炎の守護神・川口、日本を鼓舞し「マイアミの奇跡」を再演だ!
失点すると突破条件はさらに厳しくなる。GK川口は“マイアミの奇跡”を再演する=撮影・森本幸一
ドイツW杯(21日、ボン)オレが止める! ブラジル戦でGK川口能活(30)=磐田=が再現を目指すのが“マイアミの奇跡”だ。96年アトランタ五輪の1次リーグではブラジルからの歴史的完封勝利に貢献。決勝トーナメント進出には最低2点差以上の白星が絶対条件の中、今大会でもスーパーセーブを連発する“炎の守護神”が世界最強軍団に立ち向かう。
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持って生まれた熱き血潮が体内で激しく流れ出す。オレが守るゴールは絶対に破らせない。最低2点差以上の白星が絶対条件のブラジル戦は、無失点に抑えないとさらに条件は厳しくなる。GK川口の胸の鼓動は波打つように高鳴った。
「失うものはない。チームに勇気を与えたい。クロアチア戦でも声を張り上げていたけど、それが自分の本能です。チームを励ます怒鳴り声もある。限界を超えろと言いたいですね」
奇跡−。20歳で出場した96年アトランタ五輪でその言葉を導き出した。ブラジルに28本のシュートを浴びながら、無失点に抑えきって1−0の歴史的大金星に貢献した。チームで当時のピッチに立っていたのは川口、そしてMF中田英。スターぞろいの相手は、今大会でも主力のDFロベルト・カルロス、FWロナウド、GKジダが出場していた。
あれから10年、30歳で迎える3度目のW杯。しかし、自分がゴールマウスを守って白星の歓喜をつかんだことはない。白星に飢える“炎の守護神”は、18日のクロアチア戦でスーパーセーブを連発。前半21分にスルナのPKを左手で弾くなど、後半39分から3点を失った12日の豪州戦の“うっ憤”を晴らした。
「W杯で勝つためにやってきました。1つの集大成だと思ってやります。ブラジルはどこからでも攻めてくるし、打ってくるけど、点を与えたら厳しくなる」
20日の練習では、GK楢崎と2人で計504本のシュートを止め続けた。宿舎ではブラジル−豪州のテレビ中継を見つめ、脳裏に攻撃パターンを刻みこんだ。あの“マイアミの奇跡”が再現されないかぎり、ジーコ・ジャパンに“ドルトムントの奇跡”は起こらない。
(佐久間賢治)
★川口、各組第2戦のベスト11に!
イタリアのスポーツ紙ガゼッタ・デロ・スポルトは、21日付でW杯1次リーグの各組第2戦で活躍したベスト11を発表し、GKは18日のクロアチア戦でPKを止めるなど好セーブが光った川口(磐田)が選ばれた。セルビア・モンテネグロに6−0で圧勝したアルゼンチンからFWメッシら4人。FWではシェフチェンコ(ウクライナ)、F・トーレス(スペイン)も入った。
■川口とW杯
日本が初出場した98年フランス大会は正守護神。アルゼンチン、クロアチアにともに0−1惜敗し、ジャマイカにも1−2で敗れた。1次リーグは3連敗で4失点だった。02年日韓大会では楢崎に正GKの座を譲り、1次リーグ3試合、決勝トーナメント1回戦の計4試合とも出場はなくベンチを温めた。
■マイアミの奇跡
96年アトランタ五輪1次リーグで日本がブラジルを1−0で破った歴史的大金星のこと。会場がマイアミだった。相手はオーバーエージ枠(24歳以上)もフル活用し、MFリバウド、DFロベルト・カルロスら豪華布陣が先発。試合は後半27分、ロングボールの処理を誤った相手DFとGKが交錯し、ゴール前に転々としたボールをMF伊東が押し込んだ。GK川口はシュート28本を浴びたが無失点に抑えた。日本は2勝1敗ながら得失点差で3位と敗退したが、日本サッカー史に残る「奇跡」の1つに数えられる。
★坪井「失点するわけにはいかない」
DF坪井(浦和)は気合十分のドルトムント入り。すでにジーコ監督が起用を明言しているが「初耳ですね。(6月の)Jヴィレッジ合宿から想定しています」と表情を変えずにキッパリ。累積警告で出場停止の宮本の代役だが、本番でその立場は関係ない。「失点するわけにはいかないですね」と自分自身に言い聞かせた。
★主将の中沢、平常心を強調
ブラジル戦で主将マークを巻くDF中沢(横浜M)は平常心を強調した。累積警告で出場停止のDF宮本に代わりジーコ監督に指名された。「冗談っぽく言われただけ。試合に入るまではツネさんがやってくれる。いつも通りに盛り上げられれば」。意外な“悩み”は、試合前の相手とのフラッグ交換とコイントス。「順序が分からない。それが不安なんですよ」と苦笑いだった。