2006年06月19日 更新

宮本痛恨イエロー…ブラジル戦出場停止、ベンチから金星祈る

宮本(左から2人目)

クロアチアを完封した主将DF宮本(左から2人目)。ブラジル戦はスタンドから大金星を祈る=撮影・小倉元司

W杯1次リーグ第10日(18日=日本時間同日、ドイツ・ニュルンベルク)日本代表の主将DF宮本恒靖(29)=G大阪=が前半21分にイエローカードを受け、累積警告で22日のブラジル戦は出場停止になる。そのファウルで同22分にPKを献上したが、GK川口がスーパーセーブ。最終決戦はスタンドからイレブンを“統率”する。

奇跡を信じた。前半22分だった。クロアチアのPK。宮本がペナルティーエリアでFWプルソを倒して与えたものだ。祈るようにGK川口を見つめる。次の瞬間、MFスルナが右に放ったシュートを川口が左手で防いでくれた。

「もちろん勝ちたかったが、可能性が残ったという感じ。PKを与えてしまったけれど、能活のセーブに助けられた。きょうは運があるなと思った」

豪州戦ではまさかの逆転負け。その試合では終盤の記憶がない。関係者には「後半30分以降は時間の経過をまったく覚えていないんです」と打ち明けたほど。立ち直りのキッカケは1人の全盲少年への誓いだった。

「こっちに来てからもメールで連絡を取り合っているんですよ。代表のセレクションでゴールを決めたっていう連絡ももらったし、頑張ってるんやなあと励まされた」

鳥居健人君、14歳。東京都立葛飾盲学校に通う少年が、ブラインドサッカー世界選手権(11月・アルゼンチン)の日本代表に最年少で選ばれた。代表主将にとっては太いパイプでつながった“メル友”だ。昨年8月、テレビ番組で共演したことから知り合い、携帯電話とパソコンのメールで交流を続けてきた。

PKを与えたシーンで今大会2枚目の警告をもらい、22日のブラジル戦は出場停止となる。4バック継続が有力で代役は坪井になりそうだ。宮本は自分の運と味方を信じて、スタンドから日本の大金星を祈る。

■ノーモア6・18

クロアチア戦が行われた「6月18日」は日本代表にとって特別な日だった。自国開催の前回02年日韓大会は1次リーグを2勝1分けでグループ1位通過、決勝トーナメント1回戦のトルコ戦が6月18日だった。そのトルコ戦は雨で気温20度の宮城スタジアムで午後3時30分開始。前半12分に右CKからMFユミトダバラにヘッド弾を決められ、このゴールが重くのしかかり0−1で敗退した。そのため、ジーコ・ジャパンは「ノーモア6・18」を合言葉にしていた。1次リーグ突破の条件は厳しいが、最悪の事態だけは回避した格好だ。

★川淵キャプテン「よくやってくれた」

日本サッカー協会・川淵三郎キャプテンは勝ち点1を取ったことを評価した。「相当大きな1点。ブラジルに負けるとは決まっていない。ブラジルに勝てば決勝トーナメントにいける。皮一枚の決勝トーナメント進出だが不可能ではない。選手はよくやってくれた。合格点」と前向きに受け止めた。そのブラジル戦はDF宮本(G大阪)を出場停止で欠くが「こういう逆境のとき、このチームは強い」と残りのメンバーの奮起に期待を寄せた。

小笠原

★小笠原、W指令塔で初先発

MF小笠原(鹿島)は今大会初先発し、左の攻撃的MFでプレー=写真。MF俊輔とともにダブル指令塔の一角を務めたが、得点に結びつかず「勝ちたかったけれど…。ボールをつなげた分、チャンスをもっとつくりたかった」と悔しさをにじませた。

★中沢、手応え零封

DF中沢(横浜M)は、FWプルソ(レンジャーズ)&FWクラスニッチ(ブレーメン)ら相手の強力攻撃陣を完封した。「クロアチアは横にも動いてポジションチェンジも多かった。ピンチもあったし、PKもあったのだから引き分けは前向きに考えていいんじゃないか」。次戦の相手は留学経験のあるブラジル。成長した姿をみせ、勝利で“恩返し”をする。

★悔やむ三都主…シュート決まらず

DF三都主(浦和)は左サイドバックの位置から積極的に仕掛けた。鋭いミドルシュートを2本放ったが枠を外れ、結果は出せなかった。この日は父・ウィルソンさんの61歳の誕生日だっただけに、必勝を期したが「点を決めないでよかったとはいえない。最後の試合は勝ちたいしみんなを信じてやる」。祖国ブラジルとの最終決戦に気持ちを切り替えた。

★加地、視線は次へ

W杯初先発初出場のDF加地(G大阪)は試合後、すぐに視線をブラジル戦へ向けた。右足首ねんざで豪州戦を欠場も、この日はフル出場で無失点に貢献。「足はとくに問題ありませんでした。勝ち点3を取れなかったのは非常に残念ですが、次のブラジル戦に可能性があるので全力を尽くします」と語気を強めた。

◆MF福西(磐田)

「自分は攻めに出るのを抑え気味にした。ボールを持って回せるところでは、もっと落ち着いて回せばよかった。パスの出しどころがないときもあった」

◆MF稲本(ウエストブロムウィッチ)

「ああいう場面で(後半開始から)出たのは久しぶりだったので難しかった。もっとオーバーラップとか、2列目からの飛び出しがあればよかった」

◆クロアチア代表DFのR・コバチ(ユベントス)

「GK川口がすごい反応をした。われわれのミスは、日本に対して空中戦を狙ったボールを出し過ぎたことだ」