2008年03月27日 更新

宇治山田商、逆転サヨナラで初勝利!九回に2点差跳ね返す

応援する宇治山田のチアガール=甲子園(撮影・板東和正)

応援する宇治山田のチアガール=甲子園(撮影・板東和正)

9回裏、サヨナラのホームを踏みジャンプして喜ぶ宇治山田商・清水とうなだれる安房・鹿嶋=甲子園

9回裏、サヨナラのホームを踏みジャンプして喜ぶ宇治山田商・清水とうなだれる安房・鹿嶋=甲子園

 第80回選抜高校野球大会第6日は27日、甲子園球場で2回戦を行い、宇治山田商(三重)が4−3で安房(千葉)に逆転サヨナラ勝ちし、3回戦へ進んだ。

 初出場の宇治山田商は終盤に反撃。八回に1点を返し、九回に4長短打で3点を奪って甲子園初勝利を挙げた。

★劇的幕切れに「夢のよう」

 2点を追う土壇場の九回、宇治山田商打線が佐野に襲いかかった。この回、一死二、三塁と攻め立て、清水の2点二塁打で同点に。続く北川の左中間への打球は左翼手のグラブに入ったが、倒れ込んだ際にこぼれて安打となり、決勝点を奪い取った。劇的な幕切れでの甲子園初勝利に中居監督は「こんな形で勝てるなんて夢のよう」と感極まった表情だった。

 序盤から佐野の緩急をつけた投球に苦しみ、七回までわずか1安打。沈黙する打線を目覚めさせたのは、低めの変化球を見極めるため「打席のできるだけ後ろに立て」とする監督の指示だった。終盤に変化球をとらえ始めると、八回に待望の1点を奪い、九回の猛攻につなげた。

 昨夏は優勝した佐賀北と延長十五回引き分け再試合の末に敗れた。中居監督はこの日も「序盤から劣勢で、あの時と同じ様な雰囲気だった」と感じていた。

 しかしサヨナラ打の北川は「後半追いつくと信じていた」。先発メンバーのうち7人が佐賀北戦を経験しているが、再試合で大敗したもろさはない。指揮官は「自分たちを信じてやってくれたのが大きな成長」と一回り大きくなったナインに目を細めていた。

★たくましくなった右腕

 宇治山田商の平生はいきなり先頭打者本塁打を浴びて、「びっくりした」と頭をかいた。二回にも3長短打で2点を失ったが、三回以降は直球と鋭いスライダーを武器に0点に抑え込んだ。

 昨夏の甲子園では優勝した佐賀北(佐賀)と2回戦で対戦。引き分け再試合にも登板して、精神的にたくましくなった。冬場にはウエートトレーニングで体を強化。真っすぐは最速153キロを掲示した。12三振を奪った右腕は「(球速は)そんなに出ていないと思った。リラックスして投げたのが良かった」と笑顔をふりまいた。

★同点打に激走の清水

 九回に同点の2点二塁打を放った宇治山田商の清水は「とにかく直峰(北川)につなごうと思っていた。うまく振り抜けました」。直後に北川のサヨナラ打で生還し、笑みが止まらなかった。

 サヨナラ打となった飛球は左翼手が好捕してもおかしくなかったが、清水は走りだしていた。もし、捕球されていたら二塁へ戻れずに併殺となるところだった。それでも8番打者は「抜けると信じていた」ときっぱり。思い切りの良さも劇的勝利につながった。

◆宇治山田商・木田恵捕手

(完投の平生に)「いきなり本塁打を打たれたけど、調子は悪くなかった。徐々に外の真っすぐが決まるようになった」

◆宇治山田商・松島左翼手

(八回に左前適時打)「詰まっていたけどうまく打てた。途中までは、緩い球を打てずにピリピリしたムードでした」