2008年04月16日 更新

中田氏が934日ぶりに日本のピッチに「現役に負けない」

 06年ドイツW杯で現役を引退した元日本代表の中田英寿氏(31)=写真=が15日、東京都内の東大本郷キャンパスで記者会見し、『TAKE ACTION! 2008』と題したキャンペーンを発表。目玉企画としてサンケイスポーツ既報の世界選抜戦『プラス・ワン・フットボール・マッチ』(6月7日、日産ス)開催を表明した。会見後のラジオ収録では「現役に負けないくらいやる」と真剣勝負宣言。“王様”が934日ぶりに日本のピッチで躍動する。

 現役引退から1年9カ月。日焼けした顔に柔和な笑顔をたたえ、中田氏が言い切った。

 「約2年、サッカーから遠ざかっていても、やるからには現役に負けないくらいやる。走り込みとかはしているので大丈夫ですけど問題は試合感覚。Jとかどっかの練習に入り込みながらやってもいい」。イタリア、英国など世界6カ国のメディアが集まった注目の会見を終え、ラジオ収録に参加。そこで、真剣勝負宣言を激白した。

 親交ある建築家・安藤忠雄氏が設計した東大・福武ホールで発表した「プラス・ワン・フットボール・マッチ」開催。6月7日に日産スタジアムで、前チェルシー監督のモウリーニョ氏率いる「ワールドスターズ」と、中田氏を含む元日本代表選手らを釜本邦茂氏率いる「ジャパンスターズ」が対戦する。

 中田氏の人脈で日韓W杯なみに世界のスター選手が多数、来日する予定。外務省、環境省も後援に名を連ね、日本では前例のない国際イベントになる。実現までには苦労もあり「もっと簡単にできると思っていた。甘く見ていた。でも逆にそれで燃えた」。そこまで本気になる理由は、引退後の1年9カ月の旅にある。

 「サッカーの中心から外れて旅に出て、僕個人をサッカー選手の中田として知っている人が多かった。サッカーだったら色んな環境の人の興味を引くことができるのかなと思った」。貧困、環境問題を目の当たりにし、解決の道を模索。「サッカーは兄弟みたいなもの。生涯かかわっていきたい」。クールな男が熱く語るサッカーを通じて、世界の抱える問題を考えるきっかけにするつもりでいる。

 「来て楽しんでくれるだけでもいい。試合を見て、考えてくれればなおうれしい」。だからこそ真剣勝負。中田氏が熱い思いを胸に、05年11月のアンゴラ戦以来、934日ぶりに日本のピッチに戻ってくる。

(志田健)

★両監督ビデオ出演で“火花”

 会見では両チームの監督がビデオ出演するサプライズも。世界的名将のモウリーニョ氏が「より良い世界を作ろうという素晴らしい目的のプロジェクトに参加できてうれしく思います。監督をするからには、最高のチームを作り上げて盛り上げます」と意気込めば、釜本氏は「モウリーニョさんは大変負けず嫌いと聞いてますが、私も同じく負けるのが一番嫌い。楽しい試合を約束します」と勝利宣言。早くも“火花”を散らした。

■プラス・ワン・フットボール・マッチ

 中田氏が世界の問題解決を呼びかける『TAKE ACTION! 2008』の一環として「なにかできること、ひとつ。」を合言葉に行う『+1キャンペーン』の目玉企画。横浜・日産スタジアムで世界のスター選手で構成する世界選抜と日本選抜が対戦する。北海道洞爺湖サミットの1カ月前の6月7日午後2時キックオフ。中田氏は「世界的に日本に注目が集まる時期。国内に終わるイベントにしたくなかった」と話す。チケットは16日から公式HP(http://www.takeaction2008.com)で先行販売。指定席は3000円、自由席は大人2500円、子供1000円。

■中田氏の近況

 ドイツW杯後の衝撃の引退から約1年9カ月。チェコ・プラハからスタートした旅は現在も続いており、足を踏み入れた国々は100カ国近い。アジアの貧民街、ヨルダンの難民キャンプ、ペルーの世界遺産マチュピチュなどを訪問し、世界の問題を認識。社会貢献活動への思いを強くしていった。07年12月には功績が評価され、FIFAの親善大使に任命。今年2月には人道危機が続くコンゴ東部を訪れた。今後はレバノンへの興味を示す一方、「日本のことも全然知らない」としており、国内の旅も計画しているという。

■ラジオ出演

 中田氏は会見終了後、世界選抜戦に協力するラジオ局J−WAVEの番組収録に参加。ジョン・カビラ氏の新番組『〜JK RADIO〜TOKYO UNITED』(午前6時−同11時30分)で同氏と対談した。“真剣勝負宣言”の他、これまでの旅の印象、人生哲学などにも言及した対談の模様は、今月18日、25日の同番組内で放送される。