2008年05月13日 更新
中国大地震、死者8689人に 四川省震源、M7.8

12日中国を襲った大地震で、路上で夜を過ごす準備をする人たち=四川省綿陽(ロイター)
12日午後2時28分(日本時間同3時28分)、中国南西部・四川省を震源とする大規模地震が発生した。地震の規模を示すマグニチュード(M)は7.8。中国国営新華社通信によると、地震による死者は四川省だけで8533人、他省などを含めると8689人に達した。被害がもっとも深刻な四川省綿陽市北川県では建物の80%が倒壊した。北京五輪まで3カ月を切る中、チベット暴動で揺れる中国に新たな混乱が襲った。
米地質調査所(USGS)によると、震源は省都・成都から北西に約90キロ離れた同省アバ・チベット族チャン族自治州●(=さんずいに文)川(ぶんせん)県で、震源の深さは約10キロ。揺れは台湾、バンコク、ハノイなどへも広がった。
新華社通信は北川県だけで死者は3000〜5000人と推定。中国通信社は同省徳陽市でも420人が死亡したと伝えた。同市では2つの化学工場が全壊、数百人が生き埋めになった。工場からは液化アンモニア80トン以上が漏れ出しているという。震源地から約100キロ離れた成都近郊の都江堰市では、中学校校舎の倒壊で900人近い生徒が生き埋めになり、死者は50人を超えた。四川省ではほかに少なくとも4つの小中学校の校舎が倒壊。同省眉山市では約3200人の負傷者が出ている。
成都の南東約250キロの重慶市内でも、小学校2校の校舎が倒壊して5人の児童が死亡するなど50人が犠牲になったほか、陝西省で57人、甘粛省で48人、雲南省で1人の死亡が確認されている。
成都市内では地震発生から約1分間揺れが続いた。ビルの窓ガラスが落下し、屋内の棚や電気製品などが倒れた。水道管が破裂し街は水びたしの状況で、飲食店やホテルは閉店している。中国中央テレビの電話取材に答えた成都市民の男性は市内の一部で電話が不通になっていると語った。成都国際空港では航空機の発着が停止している。北京でも四川省の地震発生から約7分後に、M3・9の地震が観測された。
中国政府は今回の地震を4段階中2番目に深刻な「レベル2」に指定した。胡錦濤国家主席は負傷者救助と被災地住民の安全確保に「国家を挙げて」取り組むよう指示。温家宝首相が救難活動を指揮するために空路成都に入り、都江堰市に向かった。
人民解放軍と武装警察隊約9000人、軍ヘリコプターも出動。道路、通信、電力が寸断されているが、温首相は「歩いてでも迅速に被災地に入るように」と救援部隊に命じた。民政省が四川省にテント500張を送ったほか、中国赤十字も約79万元(約1170万円)分の救援物資を被災地に送る予定だ。
中国では3月21日にも、新疆ウイグル自治区の崑崙山脈付近でM7・2の大規模地震が起きたばかり。この地震では約2300戸の家屋が倒壊し、約4万4000人が被災した。
四川省では、過去100年の間にM7・0以上の地震が少なくとも4回起きており、計約1万5200人の死者が出ている。
漢族、チベット族、回族、チャン族が混在する●(=さんずいに文)川県の総人口は約10万6000人で、西南部にはパンダの自然保護区がある。自然保護区との連絡は途絶えたままで被災状況は不明。また、900人近くが生き埋めになった都江堰市には世界文化遺産に指定されている世界最古の水利潅漑(かんがい)施設・都江堰があり、遺跡に被害が及んでいるかどうかが懸念されている。
今のところ、日本人に負傷者が出ているとの情報は寄せられていない。






