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挑発サラリとかわしトルシエさあ米国狩り
【アデレード22日=湯浅大】さあ、米国撃破で4強だ! サッカー男子の日本は日本時間23日午後6時、準決勝進出をかけ、当地のハインドマーシュ・スタジアムで米国と対戦する。前日の22日に会見したフィリップ・トルシエ監督(45)は米国人記者の挑発にも動じることなく、MF本山雅志(21)=鹿島=の起用法など、秘策を持って臨むことを明らかにした。〔写真:スタジアム見学をするトルシエ監督。じっと秘策を練り上げる?〕
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完全にナメられた。この日、アデレード市内のホテルで行われた会見で、トルシエ・ジャパンが米国人記者に見下された。
「アメリカは日本と同じ3バックのチェコと対戦しています。そのときは非常にやりやすく、チェコは米国の攻めに対抗できませんでしたが、日本は大丈夫ですか?」
米国のグループリーグ初戦となった13日のチェコ戦。大半の下馬評を覆し、米国は強豪チェコと2−2で引き分ける快挙を演じた。そんな背景から米国人記者がチクリと、トルシエ監督の代名詞とも言える「フラット3」(DF3人が横一線に並ぶ守備戦術)に強烈な“先制口撃”を加えた。
ところが、激情家で知られるトルシエ監督も、この日は一枚上手だった。
「私のチームの守備は3バックの最終ラインだけではありません。前線からコンパクトに守る、近代的な戦術が私のシステムです。私の戦術の象徴は3バックではありません」
いったいアナタたちは日本チームの何を見ているのですか? とでも言いたげに、米国人記者の挑発をサラリとかわした。
余裕の表情の裏には、トルシエ監督の頭脳に隠された“秘策”があった。日本の切り札でもあるMF本山を、今大会では中央で起用していたが、米国戦では本来の左サイドでプレーさせることを示唆した。「アメリカは左サイドでの本山を知らない。記者のみなさんもあわてて調べるのではないですか?」と、掟破りの“挑発カウンター”で、米国人記者を青くさせた。
「戦術的な変更? アメリカの記者がいるから言えません」。ニヤリと笑って締めたトルシエ監督。勝算はこの頭のなかに在り−。揺るぎない自信とともに、32年ぶりの4強入りを決める。
★米国監督は日本に強い警戒感
米国のクライブ・チャールズ監督は22日の記者会見で、「日本戦は米国サッカー史上最も厳しい試合になる。相手MF陣は強力だ」と、日本に対する警戒感を示した。
76年ぶりに決勝トーナメント進出を果たした米国にとって、脅威の的は20日のブラジル戦を累積警告で欠場、休養十分の日本MF中田英だ。チームとして対応策を急いでおり、スタッフは日本戦のビデオを長時間かけて分析。逆に選手については「サッカーのことを忘れさせる」ため、21日の練習予定を急きょオフに変更して、英気を養わせた。
ところで、米国人記者が“挑発”した割には、米国民の男子代表への評価は非常に低い。関心事は99年W杯優勝の女子代表の方。男子が決勝トーナメント進出を決めたときも、「これで少しは注目されるのでは…」と冷ややかな報道が多かった。
日本を「決勝トーナメント進出8カ国の中で最速軍団」(USAトゥデイ)と絶賛する声も多く、同監督の「メダルが目標」との願いとは裏腹に、国内は早々と“負けムード”に覆われている。
★本山待ってました「左で出して」
トルシエ監督から米国撃破の“秘策要員”として挙げられたMF本山も、従来の左サイドでのプレーを熱望した。「できれば左で出たい、という気持ちはあります。代表では2年間ずっと左ですし、アップのときから左を想定してやっていますから」。途中出場した予選リーグ3試合はすべて真ん中でプレー。いよいよ左サイドで“デビュー”を果たすときが来た。
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