【第19回】東海大が出雲3連覇!4区・伊達が圧巻の“電力疾走”

東海大のアンカー、佐藤は掲げた右手で3連覇をアピールし、笑顔でゴール=撮影・桐山弘太

4区を区間新で走り、3位からトップに引き上げ、東海大の独走態勢を作った伊達=撮影・桐山弘太
第19回出雲全日本大学選抜駅伝競走(8日、出雲大社正面鳥居前〜出雲ドーム前=6区間44キロ)東海大が2時間7分14秒の大会新記録で優勝。“学生四天王”の一人、4区の伊達秀晃(4年)が体調不良ながら2年連続区間新の快走でトップに立った。そのまま独走状態となり、最終6区のエース・佐藤悠基(3年)が逃げ切ってゴール。91〜95年の山梨学院大、99〜01年の順大に続く史上3校目の3連覇を達成した。日大が2位に入り、5年ぶりに出場した早大は10位に終わった。
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学生四天王の看板は“ダテ”じゃない。トップと17秒差の3位でタスキを受けた伊達が小刻みにラップを刻む。25キロ過ぎで駒大を抜いてトップに立つとその差を一気に広げた。28秒もの貯金を作って5区の皆倉へ。昨年の3区に続く区間新を樹立し、神話の古里・出雲で新たな伝説を打ち立てた。
「体調がかなり悪くて区間も(エース区間の3、6区ではなく)4区。みんなに助けられました」
1週間ほど前から、へんとう炎からくるのどの痛みを発症。身体もだるく、大会初の雨天決戦に不安を感じていた。だが、学生ロード界No.1と称される実力で雨をも切り裂く爆走を披露。すべては尊敬する“あの人”のおかげだ。
「粘りの走りと強い精神力。練習量や食事面など、すべてが勉強になりました」
今夏の大阪世界選手権男子マラソンで日本人トップ(5位入賞)の尾方剛(中国電力)のことだ。05年世界選手権銅メダリストを目標に掲げる伊達は、8月に中電の北海道合宿に参加、尾方と濃密な時間を過ごした。その時は、逆に伊達がスピード走で尾方を引っ張る場面も。あの時の経験が間違いなく糧になった。
同社に就職内定している伊達に中電・坂口泰監督は、「入社時の尾方より力は上。まず5000メートルで日本新を出して、12年ロンドン五輪を狙わせたい」とマラソン転向への青写真を描いている。
東海大はその後も皆倉−佐藤とタスキをつなぎ3年連続大会新記録での3連覇を達成した。狙うは来年1月の箱根路。初の総合優勝に向け、最高のスタートを切った。
(山田貴史)
■学生四天王
東海大・伊達秀晃、順大・松岡佑起、中大・上野裕一郎、日体大・北村聡の4年生4人を指す。今年の出雲駅伝では、それぞれ4、3、1、6区を走り、北村だけが区間賞を取れなかった。
■出雲駅伝の3連覇
東海大で3校目。山梨学院大が91年〜95年に5連覇したのを筆頭に、順大が99年〜01年に3連覇をしている。3年連続大会新記録での3連覇は東海大が初めて。
★さすが“四天王”!順大・松岡が花の3区で8人抜き
エースがそろった3区で、順大の松岡佑起(4年)が、こちらも“四天王”の存在感を示した。「どの位置でタスキをもらっても、前半から思い切っていこうと思っていた」と積極的に飛ばして8人抜き。10位から2位に順位を上げた。8月のユニバーシアード(バンコク)では、5000メートル銀メダル。学生屈指の実力を誇るが、ここ2回は故障で走れなかった。3年ぶりの出雲路もチームは5位に終わり、「全日本(大学駅伝)では勝つことを目指したい」と雪辱を誓った。
★日大またまた2位…ダニエル激走も東海大に届かず
昨年度の学生3大駅伝すべてで2位に甘んじた日大は今回も屈辱の2位フィニッシュ。5位でタスキを受けた最終6区のアンカー、ダニエル(2年)が区間1位の走りで東海大・佐藤を猛追したが、及ばなかった。小川聡監督は「2位はダニエルのおかげ。1区(11位)の出遅れがすべて。危機感を持ってもう一度走り込み、チームを立て直したい」と全日本&箱根に向けて巻き返しを誓っていた。
★早大は5年ぶり出場も10位惨敗…竹沢「焦りがあった」
5年ぶりに出場した名門・早大は10位に終わった。レース前に「一度は先頭に立ちたい」と口にしていた渡辺康幸監督だが、惨敗にも「このチームは壁にぶち当たった方が締まる。まだ2大会あるし、気持ちを切り替えていく」と前向き。3区で区間3位だった大阪世界選手権男子1万メートル代表(12位)・竹沢健介(3年)も「(15位でタスキを受け)少し焦りがあった。またやり直すしかないかな」と悲壮感はなかった。


◆1区で区間新(22分50秒)を出した学生四天王の一人、中大・上野裕一郎
「自分の設定タイム(22分30秒)より遅かったけど、全日本と箱根につながる走りはできた」