2017.11.30 13:53

【サッカーコラム】シャペコエンセの悲劇から1年 サッカーが持つ本当の力

【サッカーコラム】

シャペコエンセの悲劇から1年 サッカーが持つ本当の力

特集:
No Ball, No Life
スルガ銀行杯で浦和・柏木陽介(右)と競り合うシャペコエンセの選手。ユニホームには航空機事故の犠牲となった選手と同じ数の71個の星がちりばめられていた 

スルガ銀行杯で浦和・柏木陽介(右)と競り合うシャペコエンセの選手。ユニホームには航空機事故の犠牲となった選手と同じ数の71個の星がちりばめられていた 【拡大】

 【No Ball,No Life】あの悲劇から1年が経過した。昨年11月28日にブラジル1部シャペコエンセの選手らを乗せたチャーター着がコロンビアの山中に墜落、選手、関係者ら71人が犠牲となった。

 犠牲者の中には、かつてJ1神戸を率いたカイオ・ジュニオール監督(享年51)、千葉やC大阪に在籍した経験があるFWケンペス(同34)、2015年に川崎に在籍したMFアルトゥール・マイア(同24)ら日本とゆかりのある選手たちも含まれていた。

 事故からちょうど1年となった28日、川崎は練習場に半旗を掲げて、哀悼の意を示した。

 「ものすごく悲しい出来事だった。マイアが天国から見ていてくれているので、浦和戦に必ず勝ちたい」とマイアと交友が深かったDFエウシーニョ(28)。川崎でともにプレーした期間はわずか半年と短かったが、マイアがブラジルに戻った後も連絡を取り続けた仲だった。

 翌29日に行われた浦和-川崎(埼玉スタジアム)では、試合前に黙祷(もくとう)がささげられ、川崎はベンチ横に、マイアが当時着用していた背番号10のユニホームとシャペコエンセのユニホームを掲げ、サポーターも「マイア! マイア!」と名前をコールした。

 対戦相手の浦和もシャペコエンセにゆかりのあるチームだ。浦和は8月に行われたスルガ銀行杯で、南米王者として来日したシャペコエンセと対戦し、1-0で勝利。浦和サポーターは緑のボードを掲げて、いつもなら真っ赤に染まるはずの埼玉スタジアムのスタンドをシャペコエンセのチームカラーに染め上げ、『世界の舞台で再会しましょう』とポルトガル語で横断幕を掲げた。

 そんな浦和サポーターの計らいに応えるかのように、11月25日に浦和がアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制してアジア王者に輝くと、シャペコエンセは公式SNSで浦和を祝福するメッセージを送った。

 Jリーグだけではなく、各国リーグでも事故から1年の節目となった28日の前後に行われた試合で同じように黙祷がささげられた。

 起きた事故は悲劇としかいいようがない。ただ、事故から1年が経過してもなお、各国のサッカー関係者がシャペコエンセに寄り添おうとする姿は素晴らしい。人種差別問題など、暗い話題が出ることもあるが、サッカーがもつ本当の力を見せてもらったような気持ちだ。(清水公和)

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