ジーコ起死回生のギャンブル!クロアチア戦は4バック!
クロアチア戦はギャンブル覚悟の特攻しかない! ジーコ監督は4バックへの変更を決断した(撮影・小倉元司)
日本代表・W杯合宿(14日、ドイツ・ボン)最後のかけ、ジーコ特攻4バック! 12日の豪州戦で悪夢の逆転負けを喫した日本代表が全体練習を再開し、ジーコ監督(53)が18日のクロアチア戦で3バックから4バックへの変更を決断した。勝たなければ1次リーグ突破は絶望的という崖っぷち。奇跡を起こしかけた昨夏のコンフェデレーションズ杯の再現へ、攻撃的布陣の4バックで必ず未来を切り開く。
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気温30度近い陽気の中でピーンと空気が張りつめる。それは練習開始直前。ジーコ監督が円陣の中心で仁王立ちした。
「厳しい状況に置かれたが、崖っぷちに立ったときにどれだけ頑張れるか。人生に置き換えても起こりえることだ」
途中から全スタッフも加わり、逆襲への訓示は4分30秒に及んだ。豪州戦後初めての全体ミーティング。そして、練習で用意されていたのはシステム変更という最後のかけだった。
神が示した決断は豪州戦の3−5−2ではなく4−4−2。主力組の2列目には小笠原、右太もも打撲で別メニュー調整の中村俊輔の“代役”として玉田を並べる。小笠原には練習前、練習中と何度も指示を重ねた。
イチかバチかのかけといえるかもしれない。クロアチアに勝たないと1次リーグ突破は絶望的になる…。
国内壮行試合となった5月13日のスコットランド戦は4バックで臨んだが、15日からの福島合宿では一貫して3バックの練習を重ねた。合宿生活の中で1カ月間、4バックの練習はしていない。しかし、勝つために点を取りにいく。時間は4日間−。守備面でのリスクは伴うが当然のように攻撃的な戦いを選んだ。
前夜は宿舎のテレビでブラジルと0−1の接戦を繰り広げた“強いクロアチア”を目に焼き付けた。14日発売の独誌ビルトでは、敵将・クラニツァール監督が「グループリーグ突破は確実だ。客観的にも現実的にもわれわれが突破する」と語るインタビュー記事が掲載された。
W杯開幕前の編集とはいえ、痛烈な発言に反論の余地はない。だとしても、現役時代にブラジル代表として3度出場したW杯で、監督という立場でも1次リーグ敗退などという“汚点”を残すわけにはいかない。
昨年6月のコンフェデ杯では、3バックで臨んだ初戦のメキシコ戦で逆転負け。2戦目から4バックに変更し、04年欧州王者のギリシャに1−0白星、ブラジルと2−2で引き分けた。最終的に得失点差で4強入りを逃したが、確かに奇跡は起こしかけた。ジーコ監督も「コンフェデ杯も同じだった」と口にするように、頭に描くのは1年前の再現だ。
「相手とウチの布陣を考え、中盤を1枚増やしていくということ。絶対に勝つには、これが最高の方策と考えた」。ジーコ監督が一気の攻めに転じる。そして、何が何でも決勝トーナメントへの扉をこじ開ける。
(佐久間賢治)
★ジーコ体制下の4−4−2
体制発足の02年から1年以上も続いた基本システム。DF4人で後方スペースを消しながら守備を固め、その一方でサイド攻撃も可能で、役割分担が明確な3−5−2と比べて攻撃的な布陣。攻撃的MF2人(W指令塔)を置いて攻めの起点を2つ作る。中盤4人は台形に位置するのがスタンダード(ひし形に並ぶケースも)。このシステムで開始した試合は12勝9分け9敗。ちなみに3−5−2は24勝6分け7敗、3−6−1は1勝2敗。
★クロアチア戦△●なら絶望的
F組は13日(日本時間14日)のブラジル−クロアチアを終え、第1戦終了時の順位が確定した。日本は4位。1次リーグ突破の2位以内に入るには、改めて18日のクロアチア戦は落とせない一戦になった。
クロアチアに勝つと可能性が広がる。22日にブラジルにも勝てば突破への期待は大(豪州を含めた3カ国が2勝1敗で並ぶことも)。現実的にブラジルにはドロー止まりでも、ブラジルが18日に豪州に勝つことを前提にすれば、勝ち点4にしておくことで22日のクロアチア−豪州の結果次第で生き残れる。ブラジルに負けた場合も、ブラジルが3連勝なら他3カ国が1勝2敗で並び得失点差の争いになる。
クロアチアに負けた場合、18日に3時間遅れで開始のブラジル−豪州でブラジルが勝つか引き分けた時点で、日本の3位以下が確定して敗退が決まる。クロアチアに引き分けると、ブラジルには勝利が絶対条件のうえにクロアチア−豪州の結果次第。つまり、クロアチアに引き分け以下だと絶望的になる。
■午前中には厄落とし
ジーコ監督はこの日の午前中、DF加地(G大阪)の個人練習に飛び入り参加した。逆転負けした豪州戦の“厄落とし”をするかのように、気温30度近い灼熱地獄の中、途中で練習用ユニホームを脱ぎ捨てた加地と対照的に長袖スウェットを着たまま敢行。約2時間フルに同じメニューをこなすと、左ひざが悲鳴をあげてアイシング治療を施したほど。大量の汗で悪夢も振り払い、クロアチア戦に向けて全身を“リセット”した。