2017.11.21 12:13

【サッカーコラム】Jのシーズン移行問題 「経営」を主張するリーグ側に危機感はあるのか

【サッカーコラム】

Jのシーズン移行問題 「経営」を主張するリーグ側に危機感はあるのか

特集:
No Ball, No Life
日本サッカー協会の田嶋幸三会長 

日本サッカー協会の田嶋幸三会長 【拡大】

 【No Ball,No Life】日本サッカー協会の田嶋幸三会長が20日、自身がJリーグに提案しているシーズン移行の必要性を訴えた。現行の2月末~12月から欧州と同じ8月~翌5月にリーグを実施することで日本代表の強化、Jリーグのレベルアップにつながると主張した。その根拠は主に以下の2つ。

 (1)11月にリーグ終盤、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)決勝、ルヴァン杯決勝、日本代表の活動などが重なっている。強豪チームや代表選手に負担かかる。代表活動がない4月、5月にリーグ終盤を移せばクラブに集中できる。

 (2)7月、8月の酷暑の中での連戦は試合のクオリティーを下げている。

 田嶋会長はこの2つ以外にもさまざまなメリットを挙げていたが、議論が多岐にわたると「木を見て森を見ず」になるのでここでは割愛する。これに対し、Jリーグの8割のクラブがシーズン移行に反対。主な理由は2つ。

 〔1〕雪国のクラブは積雪期に試合を行うことが困難であり、行うことになった場合でも、練習場の設備などに多大な費用がかかる。

 〔2〕夏休み期間中の試合が減り、寒い冬季の試合が増えると、集客が減る可能性がある。

 田嶋会長は「強化」について話しているが、Jリーグ側は「経営」について話している。田嶋会長のベクトルは世界を向いているが、Jリーグ側のベクトルは内向きである。お互いの主張が平行線をたどるのも無理はない。

 個人的な感想をいえば、シーズン移行をした方が、日本のレベルは上がると思っている。というか、それぐらいのことをやらないと、日本は世界に引き離されるばかりではないかと、危機感すら覚える。

 夏場のJリーグの試合は運動量が少なくて低調にみえる。欧州で展開されているハイスピードなサッカーとは雲泥の差がある。ロシアW杯で日本が惨敗し、次のカタールW杯の出場権を逃すという最悪のシナリオは起きうることだ。そのときはJリーグもかなりのダメージを受ける。そうならないために、できることはすべてやるぐらいの覚悟が必要だと思う。田嶋会長からは、その危機感を感じる。日進月歩のスポーツ界では現状維持は退化と同じである。

 12月のJリーグ理事会ではシーズン移行に反対の意見が通る見通し。そして今後、10年はシーズン移行の議論を行わないという。Jリーグ側は近々、シーズンを移行を行わなくても、日本サッカーのレベルが上がる代案を発表する予定だ。そこに現状に対する危機感がどれほど表れているのか。ベクトルはどこを向いているのか。吟味する必要があるだろう。(浅井武)

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