかに4場所。横綱昇進へのハードルは自然と高くなるだけに、初日からの黒星は致命的だ。
綱とりに挑んだ1981年名古屋場所で、初日に敗れながら14連勝で優勝して夢を実現させた九重親方(元横綱千代の富士)は言う。「琴欧洲からは、何としてでも(横綱を)つかんでやるという気迫が伝わってこない。おれの時はチャンスは何度も来ないと思って、必死に向かっていったものだ」。確かにどこか淡々とした印象すら抱かせる大関には、大きな目標に挑む迫力が足りない。
「今日は終わった。気持ちを切り替えていく」と言葉少なに話す琴欧洲に対し、北の湖理事長(元横綱)は「今後の土俵が大事だ」。2日目からは、一度しぼんだ昇進ムードを少しずつ膨らませていくしかない。
【続きを読む】