2017.6.6 12:00

【サッカーコラム】なぜ日本代表に無名のMF加藤が? ハリルJが「1年前から追跡した」男は頂への道筋をとらえる

【サッカーコラム】

なぜ日本代表に無名のMF加藤が? ハリルJが「1年前から追跡した」男は頂への道筋をとらえる

練習に臨む加藤恒平=千葉県内(撮影・蔵賢斗)

練習に臨む加藤恒平=千葉県内(撮影・蔵賢斗)【拡大】

 【No Ball,No Life】7日に味の素スタジアムで行われる国際親善試合のシリア戦。日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督(65)にお願いがある。サプライズで初招へいしたブルガリア1部ベロエ・スタラ・ザゴラ所属のMF加藤恒平(27)を、ぜひ起用してほしいのだ。

 メンバー発表の席では「すぐにプレーさせるわけじゃない」と起用に否定的だった。「1年前から追跡していた」とこれまでスタッフが現地へ4度視察に赴いたことを説明。指揮官が実際にその目で確かめたことはなく、今回は手元に置いて練習させるだけの“お試し期間”であるとの見方が強い。

 加藤は、MF山口蛍(26)=C大阪=に似たタイプで、球際に強い守備的MFであるとハリルホジッチ監督は評した。世代別の日本代表歴もなければ、J1も未経験という異色の経歴。欧州ではメジャーとはいえないモンテネグロ、ポーランドなど東欧のリーグを渡り歩いてきた。Jリーグに数多くいるボランチではなく、なぜ、この無名の27歳なのか。

 その理由を知るには説明を聞くよりもプレーを見る方が手っ取り早い。

 勝てば6大会連続のW杯出場へ王手がかかるイラク戦(13日、イラン)のメンバーでもある。伊達や酔狂で呼んだわけではあるまい。合宿を見る限り、日本屈指のフィジカルを誇るDF長友佑都(30)=インテル・ミラノ=に体を寄せられても、加藤はたじろぐ様子もなし。相手の懐深く入ってボールを奪おうとする姿勢など、ハリルホジッチ監督が求めるデュエル(1対1の攻防)の部分を、Jリーグよりはるかに厳しい海外で研ぎ澄ましてきた印象を受ける。

 取材エリアで話をする加藤は、他のエリート選手とは異なる雰囲気をまとっている。外見や話し方は好青年そのもの。しかし、言葉の節々に芯の強さがにじみ出る。海外でプレーを続けることで「いずれ代表に呼ばれると思っていた」といい、「自分を持っていないと挫折してしまう環境でやってきた。だから、人のやっていることは気にしない。自分がどうありたいかが大切」ときっぱり言い放つ。

 「代表」という頂への登山ルートは他のエリート選手とは違ったが、その道筋はしっかりとらえていたようだ。加藤がピッチでどんなプレーを見せるのか。世界と戦う上で絶対不可欠とハリルホジッチ監督が考えるものに違いない。ぜひ見てみたい。(浅井武)

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