2008年05月07日 更新
スーパーアグリ・ホンダが資金難を理由にF1撤退…

記者会見で厳しい表情を見せるスーパーアグリ・ホンダの鈴木亜久里代表=6日午後、東京都港区

スーパーアグリ・ホンダの存続を訴えるファンたち=6日午後、東京都港区
自動車レース、F1シリーズのスーパーアグリ・ホンダが6日、東京都港区で、財政的にチーム運営が不可能になったとして、同シリーズからの撤退を発表した。
鈴木亜久里代表(47)は記者会見で「安定的な活動継続のめどが立たないため撤退する。資金集めがうまくいかなかった」と述べた。同チームの佐藤琢磨(31)もレースを離れるため、本格参戦する日本人ドライバーは、現時点でウィリアムズ・トヨタの中嶋一貴(23)のみとなる。
スーパーアグリ・ホンダは2006年から参戦。年間予算が500億円以上のチームが多い中、当初から資金難に苦しんだ。さらに外国企業との資本提携の不調なども加わった。
鈴木代表と佐藤は、チーム発足前に3位になった実績を持つ。日本人でF1の表彰台に立ったのは2人だけ。その両者が世界最高峰の舞台からおりることになった。
記者会見場と同じ港区のホンダ本社前には、継続支援を求めるファンの姿も見られた。
★スポンサー獲得できず
スーパーアグリ・ホンダは十分なスポンサーを獲得できず、物心両面で破格の支援を続けてきたホンダへの債務も、返済の見通しが立たない。
英国工場の社員は100人を割り、テスト走行には参加できず、マシン開発もできない状態だ。チーム関係者は「ずっと自転車操業。頑張れと言ってくれる人は多いが、お金を出してくれる人はいない」と口にする。
広告代理店関係者によると、F1は広告費用が高額な割には露出が少なく、宣伝効果は小さいという。ある自動車メーカーの幹部は「F1で広告を打つのは、寄付のようなもの」とも。
F1界には年間500億円を超える巨額予算を組むチームも多い。親会社を持たないスーパーアグリは強豪の約2割とみられる低予算で切り盛りしてきたが、ついに限界を迎えた。鈴木代表は「何億円も出してくれるスポンサーが多数必要で、このままいったらF1は駄目になる」と嘆いた。
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鈴木亜久里代表は黒いスーツに穏やかな表情で、苦渋の決断を語った。
◆鈴木亜久里スーパーアグリ・ホンダ代表の話
「資金難からチームを続行できないということになりました。約2年半しか戦えなかったが、内容の濃いレース活動ができた。悔いはないです」
◆大島裕志・ホンダ執行役員の話
「鈴木代表から自立した運営基盤を確立する見通しが立たず、撤退するという説明を受けました。残念な決定ですが、やむを得ないものとして受け止めました」







「安定的に活動を継続するめどが立たず、撤退する決断を下した」
−いつ決めたのか。「(4月に)英国企業との交渉が終わり、もう時間的に無理だと思った。あまりに突然で、頭が真っ白になった。その後、ドイツ企業と交渉したが、間に合わなかった」
−参戦を振り返って。「やって良かった。これだけ応援してもらって有意義な2年半だった。30歳でF1ドライバー、35歳でF1引退、45歳でオーナー、50歳でリタイアと思っていたが、ちょっと前倒しになった」
−スポンサーが集まらなかった。「日本企業がF1に興味なかったのと、費用対効果が合わなかった。今のF1は企業戦になって、予算も膨らんでいる。その意味で難しいスポーツだし、今後も個人所有チームは厳しいだろう」
−ドライバーの佐藤琢磨と話をしたか。「昨日(5日)、もうできなくなったと伝えた。信じられないと言っていた」