“魔法の左足”が炸裂!俊輔ラッキー先制弾!敗戦の中キラリ
W杯1次リーグ第4日(12日=日本時間同日、ドイツ・カイザースラウテルン)あと6分の後半39分から3失点…と悔しすぎる逆転負けとなったが、前半26分に生まれたMF中村俊輔(27)=セルティック=の“幸運弾”という希望の光もさした。
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“魔法の左足”から放たれた浮き球はまさに魔法。しかし、勝利をもたらすことはなかった。
「GKとDFラインの間に入れてバックヘッドしてもらおうと思った。キーパーチャージっぽかったけどね」。淡々と振り返る俊輔の表情が“ラッキーゴール”を喜んでいられない状況を物語った。
前半26分、俊輔がゴール前へのクロス。FW高原、柳沢の動きにつられGKシュウォーツァーが飛び出す。しかし、ボールはそのまま混戦の頭上を越え、ゴール左隅へと2度バウンドして吸い込まれた。ジーコ・ジャパンW杯初ゴール。自身初のW杯。ここまでは完ぺきだった。
しかし、後半はMF小野の投入で3−6−1布陣に。「ヒデさんが上がって前の枚数が減って…。ヒデさんがボランチだとそこで止めてくれたから楽だった。1人(FW)欠けたから、中盤を通り過ぎる相手のスピードが速くなりすぎた」と悔しさがにじんだ。
ゴールの瞬間、青空に掲げた人さし指に、天国にいる祖父への思いを込めた。涙の落選となった02年日韓W杯。「この経験を無駄にしない」とセリエA・レッジーナに移籍した。ただ心に引っ掛かっていたのは祖父・巳喜男さん(享年84)との約束だ。サッカーを始めるきっかけになったサッカーボールを買ってくれた祖父…。今回、5月の福島合宿開始前に「選ばれたよ。ありがとう」と墓前に報告できた。
「次? ミスをしないこと。1人1回はミスしてる」。試合中に踏まれた左足小指はつめが割れて血豆ができた。“決死”の奮闘も実らなかった。しかし、俊輔は新たな誓いを胸に前を向く。
(志田健)
■データBox
MF中村俊輔が前半26分、“幸運”な先制弾を決めた。W杯で日本代表選手がゴールを決めたのは、これが6人で7得点目。
歴史的初ゴールは、98年フランス大会1次リーグ第3戦・ジャマイカ戦のFW中山。後半29分に右足弾だった。
02年日韓大会1次リーグでは、初戦・ベルギー戦の後半14分にFW鈴木が右足、同22分にMF稲本が左足でネットを揺らした。第2戦・ロシア戦では後半6分にMF稲本が右足、第3戦・チュニジア戦では後半3分にFW森島が右足、同30分にMF中田英が頭で押し込んだ。
★最強2トップ不発
FW高原(ハンブルガーSV)とFW柳沢(鹿島)の“日本最強2トップ”が先発出場。ともに決定機があったが、チャンスを生かせず不発に終わった。開催国ドイツでプレーする高原は無念の表情で「厳しい。残念だ。自分がもしゴールを決めていたら試合結果は違った」と唇をかんだ。柳沢は1−0の後半34分にMF小野(浦和)と途中交代。ドイツ入り後に痛めた右太もも裏痛から復活したが、まさかの逆転劇に試合後は「…」。何を質問されても首を横にかしげ無言を貫いた。
★川淵キャプテン「非常に残念」
会場で悔しい敗戦を味わった日本サッカー協会の川淵三郎キャプテンは、ショックの色を隠せない様子だった。「非常に残念。取れるところで2点目を取れないとこういうことになる。逆転負けを食らってしまった大きな要因。(豪州は)ハイボールを上げてきたが、何度もやってくるから体力が消耗していた」。試合後は日本人サポーターに「申し訳ない」と謝りながら引き揚げた。
★次戦は徹底偵察
日本代表は、13日のF組ブラジル−クロアチアの試合会場(ベルリン)に偵察隊のチッタ氏、ジュニオール氏を派遣する。屈辱の黒星スタートの日本にとって、第2戦のクロアチア戦は決勝トーナメント進出の命運がかかる一戦。クロアチア代表のFWダド・プルソ(レンジャーズ)を中心とした攻撃力を徹底的に分析し、本番で相手を封じるための攻略ポイントを見つけ出したいところだ。テレビの生放送でチェックする選手たち、会場に乗り込む専門部隊が一丸となって、総力でクロアチアを丸裸にする。