2017.10.26 12:31

【サッカーコラム】浦和が約5億円かけてクラブハウス増設 アジア王者へ「練習→栄養→休息」の好循環 

【サッカーコラム】

浦和が約5億円かけてクラブハウス増設 アジア王者へ「練習→栄養→休息」の好循環 

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5億円で増築した浦和のクラブハウス新棟。奥が旧棟

5億円で増築した浦和のクラブハウス新棟。奥が旧棟【拡大】

 J1浦和は、25日にさいたま市内の大原サッカー場に約5億円をかけて増設したクラブハウスを公開した。3階建てで床面積は1190平方メートル。1階は半地下のトレーニングルーム。2階にリラックスルームと仮眠室。3階にはテラス付きの食堂を設けた。食事は国立スポーツ科学センター(JISS)の栄養士から指導を仰ぎ、五輪メダリストと同じメニューが用意される。

 最近5年間の安定した成績のおかけで営業収入が増え、環境面への投資が可能になった。2006年にJ1制覇、07年にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を制したが、その後は成績が落ち込み、10年度は約2億6000万円のクラブ史上初の赤字を計上。11年はJ2降格の危機にさらされた。

 14年2月に就任した淵田敬三社長は15年度の予算案を見て、投資計画がないことに驚いたという。「貧すれば鈍する」というが、クラブ全体が将来に目を向ける余裕を失っていたのだ。すぐに作り直しを命じた。アジア王者の称号を取り戻すにあたり、まずはクラブハウスの増築から始めようという声が挙がってきた。

 今でこそビッグクラブと呼ばれる浦和だが、1992年4月のクラブ設立当初は専用グラウンドがなく、荒川河川敷などを転々。浦和の前身だった三菱自動車工業サッカー部は東京・調布市で活動しており、さいたま市内に拠点がなかった。93年7月に大原サッカー場が開設されたものの、プレハブ平屋のクラブハウスはシャワーのみで風呂なし。Jリーグ初期は環境面で立ち遅れ、成績も振るわず、J2降格も経験した。

 浦和の山道守彦強化本部長は、クラブ経営の肝として「いかに“正のスパイラル”を作るか」を挙げた。補強や環境面への投資を怠るとチームは弱体化し、経営も傾く。それはクラブの歴史が証明している。この泥沼に落ちると、脱出は容易ではない。

 その意味で、泥沼にはまった状態からクラブ再建を成し遂げた前監督のミハイロ・ペトロビッチ氏の功績は大きかった。この流れを継続させないといけない。

 新クラブハウスは「練習→栄養→休息」という新たな好循環を作り出すための装置だという。これに加え、11月のACL決勝でタイトルを獲得すればクラブの勢いは一気に加速する。浦和にとって、大きな勝負どころが控えている。(浅井武)

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