今こそサムライ魂!ジーコ、クロアチア戦にむけ熱血指導!
勝たなければ事実上の終戦…。気持ちで負けるな。ジーコ監督が根性論を展開した(撮影・森本幸一)
日本代表・W杯合宿(17日、ドイツ・ボン)今こそ根性! 引き分け以下だと決勝トーナメント進出が絶望的となるクロアチア戦に向け、日本代表・ジーコ監督(53)は選手たちに気持ちの強さの重要性、根性論を改めて説いた。確かに、1−3で敗れた12日の豪州戦以降、厳しいカミナリを落とすなど熱血指導の連続だった。今こそ求めるのは、武士道精神、サムライ魂にほかならない。
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初夏のまぶしい日差しを浴びるピッチで、ジーコ監督の周囲はさらに熱気を帯びる。最後まで誰より大きな声を出し続けたのは、ほかならぬジーコ監督だった。
「基本的なやり方や戦術は、数日では変わらない。豪州戦後は、精神的な部分に時間を費やしてきた。強い気持ちでやらないと勝負にならない」
勝利に向けて説いたのは根性論。屈辱の豪州戦以降、練習中にこれまでにないほど大きな声を張り上げてきた。15日には覇気のない主力8選手をセンターサークルに集め「根性を見せろ! 今回負けたら終わりだぞ!」と猛烈カミナリを飛ばしたほど。クロアチア戦直前にきても、求めたのは精神的なものだった。
日本古来の武士道精神。これぞジーコ監督のサッカー人生の源だ。5月30日のドイツ戦で負った右足首ねんざから復活先発するDF加地が、必死の治療とリハビリを重ねてきた姿に昔の自分を思い浮かべた。
「加地はもうダメという状態からびっくりするほどの情熱で復帰してきた。あの気持ちが大切だ」。86年メキシコ大会。ブラジル代表MFジーコも、前年に負った左ひざの大けがから懸命のリハビリで3度目のW杯出場にこぎつけた。「私の40年のサッカー人生でこうした辛い場面は何度もあった」とたかが1敗でくじけている場合ではない。
さらに「アンゴラのように最後まであきらめない姿勢が必要」と付け加えた。アンゴラ代表は16日のメキシコ戦で、後半34分に10人になりながら決死の守りで0−0ドローに持ち込んだ。「豪州戦も80分は勝っていた。チャンスは作れる。あとは決めるだけなんだ」と選手たちを必死に鼓舞した。
「残された選択肢は3つのうち2つ。勝ちと引き分けだけ。(故障を抱える)中村も気持ちを持ってやってくれる。ダメと思ったらダメだ!」
04年アジア杯優勝もW杯アジア予選も、強い精神力を最大の武器に勝ち進んだ自負がある。確かに、追い込まれた今こそ『サムライ魂』が求められるときだ。
(須田雅弘)
■武士道とは
江戸時代に武士がとるべき精神論として確立。主な内容は(1)武を本分として勇敢さに最大の価値をおいて行動する(2)主君や目上の人に忠義をつくし下位の者に仁慈をもつ−などがある。切腹の考えにあるように日本特有の「死の美学」が含まれる場合も。ちなみに、明治時代に新渡戸稲造が英語で書いた武士道の書物があり、海外でも「bushido」は知られる言葉。
★風邪「別に大丈夫!」俊輔出場OK!
MF中村俊輔(セルティック)は公式練習にフル参加。16日には37度2分の熱を出しながら紅白戦に強行出場していた。「熱はもともと高くないし、だるいとかはないから別に大丈夫」と言い切った。ただ、気温30度近いピッチでも長袖を着用するなど「体温を調節できないから」と風邪はまだ完治していない様子。戦術練習ではこの日も右指令塔に入り、右サイドの守備を重点に確認した。「(相手FW)プルソ(レンジャーズ)は絶対に右に流れてくるから、加地と挟み込めるように」とスコットランドリーグで対戦済みだけに自信を見せていた。
★前向き川口…エンジョイでも闘志
中田英とともに98年フランス大会のクロアチア戦を経験しているGK川口(磐田)。「悲壮感とか漂ってもよくないし、エンジョイしながら闘志を見せる。そういう戦いをしたい」と勝利のポイントに前向きな気持ちを挙げた。「今までもこういうところは乗り切ってきた。やっぱり男ですから、意地というかプライドを見せたいし、気持ちの問題。気迫で絶対に負けない」と熱い思いを決戦前から爆発させていた。
【予想スタメンのコメント】
◆柳沢
「1人では何もできない。だからみんなで攻撃していく。クロアチア戦で敗退することなんて考えてない」
◆中村
「(右太ももの)痛みはそんなにない。グラウンドは滑るね。下が柔らかい」
◆小笠原
「試合前から1つのプレーをイメージして入っていくやり方はしない。状況に応じてやっていきたい」
◆福西
「クロアチア戦のことだけに集中したい。うまくプレスがかけられれば前に出て行ける」
◆中田英
「気持ちとかの問題じゃない。とにかく得点を取って、できる限り少ない失点で抑える」
◆三都主
「負けない気持ちで頑張りたい。監督はいけるとか頑張るとか、勢い付ける言葉を言っていた」
◆宮本
「自分たちのスタイルを変えず、もちろん勝ちにいきます。それしかチャンスはないですから」
◆中沢
「あまり神経質になってもしようがない。DFの4人とボランチ(守備的MF)2人の関係を保ちたい」
◆加地
「もう負ければ終わりだし、かなり大事な試合になる。(欠場の初戦は)はがゆいというより悔しかった」
◆川口
「もう失うものはないので、失敗を恐れずにプレーするだけ。最後は気持ちで負けたらダメ」
◆高原
「どちらかが負ければ終わりなのは同じ。勝利に必要なものなど何もない。全力を尽くすことだけです」