2008年05月03日 更新
「死ね」発言なかった…暴言問題は双方の主張認める灰色決着

J1のFC東京−大分戦(4月29日、味スタ)で、西村雄一主審(36)=写真=が大分DF上本大海(25)に「死ね」との暴言を吐いたとされる問題で2日、日本サッカー協会とJリーグが会見。暴言はなかったとの判断を正式に発表した。ただ、上本の主張に対しても「否定できない。尊重する」とした微妙な結論。双方とも処分はなく、西村主審は3日もJリーグで笛を吹く。
◇
会見にはJリーグの鬼武チェアマン、日本協会の田嶋専務理事、松崎審判委員長が出席。「『死ね』という言葉は言っていないと判断した」と田嶋専務理事。前日に明かした調査の経過通りの判断を説明した。
Jと協会はこの日、3日連続で西村主審から事情聴取。大分にもJ幹部が飛んで上本から話を聞いた。双方の言い分は変わらず平行線。
それでも“シロ”の判断が下された理由は田嶋専務理事によると、(1)大分、FC東京とも、上本以外の選手が暴言を聞いた事実がない(2)ビデオなどを見ても、暴言を言う状況ではなかった−というもの。
西村主審は「うるさい。黙ってプレーして」とは言ったとしており、田嶋専務理事は、上本が「して」を「死ね」と聞き違えたのではないかとの私見を述べていた。
ただ、この日は「聞き違い? いえ。われわれが言えるのは“言っていない”という判断」とし、鬼武チェアマンも「彼が言っているのも否定できない。尊重しないと」とした。両者の主張を一応は認めるという、まったくつじつまが合わないのに、結論だけが導かれた。
上本は「自分の発言を尊重してもらったと受け止める。これからはサッカーに集中したい」と割り切った。松崎審判委員長は審判員へ、適切な言葉遣いをするよう通達を出すことは明言。一方で鬼武チェアマンは、選手のメディアへの不用意発言を抑制するなど、選手の“口封じ”を行うという。真実はどちらか、証明が難しいのは確かだが、何とも釈然としない玉虫色の決着。今後も同じことは起こり得る。
■西村主審の暴言問題
4月29日に味の素スタジアムで行われたFC東京Vs大分。後半37分過ぎ、FC東京FW赤嶺と大分DF深谷が競り合い、西村主審は赤嶺のファウルと判定。しかし、大分DF上本が「(赤嶺の)ひじが入ってました。今日2度目ですよ」と異議を申し立てた。すると同主審は「うるさい。お前は黙ってプレーしておけ。死ね」と暴言を吐いたという。試合後にも上本が「日本協会に報告しますよ」と伝えると、「お前は黙っとけ。イエローカードを出すぞ」と再び暴言を浴びせたとされる。試合は計6枚のイエローカードが出て、2人の退場者を出した大分が0−1で敗れた。
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