2008年04月27日 更新

平岡と内柴も五輪代表に決定!柔道全階級で出場枠獲得

男子60キロ級決勝 イランの選手を攻める平岡拓晃(下)=韓国・済州島(共同)

男子60キロ級決勝 イランの選手を攻める平岡拓晃(下)=韓国・済州島(共同)

 柔道の北京五輪出場枠をかけたアジア選手権最終日は27日、韓国の済州島で男女各4階級を行い、五輪代表候補で男子60キロ級の平岡拓晃(了徳寺学園職)が優勝、同66キロ級の内柴正人(旭化成)が5位となり、いずれも規定により出場枠を獲得した。2人は五輪代表に決まり、これで日本は北京五輪で男女計14階級すべてに出場する。

 北京五輪女子52キロ級代表の中村美里(三井住友海上)は1回戦で敗れ、左ひじを痛めて敗者復活戦を棄権した。

 このほかの日本勢では、女子48キロ級の山岸絵美(三井住友海上)同57キロ級の松本薫(帝京大)同無差別級の杉本美香(コマツ)が優勝した。

 最後に残った男子100キロ超級の五輪代表は、29日の全日本選手権後に決まる。(共同)

★平岡、アジアの舞台で成長した姿

 五輪3連覇の野村を押しのけて北京への道を切り開いた。出場枠のかかった今大会に平岡は「ここで負けたら、世間から『野村を出しておけばよかった』と言われる」と責任を感じていた。

 初戦から3試合連続の一本勝ちで準決勝に進んだ。この時点で枠を確保して「気が少し緩んだ」という。準決勝は2月のフランス国際で一本勝ちしたカザフスタン選手に延長の末に優勢勝ち。決勝もアテネ五輪5位のハジアホンドザデ(イラン)の変則的な柔道に苦しみながら、内また返しで一本勝ちした。

 候補から正式な五輪代表となり、笑みがこぼれた。もう一つの喜びも重なった。「やっと借りを返せた」。1年前のアジア選手権で味わった初戦敗退の屈辱を晴らした。

 格下のインド選手に完敗し、周囲から「日本柔道の恥」とまで非難された。あれから1年、アジアの舞台で成長した姿を見せつけた。枠獲得で苦しい戦いが続いた中、日本男子の斉藤監督は「自信をもって自分の柔道をしている」と評価した。

 嫌な過去を清算し、あとは北京に向かっていくだけだ。「五輪は夢じゃなく目標。金メダルを取るために、やるべきことをやっていく」と力を込めた。(共同)


■平岡 拓晃(ひらおか・ひろあき=柔道男子60キロ級)

 07年嘉納杯東京国際を制し、08年フランス国際、全日本選抜体重別選手権で優勝。筑波大出、了徳寺学園職。160センチ。23歳。広島県出身。

★内柴、連続五輪にも反省しきり

 2大会連続の五輪出場を決めた内柴だが、5位の結果に「まだまだ不安定なところがある。直していかなければ」と反省しきりだった。

 3回戦は一度相手に抑え込まれながら、何とか逃げ切って優勢勝ちした。勝利への執念を見せて枠獲得を決めたが、その後の準決勝と3位決定戦で連敗を喫した。

 4年前もアジア選手権で枠取りに挑み、5位で五輪切符を獲得。敗戦を糧にアテネでの金メダルにつなげた。落ち込んだ様子はなく「気持ちさえ入ってくれば大丈夫。(外国勢との)差は縮まる」と話した。(共同)

■内柴 正人(うちしば・まさと=柔道男子66キロ級)

 アテネ五輪金メダリスト。05年世界選手権2位、08年フランス国際2位。国士舘大出、旭化成。160センチ。29歳。熊本県出身。

★消化不良気味の中村

 既に五輪代表に決まっていた選手でただ1人出場した女子52キロ級の中村は「足技からの連絡技など、自分の持っているものを試したかった」と消化不良気味だった。

 初戦で無名の北朝鮮選手と対戦。けんか四つの相手を攻めあぐね、延長戦で背負い投げで効果を奪われた。投げられたときに左ひじを痛め、敗者復活戦を棄権した。

 左ひじは中学時代からの古傷で大事を取った。五輪前の国際試合は今回が最後。「ひじをしっかりと治して、外国人対策も練っていく」と気持ちを引き締めた。(共同)

★斉藤監督「これからが本当の意味での勝負」

 日本は北京五輪の男女全階級出場をようやく決め、枠を一つでも落とす史上初の事態は回避した。たが、出場枠のかかった6階級のうち、優勝で無条件で枠を獲得したのは3階級だけ。全日本柔道連盟の吉村強化委員長は「アテネのときに比べて余裕がない。危機感を持っている」と厳しい表情を浮かべた。

 男子は競り合いに負ける展開が多く、北京へ課題を残した。日本男子の斉藤監督は「これからが本当の意味での勝負。けいこの質を高め、腹をくくってやるしかない」と話した。(共同)