俊輔、打倒・ドイツに秘策!死んだふり作戦!?
MF中村俊輔はドイツ攻略のポイントに「ガマン」を挙げた。見本にするのが02年日韓大会のセネガルだ
サッカー日本代表・W杯直前合宿(29日、ドイツ・ボン)6・9開幕ドイツW杯に出場する日本代表が30日(日本時間31日未明)、開催国ドイツとの強化マッチ(レバークーゼン)に挑む。決戦を前に、MF中村俊輔(27)=セルティック=は前回02年日韓大会でセネガルが見せた“死んだふり作戦”の再現を表明した。29日付の独誌では『ブレーブハート』と称されるなど、ドイツでの注目度も高い日本のファンタジスタ(創造性あふれた選手)。ジーコ・ジャパンの力試し、W杯の行方を占う大事な一戦だ。
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世界舞台に乗り出すうえで、避けては通れない相手との戦いがやってきた。俊輔が開催国ドイツとの戦いを前に1つの回答を示した。
「向こうがボールを持っていても、オレらは回させてる感覚。そういうのがW杯ではハマったりする。(02年日韓大会の)セネガルとかね」
W杯最終登録メンバー決定後初の試合は、W杯切符獲得後では最強ともいえる相手との一戦。6月4日にマルタ戦を残すが、それは最新FIFAランク125位国を相手にした調整試合にすぎない。ドイツ戦で何ができるのか。29日の練習でピッチに飛び出した笑顔の俊輔は明らかに“何か”を狙っていた。
セネガルは前回02年日韓大会開幕戦で連覇を狙うフランスを1−0で破る大金星。相手にプレッシャーをかけながらパスを横方向に回させ、ゴールに近付けさせない戦術がハマった。フランスは“死んだふり作戦”のセネガルを前に、気持ちよくボールを回しているかに見えたがパスミスから失点して敗退した。
日韓メンバーから落選した俊輔は、この試合をソウルで生観戦した。4年後、世界戦略を示した“新興国”の記憶としてよみがえる。強国が勝つとはかぎらない−。主導権を握っていると思わせながら、実はこちらが“我慢”しているというサッカーだ。
「ガマンしてガマンしていくうちに…。ああいうのがイメージ」
俊輔は具体例として1−1で引き分けた04年6月のイングランド戦を挙げた。28日の紅白戦でも控え組が押しているような展開の中、先発組は少ない好機に速攻で得点を挙げ1−0勝利した。W杯予選などアジアでは必要のない“死んだふり作戦”も、世界相手には不可欠というわけだ。
俊輔には開催国も注目している。29日付の独誌キッカーは『日本のブレーブハート』という見出しで1ページを使って特集。メル・ギブソン主演で映画化された『ブレーブハート』は、13世紀末にスコットランドの独立を求めて強国イングランドに立ち向かった勇士ウィリアム・ウォレスが主人公の物語。スコットランドでの活躍とかけ、大国に果敢に挑む俊輔に警戒感を表す。
ドイツには04年12月の初対決で0−3惨敗している。本大会に向けた試金石。同時にダメージを恐れず勢いをつけたい試合だ。大国ドイツに挑む“勇士”俊輔。金星の先にはジーコ・ジャパンのドイツW杯での飛躍が待っている。
(志田健)
★中田英は右CK担当?!
MF中田英(手前右から2人目)はドイツ戦の勝利を宣言? 確かにこのムードなら金星の可能性も…
MF中田英(ボルトン)は独紙ビルトの記者に「ドイツ戦は重要な試合。ここでの勝利が自信につながる」と流ちょうな英語で言い切った。直前の29日は右CKを俊輔と交互に練習。これは最近の代表では珍しい光景で、ドイツ戦で右CKキッカーを任される可能性が出てきた。「目標はとくに定めない。1試合1試合、目の前のことに集中するだけ。どんな目標も信じれば達成できる」とこちらはあくまでクールに勝利を求める。
★前回ドイツ戦大敗VTR
04年12月16日に横浜国で対戦。MF中田英、MF中村俊輔がリーグ戦のため、欧州組ではFW高原と左足ひ骨骨折から約半年ぶりに復帰したMF稲本が招集された。システムは4−4−2。前半は0−0と健闘したが、後半9分にGK楢崎がはじいたところをFWクローゼに押し込まれ、同24分にMFバラック、同ロスタイムに再びクローゼに決められ0−3敗北。歴史的初対決は完敗に終わった。
■データBOX
日本が昨年6月8日に世界一番乗り(開催国を除く)でドイツW杯出場を決めてから、その後にW杯切符を獲得した国と対戦したのは6試合。
昨年は8月7日の東アジア選手権・韓国戦に〇1−0、8月17日のW杯最終予選・イラン戦に〇2−1、10月12日の親善試合・ウクライナ戦に●0−1、11月16日の親善試合・アンゴラ戦に〇1−0、今年は2月10日の米国戦に●2−3、3月30日の親善試合・エクアドル戦に〇1−0となっている。
ここまで“W杯出場決定国”同士の対決は4勝2敗。最終7戦目のドイツ戦はさて?
| ジーコジャパン・強豪国との対戦 | |||||
|---|---|---|---|---|---|
| 年・月・日 | 大会 | 場 所 | スコア | 相 手 | 日本の得点者 |
| 02・11・20 | キリンチャレンジ杯 | 埼玉ス | ●0−2 | アルゼンチン(5) | |
| 03・6・8 | キリン杯 | 長居ス | ●1−4 | アルゼンチン(5) | 秋田 |
| 20 | コンフェデ杯 | サンテティエンヌ | ●1−2 | フランス(2) | 中村 |
| 04・4・28 | 国際親善 | プラハ | ○1−0 | チェコ(9) | 久保 |
| 6・1 | 〃 | マンチェスター | △1−1 | イングランド(12) | 小野 |
| 8・18 | キリンチャレンジ杯 | 静岡ス | ●1−2 | アルゼンチン(4) | 鈴木 |
| 12・16 | 〃 | 横浜国 | ●0−3 | ドイツ(16) | |
| 05・6・16 | コンフェデ杯 | ハノーバー | ●1−2 | メキシコ(6) | 柳沢 |
| 19 | 〃 | フランス | ○1−0 | ギリシャ(13) | 大黒 |
| 22 | 〃 | ケルン | △2−2 | ブラジル(1) | 中村、大黒 |
| 【注】かっこ内は当時のFIFAランク。横浜国は現日産スタジアム | |||||
★VIP1000人来る!ドイツ代表、30日に現地入り
ドイツ代表は30日、合宿地のスイスから試合会場のレバークーゼン入りする。29日付の独紙ビルトによるとVIP1000人、報道陣540人が来場予定。27日のルクセンブルク戦は左足首負傷の主将MFバラック(バイエルン)を欠きながら7−0爆勝した。クリンスマン監督は「もっと強い相手との戦いに備えなければならない」と本気で日本を倒しにきそうだ。また同監督は同日、日本戦にはバラックを起用しないことを示唆した。