2006年06月10日 更新

柳沢が電撃合流、秒殺弾!豪州戦出場へ復活アピール!

FW柳沢敦

紅白戦のピッチに立った柳沢は、ブランクを感じさせない活躍。中田英(左)との息もぴったりで、ジーコ監督を安心させた=撮影・森本幸一

日本代表・W杯直前合宿(9日、ドイツ・ボン)待ってました!! 右太もも裏痛で離脱していたFW柳沢敦(29)=鹿島=が、紅白戦の後半から電撃合流し、いきなり“秒殺ゴール”を決めた。5月30日のドイツ戦後から実戦練習を離れていたが、12日の豪州とのW杯初戦出場へギリギリの復活をアピールした。

まさに電光石火。誰もが目を疑った。ゴール前に柳沢がいる。紅白戦後半から主力組に入り、開始30秒後にスルスルと飛び出す。クロスボールに頭で合わせ、復活ゴールを決めてみせた。チームメートまでもどよめくなか、当の本人だけが涼しい顔だ。

「いい感じだと思います。(ジーコ監督から)紅白戦を少しでもやったほうが自信になるから、出るかと聞かれました。自分もやったほうがいいと思っていたので、やりますと答えました」

なにしろ、復活弾の直前までは“開幕絶望”の空気に包まれていた。練習前には柳沢のもとにジーコ監督、メディカルスタッフが近寄って青空会談。ウオーミングアップまでは加わったものの、紅白戦の前半はメンバーから外れ、ゴールわきでフィジカルメニューをこなしていたほどだ。

5月30日のドイツ戦で右ひざ、中1日を置いて右太もも裏を痛め、実戦練習から遠ざかること10日間。12日のW杯初戦へ向け、タイムリミット目前でピッチに戻ってきた。先発の座を明けて待ったジーコ監督は「ヤナギ? ナイス!! あした、トレーニングできたら問題ない」と声を弾ませる。早川トレーナーも「あしたも普通にやります。痛みはないということ」と太鼓判。25分間の紅白戦出場後は、シュート練習にフル参戦だ。

初出場だった02年の日韓W杯大会は1次リーグ全試合に先発も、決勝トーナメント1回戦のトルコ戦は首痛で欠場。チームとともに、無得点のまま姿を消した。「前回は悔いの残る大会だった」と今でも振り返る。あれから4年、ドイツへ“忘れ物”を取りに来た。体が思うように動かなくとも、宿舎のリラックスルームでは豪州戦のVTRへ目を向けてきた。

「けがとの戦いが続いていますが、不幸中の幸いというか致命的なものはない。強い気持ちを持っていれば、止められると思います」。右足第五中足骨骨折から早期復帰し、代表メンバー発表直前に滑り込んだ。不屈の精神力が再び、W杯本番でも生きてくる。

(佐久間賢治)

■柳沢の負傷経過

▼5月31日 先発した前日30日のドイツ戦の影響で、右ひざ痛を訴えて練習を休む
 ▼6月1日 練習に参加。フルメニューを消化したが、実は右太もも裏に違和感を訴えていた
 ▼2日 右太もも裏に痛を訴え、午後の練習に不参加。MRI検査を受けたが異常なし
 ▼3日 練習を休み、治療に専念
 ▼4日 マルタ戦。ベンチ入りしたが、不出場に終わった
 ▼5日 チームはオフだが、ジョギングなどで汗を流した
 ▼6日 午前中は屋内、午後はピッチに出て別メニュー調整
 ▼7日 別メニュー調整。負傷後初めて軽いシュートを打つ
 ▼8日 ウオーミングアップは参加したが、以降は別メニューでフィジカル練習を消化
 ▼9日 紅白戦出場

★紅白戦、主力組が意地見せる

9日午後の練習で行った25分ハーフの紅白戦は、ジーコ監督の宣言通り3バックでスタート。前半は、主力組に入ったFW玉田(名古屋)が終了間際の25分、単独で持ち込んでゴール。後半には、控え組のMF小野(浦和)も1得点でアピールしたが、主力組のMF福西(磐田)が高原(ハンブルガーSV)からのスルーパスに飛び出してねじ込み、3−2で主力組が勝利した。