2006年06月17日 更新

ジーコ指令、ヒデ上がるな!クロアチアの陽動作戦見抜き勝負へ

左からFW巻、DF中沢、MF中田英

ジーコ監督はMF中田英(右)に前線への飛び出し自粛を指示した。中央はDF中沢、左はFW巻=共同

日本代表・W杯合宿(16日、ドイツ・ボン)日本代表はクロアチア戦2日前、紅白戦で最終的な戦術や連係を確認した。18日に激突するクロアチアが「前半から積極的に攻める」と公言したのに対し、ジーコ監督(53)の分析は「反対に相手は引いてくる」だった。MF中田英寿(29)=ボルトン=には上がりを控えるよう指示するなど、敵の“陽動作戦”を見抜いて運命の勝負に挑む。

紅白戦の前半30分間が終わった直後、ジーコ監督はおもむろにMF中田英に近づいた。

「あまり上がらずに高い位置からボールを回せ!」

さらに全員を集めてこの日の練習の“意図”を説いた。クロアチア・クラニツァール監督は「前半から積極的に攻めていく」と宣言し、いかにも前掛かりで攻め続けるかのような発言で挑発してきたが…。ジーコ監督の分析結果は「敵は引いてくる」だった。

ジーコ監督自身は黙して語らなかったが、控え組のDF駒野は「試合前に“相手を想定してやるから”と言われた。きょう引いて守ったのもそういうことです」と証言した。

一般に3バックと4バックの対戦では、両サイドが加わる4バックの方が数の上でも中盤の支配率が高くなるため、3バック側が引き気味の傾向になる。実際に、クロアチアはブラジル戦で引き気味の守備陣形で1点に抑え、豪州戦の日本は終盤で引き気味に守らざるを得なかった。

クロアチアの“ウソ”を見抜いた? 両国の置かれた状況にも違いがある。初戦で1失点だったクロアチアは、日本に1−0勝利でも十分。ガツガツ上がってくるはずがないという判断だ。

だからこそ、ボールを支配し、高い位置からパスをつないで攻撃のチャンスをうかがう。ミドルシュート3本を放ったMF小笠原も「クロアチアを想定した。引いた相手には必要ですから」とその意をくんだ攻めを徹底した。

敵の“陽動作戦”には乗らない。決戦前の化かし合い、だまし合い。絶対に勝たなければならない試合をものにしてみせる。

★加地、紅白戦で実戦復帰

右足首ねんざが癒えたDF加地(G大阪)が紅白戦で実戦復帰。右サイドからの攻め上がりも見せ、動きのよさをアピールした。「(相手の左サイドの)裏を突くというイメージでやりました。違和感はない。やっと開幕するんだという気持ちです」。負傷した5月30日のドイツ戦以来の出場だったが、前半28分にはFW高原にピンポイントのクロスを供給。18日の先発復帰へ不安はない。

★宮本、4バック布陣に手応え十分

主将DF宮本(G大阪)は4バック布陣で行った紅白戦で最終ラインに手応え十分。控え組をFW玉田の1得点に抑え「4バックはそれほど大きな問題ではないと思う」と約1カ月ぶりのシステムにも違和感なし。13日のブラジル−クロアチアを分析し「ブラジルがクロアチアのよさを消したところがあった。自分たちもそういう試合ができれば」と口もとを引き締めた。

★川口、覇気のなさを認める

紅白戦で最後方から指示を飛ばしたGK川口(磐田)は「よくないところもあった」と覇気のなさを認めた。1−1という結果以上に、主力組に声がなく元気がなかった。しかし「いいときも悪いときもある。けれど引きずるメンバーではない。試合になれば集中力も高まる」と断言。あくまで本番前の調整過程であることを強調したが…。

★川淵キャプテン、連日の練習視察

日本サッカー協会・川淵三郎キャプテンが、前日に引き続いて16日も代表練習を視察した。練習開始前にはピッチ上でジーコ監督や選手らと直接話し、チーム状況を確認。中でもMF中田英(ボルトン)とは約4分にわたって話し合い「ヒデもかなり鬱積しているものがあったようだが、話したことで少しはストレスも発散させてやれたと思うよ」と話した。

【W杯名言・迷言】

◆ドイツ代表MFシュバインシュタイガーを「何とかタイガー」と表現していた日本代表MF中村俊輔(セルティック)

「クロアチアの左サイドって誰だっけ? バビッチ? すげえ名前」

★カターニャGM、中沢&宮本の獲得意思認めた

日本代表のDF宮本(G大阪)と中沢(横浜M)の獲得に動く来季セリエAに昇格するカターニャのピエトロ・ロモナコGMが16日、「確かに日本人選手と契約する意思はある。ただ、チームと町にとってプラスがないといけない」と明かした。

テレビ放映権を日本から得られること、観光収入が主要財源の同都市にとって、シチリア島の観光に寄与できる選手であることも重要とした。もちろん、余剰戦力を持つ余裕はないだけに第一条件は選手としてのクオリティ。16日付の伊紙は宮本と中沢に加え、DF駒野(広島)も候補と報じるなど、同クラブの日本人獲得作戦が熱を帯び始めている。

(坂本万里雄)