2008年03月02日 更新

鹿島、審判にやられた!疑惑判定続発で岩政&大岩開幕戦欠場

優勝を喜び合う広島イレブンの横で、審判団に猛抗議する鹿島の選手たち(左)=撮影・財満朝則

優勝を喜び合う広島イレブンの横で、審判団に猛抗議する鹿島の選手たち(左)=撮影・財満朝則

家本主審(右)から警告を出された岩政(左)は、佐藤寿に抑えられる(撮影・江角和宏)

家本主審(右)から警告を出された岩政(左)は、佐藤寿に抑えられる(撮影・江角和宏)

試合後には、鹿島サポーター数十人がピッチに乱入。係員と小競り合いになった(撮影・財満朝則)

試合後には、鹿島サポーター数十人がピッチに乱入。係員と小競り合いになった(撮影・財満朝則)

 ゼロックス・スーパー杯(1日、国立競技場)J2広島が2−2からのPK戦に4−3で勝ち、初優勝。J2勢としても初の出場で初優勝となった。一方、敗れた鹿島は警告による退場処分を受けたDF岩政大樹(26)、DF大岩剛(35)が8日の札幌とのJリーグ開幕戦(カシマ)に出場停止となる窮地。鹿島は意見書の提出を決めたが、とんだシーズン初戦となってしまった。

 歓喜の輪の横で、鹿島の選手たちが審判団に激しく詰め寄る。納得のいかないサポーター数十人がピッチに乱入。ファン1人が救急車で運ばれる騒動になった。怒りの矛先は、計11枚の警告を出し、3人を退場処分にした家本主審らの不可解な判定に向けられた。

 【シーン1】前半12分に、岩政が不用意にボールを持っていた相手GKの背後から左ひざを出した。「(1枚)イエローが出ていたから、危ないプレーはしないようにしていた。ただ、あまりにビッグチャンスだった」。しかし同主審から「手で取ったから反則といわれた」という岩政は、2枚目の警告で退場となった。

 【シーン2】2−0の後半35分、MF中後のマークするFW久保が転倒。PKの判定が下されたが、ファウルを取られたのは、そこに絡んでいたMF青木。映像で確認したクラブ側は理解できない様子。青木も「何もしてないです。きょうのはおかしいと思う」。

 【シーン3】PK戦で2本を防いだGK曽ケ端だったが、ともにキッカーがける前にラインより前方に動いたと副審から指摘され“けり直し”。結局2本とも決められた。ルールでは、ライン上で動くことは認められているが、前方へ動いてはいけない。「よくわからない。先に動いたというけど…」と曽ケ端は納得のいかない表情。

 【シーン4】試合終了直後、審判に不満げな態度をとった曽ケ端に警告。鹿島の選手たちが説明を求めて審判団に詰め寄ると、今度は中後に警告が出される。さらに事態を収拾しようとした大岩が手を叩くようなしぐさをすると、いきなりレッドカード。大岩は「(マッチコミッショナーに)覆らないですかと聞いたら、覆らないといわれた」とぶ然。

 家本主審についてMF小笠原が「一番冷静であるべき人が、感情的になっていた」と話せば、日本代表DF内田は「中国戦以来だった」と、北朝鮮人主審が試合をコントロールできず、ラフプレーが相次いだ東アジア選手権の中国戦を引き合いに出した。

 大岩と岩政は8日の札幌とのリーグ開幕戦に出場停止。鹿島はセンターバック2人を欠いて開幕に臨む。鈴木強化部長は判定を不服として意見書の提出を決めた。

 「今後に悪い影響を及ぼさなければいいのだが」とオリベイラ監督。昨季は、開幕5試合で勝ち星なしとスタートに苦しんだ王者だが、今年は、それとは違った試練に、立ち向かわなければいけない。

(峯岸弘行)


■ゼロックス・スーパー杯

前年Jリーグ王者と天皇杯覇者が対決するチャンピオンシップとして94年からスタートした。今回は鹿島がJリーグと天皇杯をともに制したため、天皇杯準優勝の広島が出場。Jクラブの「真の王者」を決する一戦で、例年Jリーグ開幕の1週前に開催される。優勝賞金3000万円、準優勝は2000万円。前回優勝はG大阪。最多優勝は鹿島、磐田、東京V(V川崎時代を含む)の3度。


★家本主審でまた大荒れ

 イエロー11枚、レッド3枚、そして両軍が不思議がる不可解判定。Jリーグ・鬼武チェアマンも「反省することは多い」と指摘。家本政明SR(スペシャルレフェリー、主たる収入を審判活動で得るプロ)=写真右=が主審を務める試合がまた荒れた。

 家本氏の判定や行動は以前から問題が頻発。批判が相次いでいる。感情的になって警告を乱発し、荒れた試合が多くなる。06年8月30日の鹿島−名古屋戦では、不可解な判定に怒っていた名古屋のフェルフォーセン監督に対し試合後、逆に挑みかかった。事態を重くみた日本協会は同9月12日、「一貫性を持った判定ができていない」として異例の1カ月の研修を指令。事実上の出場停止で、家本氏は07年1月の復帰まで国内で笛を吹くことはなかった。

 今季開幕PRの意味もある重要な一戦で主審を務めたことについて、Jリーグ関係者は「偶然ではない。(過去を)払しょくしなくては。試金石だった」とした。Jとしては家本氏に期待をかけての投入だったが、裏目に出たとしかいえない。「ここまで印象が悪いと考えざるを得ない」と同関係者。家本氏の今後の活動について、検討される可能性が出てきた。

★「ひとつひとつは大きく間違っていない」

 日本サッカー協会の松崎康弘審判委員長は、家本政明主審の判定について「ひとつひとつは大きく間違っていない」と一定の評価をしながら、「十分に試合をコントロールできなかった。選手の信頼を得られなかった」と指摘した。

 松崎審判委員長はビデオで試合を検証、後半35分に広島にPKを与えた場面を含めて判定はほぼ妥当だったとした。

◆日本協会・川淵キャプテン

「試合内容は今ひとつかな。レフェリーのことは…審判委員会にいう」

◆試合後にマッチコミッショナー(MC)と話し合った鹿島・鈴木強化部長

「ビデオを何度も見たが、なぜPKをとられたのか謎。レフェリーは青木が後ろから引っ掛けたといっているようだが、青木は中後と久保が倒れたところにいただけ。曽ケ端のPKのやり直しは、これがスタンダードでは、みなやり直しになってしまう。試合後に警告を受けたシーンも、MCもチームも確認できず、審判だけがいっている。分からない」