2006年06月20日 更新

ブラジル、先発入れ替えへ…ジーコJAPAN勝利へ光明

ジーコ・ジャパンに光明?! 18日の豪州戦に2−0勝利を収め、1次リーグ突破を決めたブラジル代表のカルロス・アルベルト・パレイラ監督(63)が、22日の日本戦(ドルトムント)でメンバーを落とすことを示唆した。不調のFWロナウド(29)=Rマドリード=は先発させる方向で、決勝トーナメントに備えた“調整試合”のムードがプンプン。最低でも2点差勝ちが必要な日本だが、ほんのわずかながらつけ入るスキが見えてきた。

ニュルンベルクで日本がクロアチアと引き分けてから約3時間後。ブラジルがミュンヘンで豪州を一蹴し、F組一番乗りで決勝トーナメント進出を決めた。試合後、パレイラ監督の口から日本サポーターを喜ばせるような言葉が放たれた。

「1次リーグ突破が決まったので、選手の疲れをみて、ドクターらの意見を聞きながら、主力の1−2人を休ませるかもしれない」。22日の対戦でメンバーを落とすことを示唆。2戦目で1次リーグ突破を決めると最終戦を“調整試合”にするケースがあるが、優勝を目指すブラジルだからこそ、この戦略を実行する可能性が高い。

W杯記録の9連勝中で2大会連続6度目の優勝を狙う世界最強軍団。決勝まで見据えると、豪州戦から22日の日本戦は中3日、さらに27日(2位突破だと26日)の決勝トーナメント1回戦まで中4日…と厳しい日程が続く。

日本戦は1位突破がかかるものの、うまく選手を休養させて“消化”したい一戦だ。36歳のベテラン、右サイドDFカフーをシシーニョに、ボランチのMFエメルソンをジウベルト・シルバに代えて先発させることが濃厚。決断次第では、さらに選手を入れ替えることもありえる。

ジーコ・ジャパンに光明?! 日本は決勝トーナメント進出のために最低でも2点差の勝利が必要だ。控え組ゆえに全力で向かってくる面は脅威ともいえるが、追いつめられた今は敵の「駒落ち」は好材料と考えてもいいはずだ。

ただ、02年日韓大会で得点王に輝いたFWロナウドは引き続き先発で起用される方向。パレイラ監督は「状態が非常に悪い。日本戦は実戦感覚を上げるために使う」と明言した。

今大会のロナウドは体調不良。太り過ぎも指摘されて動きも悪く、クロアチア戦翌日の14日には目まいを訴え、フランクフルトの病院で血液検査やレントゲン検査も受けた。テスト風情は否定できず、全体的に“調整試合”のムードが漂う。

ブラジルに最低でも2点差をつけて勝つ−。厳しいことは百も承知。ジーコ・ジャパンはそれでも、わずかなスキをうかがっていくしかない。

(須田雅弘)

★川淵キャプテン「ガンガンいくだけ」

日本サッカー協会・川淵三郎キャプテンもブラジルの“主力温存”を予想した。だが「主力じゃないからくみしやすいというわけではない」と警戒した。「ベテラン勢は必死にならないかもしれないが、若手は“ここで頑張ろう”となる」というのが理由。いずれにしても「ブラジルも2点差で負けると思ってないから、そこが付け目。日本ははじめからガンガンいくだけだ」と奇跡にかけた。

★アドリアーノV弾で決勝T進出!長男に捧げるW杯初ゴール

アドリアーノ(中央7番)

1次リーグ突破を決めたブラジル。FWアドリアーノ(中央7番)が先制弾を決めた=AP

ブラジル代表が豪州に快勝。余裕の1次リーグ突破を決めた。FWアドリアーノ(インターミラノ)が後半4分にW杯初ゴールとなる先制点をマーク。16日に長男が生まれたばかりとあって「初ゴールはうれしい。長男にささげるのに、すばらしい記念のゴールになった」と声を弾ませた。1歳になった長男がいるMFロナウジーニョ(バルセロナ)も「子供のためにもタイトルを持って帰りたい」と意気込んだ。

★地元紙が怪物を酷評

19日付のブラジル各紙はFWロナウドとアドリアーノ、MFロナウジーニョの低調ぶりを伝える論調が目立った。MFカカを加えた「カルテット・マジコ」(魔法の4人組)が機能していないと報じたオ・グローボ紙は「(豪州戦でロナウドに代えた)FWロビーニョを日本戦でも試すべき。その方が、カカもロナウジーニョも動きがよくなる」と指摘。ロナウドの不調が、昨年6月のコンフェデレーションズ杯決勝を最後に、代表戦で得点していないロナウジーニョの足を引っぱっていると伝えた。


■W杯データBox

ブラジルは18日の豪州戦まで、W杯では88試合(史上最多)を戦った。通算61勝14分け(PK戦決着を含む)13敗だ。
  この13敗のうち、日本の決勝トーナメント進出に絶対条件となる「2点差以上の敗戦」は6試合ある。最大得点差負けは3点差で1度だけあり、98年フランス大会決勝のフランス戦が0−3だった。
  88試合のうち、単純に2失点以上となると21試合。その大半は30年以上前のもので70年大会までの37試合で14度、74年大会以降の51試合では7度と半減しており守備は堅くなっている。

■1次リーグ、3戦目はチャンス

ブラジルは98年フランス大会で初戦、2戦目と連勝し、今大会同様、早々に1次リーグ突破を決めた。3戦目のノルウェー戦はDFアウダイールを先発から外したが、FWロナウド、MFリバウド、DFカフーら主力をスタメン起用。だが“消化試合”にモチベーションは低く、後半33分に先制したものの同38分、同43分の被弾で1−2逆転負け。ここまで2分けで勝つしか道がなかったノルウェーは、この金星で決勝トーナメント進出を果たした。

ブラジル代表のW杯通算黒星
年・月・日 スコア 相手
30・7・14 ●1−2 ユーゴスラビア
34・5・27 ●1−3 スペイン
38・6・16 ●1−2 イタリア
50・7・16 ●1−2 ウルグアイ
54・6・27 ●2−4 ハンガリー
66・7・15 ●1−3 ハンガリー
7・19 ●1−3 ポルトガル
74・7・3 ●0−2 オランダ
7・6 ●0−1 ポーランド
82・7・5 ●2−3 イタリア
90・6・24 ●0−1 アルゼンチン
98・6・23 ●1−2 ノルウェー
7・12 ●0−3 フランス
W杯通算88試合61勝14分け13敗
【注】国名は当時のもの。PK戦決着は引き分けに含める
日本Vsブラジル全成績
年・月・日 大会名 場所 スコア
89・7・23 国際親善 リオデジャネイロ ●0−1
95・6・ 6 アンブロ杯 リバプール ●0−3
   8・ 9 国際親善 国立 ●1−5
97・8・13 長居ス ●0−3
99・3・31 国立 ●0−2
01・6・4 コンフェデ杯 カシマ △0−0
05・6・22 ケルン △2−2