2017.9.14 14:19

【サッカーコラム】ハリルJ、縦に速いサッカーを追求 成功の鍵を握る強豪国と渡り合うための武器

【サッカーコラム】

ハリルJ、縦に速いサッカーを追求 成功の鍵を握る強豪国と渡り合うための武器

8月31日の豪州戦で得点を決め、長友佑都(右)と喜ぶ井手口陽介

8月31日の豪州戦で得点を決め、長友佑都(右)と喜ぶ井手口陽介【拡大】

 【No Ball,No Life】8月31日にロシアW杯への切符をつかみ、早くも半月がたった。日本代表の選手たちは各所属クラブへと戻り、それぞれの別の戦いを重ねていくことになるが、10月6日にニュージーランド(豊田)、10日にハイチ(日産)との親善試合が行われるなど、本大会に向けた次のステップへと突入する。

 W杯本大会出場を決めたいまでも、バヒド・ハリルホジッチ監督(65)に対して否定的な意見も出ているが、個人的には本大会も同監督に任せるのが得策と考えている。

 アジア予選では困難な戦いを余儀なくされた。前任のハビエル・アギーレ監督(58)が八百長に関与した疑いで2015年2月3日に契約解除され、そのあとを受けて同年3月12日に監督に就任。6月にはアジア2次予選初戦を控え、わずか3カ月でのチームづくりからスタートした。

 予選突破という最低限の命題をクリアしなくてはならない一方で、3年後の本大会を見据えた準備もしなければならない。ハリルホジッチ監督は、自身がチームを率いて旋風を巻き起こした2014年ブラジル大会のアルジェリアのような「縦に速いサッカー」を日本代表にも落とし込もうとしたが、この戦術は強豪国相手に真価を発揮するもので、2次予選ではそれも苦慮した。

 日本相手に引いて守るチームが多いアジア予選では、監督の指向する「縦に速いサッカー」は力を発揮するどころか、テストにならない場合も多い。特に2次予選ではシンガポール、カンボジアなど、11人全員が自陣に下がり、いわゆる“どん引き”の状態が続き、強引にゴールをこじ開けるよう展開となった。

 元清水監督のズドラヴコ・ゼムノビッチ氏(63)は以前、ハリルホジッチ監督の胸中を代弁し、「目の前の試合で結果を出さなければいけない一方で、本大会に向けた戦術の浸透も図らなければいけないジレンマがある」と話していた。実際に同じ旧ユーゴスラビア出身の友人である同氏に、指揮官はもどかしさを訴えていたという。

 最終予選に入り相手のレベルが上がったことで、ようやく結果も追求しつつ、試行したいサッカーもできるようになった。8月31日の豪州戦では、MF井手口陽介(21)=G大阪、MF山口蛍(26)=C大阪=をインサイドハーフに配置し、ハイプレスから得点につなげる理想的な攻撃を具現化させ、指揮官も納得の試合内容だった。

 理想が形になり始めた。今後はより高いレベルの相手とのテストマッチが組まれ、戦術の浸透具合が一層鮮明となっていく。日本の「縦に速いサッカー」が本番で強豪国と渡り合うための武器となるのか。来年の本大会まで、その武器に磨きをかけられるか否かが、日本の成功の鍵となる。

 批判的な意見もあるが、もう監督人事について言及する時期は過ぎた。いまの日本代表は成長期を過ぎ、成熟期に入りつつある。本番でどこまで世界と渡り合えるのか、いまから楽しみだ。(一色伸裕)

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