2008年04月23日 更新

W杯へ守り徹底!岡田監督、細かい指示の完全マニュアル方式

大久保(右)と競り合う香川。試練の“45分一本勝負”に臨む(撮影・財満朝則)

大久保(右)と競り合う香川。試練の“45分一本勝負”に臨む(撮影・財満朝則)

 日本代表候補合宿(22日、千葉県内)いよいよ“岡田流”の導入に着手−。合宿2日目の練習で、岡田武史監督(51)は細かい指示を出す完全マニュアル方式の練習を行った。3月のバーレーン戦の敗戦後に宣言した“オレ流”の実行に、選手も「あまりなかったこと」とその変化を敏感に察知。個々の判断を重んじる“オシム流”から一転、もう後がない岡田ジャパンはとにかく結果を求める。

 理想より現実−。オレンジ色の照明に包まれた千葉県内のグラウンドに、岡田ジャパンの新たな姿が表れた。

 「ディフェンスのやり方をしっかりやったのは珍しい。あんまりなかった」。午前、夜の2部、約3時間に及んだ練習。FW大久保はその変化を敏感に感じ取っていた。“オシム・チルドレン”MF山岸も「守備に関しては細かくなった」と明言した。

 3月の南アW杯予選バーレーン戦の敗戦後、岡田監督は「オレのやり方でいく」と“オシム流”との融合から、“オレ流”移行を宣言。言葉通り、同戦後初の合宿で違いは浮き彫りとなった。

 紅白戦などの実戦練習の際に、岡田監督はプレーを途中で何度も中断。サイドに相手ボールが渡った場合に誰がタックルに行き、誰がフォローするかなど、役割を担う選手まで指定して対応策を伝授した。前線からのプレスなど基本的なことも言葉にして注意喚起。攻撃でも「ぼけっと立つな。パスを呼び込め。ちょっと動き出すだけで意思表示はできる」などと指示した。

 MF中村憲が「基本的なやり方は変わってない」という通り、現時点でピッチに表れる結果が大きく変化したわけではない。しかし山岸は「まず守備からしっかり入って、全員の意思統一をやった。約束事が多い? そうですね」と、結果に至る手法の大きな違いを指摘した。

 オシム前監督は「美しいサッカー」を標榜し、早急な結果より内容を重視。あえて解答を示さず選手個々の判断を重視した。一方、これ以上の敗戦は許されない状況で、岡田監督が求めるのは未来より、まず目の前の予選突破。マニュアル本のごとく選手に解答を逐一示し、98年フランスW杯予選時の緊急登板時のような結果至上主義への転換を見せ始めた。

 「短い時間で浸透させなきゃいけない」と中村憲。いよいよ見え始めた“岡田流”。とにかく結果を求め、岡田監督は自らの持つ最善策を選択する。

(志田健)

★香川、45分間で結果出せ!筑波大と選考マッチ

 “2階級特進”で招集されたMF香川(C大阪)は、紅白戦で本職の左ではなく右サイドで積極的なプレーを披露。岡田監督から「香川! グッドだ!」と賛辞の言葉を投げかけられた19歳は、「アピールしないと残れない。限られた時間でも、しっかり結果を出すしかない」。

 新戦力発掘もテーマとなる今合宿、香川らA代表初招集が6人、岡田体制初参戦が5人と計11人が初顔だ。打ち上げとなる23日の筑波大との練習試合は45分間×2本。岡田監督は選手の出場時間を「1人マックス45分間」に設定した。若武者が45分で存在感を示す。

★山瀬功、岡田ジャパンで初ボランチ

 実戦練習ではMF山瀬功が、所属の横浜Mで今季から配置転換されたボランチに岡田ジャパンでも初めて入った。「ボランチの位置からスルスル上がっていく方がマークされにくい。実際、マリノスでやっててもそう感じた」と新境地に意欲的な山瀬功。6月のW杯予選ではこれまでの攻撃的MFの位置では役割が重なるMF中村俊輔(セルティック)も合流予定だけに、横浜Mの“新旧ファンタジスタ”の共存へ、可能性も開けてきた。

★古沼氏、今後の課題 どう点をとるか

 帝京高元監督の古沼貞夫氏が午前中の練習後、岡田監督と談笑。かねてから親交がある2人は約20分間、サッカー談義に花を咲かせたようだ。「(岡田監督は)私のような者の話でも耳を傾けてくれる。(W杯予選にむけた今後のチーム作りは)どう点をとっていくか、ということではないでしょうか」と私見を交えて語った。

★川淵キャプテン、DF長友を絶賛

 日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンは22日、小平第13小、FC東京(小平市)、烏山北小(世田谷区)を訪れ、グラウンドや校庭の芝生を視察。FC東京ではグラウンドキーパーの話を熱心に聞き入り、自然芝導入の必要性を訴えた。

 さらに同チームからA代表に初選出されたDF長友について「プレーはもちろん、記者の質問に一辺倒な受け答えではなく、おもしろいコメントをする」と、絶賛した。

★高原、U−23日本代表戦欠場

 右ひざ内側側副じん帯を痛めて日本代表合宿を辞退した浦和FW高原がチーム練習に参加。シュート練習は回避したが、ランニングなどで汗を流した。「代表できっちり練習できないと意味がない。チームで調整して次の試合に向けて準備した」と高原。さらに今季無得点とあって「本来はクラブでのプレーが代表につながるもの」と話した。23日のU−23日本代表との練習試合も欠場する。

 またエンゲルス監督はへんとう腺の腫れと発熱で代表を辞退したMF鈴木について「いつやれるか分からない」と練習復帰の見通しが立っていないことを明かした。

(大原)

★坪井、右太もも裏痛め、練習を途中離脱

 浦和DF坪井が右太もも裏を痛めて練習を途中離脱。23日に検査を受ける見込みだが、長期離脱となればチームにとっては大きな痛手となる。