2017.7.4 12:00

【サッカーコラム】アジアでの優位性すら失った「自分たちのサッカー」 日本は戦い方の幅を広げるべき

【サッカーコラム】

アジアでの優位性すら失った「自分たちのサッカー」 日本は戦い方の幅を広げるべき

特集:
No Ball, No Life
ハリルホジッチ監督

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 【No Ball,No Life】各大陸王者などが争うコンフェデレーションズ杯(ロシア)が2日に閉幕した。若手中心のドイツが優勝、南米王者チリ、欧州王者ポルトガルが続く順当な結末といえる。一方、アジア王者の豪州は2分け1敗で1次リーグ敗退。来年のロシアW杯に向け、改めてアジアと世界の差を痛感させられた。

 コンフェデ杯といえば、4年前の苦い記憶がよみがえる。日本はアジア王者としてブラジルで行われた大会に出場。ブラジルに0-3、イタリアに3-4、メキシコに1-2と1次リーグで全敗。翌年のブラジルW杯へ、課題を突きつけられた形だった。

 しかし、母国イタリアと派手に打ち合ったザッケローニ監督は「内容には満足している。イタリアに負けているとは思わない」と、攻撃的なサッカーを発揮したことで胸を張ってしまった。結局、W杯本番でも守備のゆるさは改善されず、1分け2敗、計6失点で早々と大会を去った。

 DFラインを高く保ち、ボール保持率を高めて攻める「自分たちのサッカー」は、世界では通用しないことは分かっていたはずだった。2年連続で同じ失敗を繰り返したわけだが、日本協会の誰かが責任を取って辞めたわけでもなかった。

 現在のハリルホジッチ監督は、ザック・ジャパンとは対極にあるカウンター戦術を用いる傾向が強い。その方が勝つ確率は高いと、就任早々に数字を示して明言した。カウンター攻撃をベースに、一戦ごとに先発メンバーや布陣に手を加え、ここまでW杯アジア予選を戦ってきた。

 だが、選手からは依然として慣れ親しんだ「自分たちのサッカー」に針を戻そうとする言動が顔をのぞかせる。これもすべて、協会が責任の所在をあいまいにして、ケジメをつけなかったツケであると思う。すでに「自分たちのサッカー」はアジアでの優位性すら失っていることを、思い出した方がいい。ブラジルW杯とほぼ同じメンバー、ほぼ同じ戦い方で臨んだ2015年アジア杯は8強止まりだった。

 今回のコンフェデ杯でポルトガルの試合をいくつか見たが、ボールをつないでもカウンターで攻めても、精度が高いのに驚かされた。選手が状況を見ながら自在に戦い方を使い分ける。ひとたびリードすれば、のらりくらりと守って時計の針を進めることもできる。ひとつの戦い方に固執する日本と比べると、大人と子どもの違いがある。

 8月31日に日本がW杯出場をかけて戦う豪州も、かつてのロングボール一辺倒の戦い方から脱却して、パスをつなぐスタイルに挑戦している。どの国も戦い方の幅を広げている。近年の日本代表には、日本独自のスタイルを築かなければならないという思いが呪縛のようにあるが、こだわりすぎると、時代に取り残されるかもしれない。(浅井武)

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