南ア大会ではスピードある面白いサッカーが見たい
私にとっては、初めてW杯に出た82年スペイン大会を思いだすような結果になりました。82年は決勝でイタリアが西ドイツに勝って優勝。今回もイタリアが準決勝でドイツに勝利して頂点へと突き進みました。
まずは優勝におめでとうと言いたい。ただ、その戦い方は少し悲しいものでした。選手個人の能力は素晴らしいですが、イタリアのサッカーは面白くない。相手のサッカーを壊すためのプレーに力を入れていました。必要がないのにピッチに倒れたりして試合の流れをすぐに止める。ガットゥーゾやマテラッツィ、トニ…。もちろんそれもサッカーで勝てばいいのですが、私にすれば本当につまらないもの。正直、フランスに勝ってほしいと願っていました。
ジダンは最後まで見たかった。そうしたイタリアのプレーにイライラしたのか…。マテラッツィとのセリエA時代からの因縁もあったのでしょう。本当にもったいないことをしました。
優勝国に厳しいことをいってしまいましたが、今大会を総括してみても同様。ドイツの進撃でスタンドや街の雰囲気は最高でしたが、サッカー的には新しい戦術や画期的なことはなかった。新鋭の出現が少なく、目立ったのはフランスのリベリくらい。とくにアルゼンチンのメッシには期待していたのですが…。
4年後の南アフリカ大会では、南米やアフリカのスピードある面白いサッカーを見てみたい。決勝は余計にそんな思いにかられる幕切れでした。
■ピエール・リトバルスキー(Pierre Littbarski)
1960年4月16日、ドイツ・ベルリン生まれ、46歳。元FW、MF。78年にケルンでプロデビュー。その後ラシン・パリ、ケルンを経て93年にJ1市原(現千葉)に加入。96年に仙台(当時JFL)に移籍した。97年の現役引退後はJ2横浜FCなどで監督を務め、豪州・シドニーFCを率いた05年は世界クラブ選手権出場へと導いた。代表デビューは81年10月14日のオーストリア戦。代表通算73試合18得点。ブンデスリーガ通算414試合116得点。J通算63試合10得点。
