青学大、史上6校目の4連覇!原監督“青写真”通り逆転ぶっちぎり/箱根駅伝 - SANSPO.COM(サンスポ)

試合
速報

青学大、史上6校目の4連覇!原監督“青写真”通り逆転ぶっちぎり/箱根駅伝

更新

圧巻の逆転劇で総合優勝。青学大のアンカー、橋間はガッツポーズでフィニッシュテープを切った(撮影・戸加里真司)  第94回東京箱根間往復大学駅伝・復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場-東京・大手町=109・6キロ)往路2位の青学大が逆転で4年連続4度目の総合優勝を果たした。10時間57分39秒の大会新記録(昨年からコース変更)で、2002~05年の駒大以来、史上6校目の4連覇を達成。往路1位の東洋大から36秒遅れで復路をスタートした青学大は6区の小野田勇次(3年)が区間賞の走りでトップを奪い、7区の林奎介(3年)が区間新記録の快走で原晋(すすむ)監督(50)の抜擢(ばってき)に応えた。創部100周年を最高の形で飾った。

<< 下に続く >>

 横綱相撲だった。王者・青学大が盤石のリレーで往路2位から逆転の総合4連覇。原監督が、手塩にかけて育てた選手の手で新春の空に舞った。

 「学生はこんなに強かったかなと感じた。3連覇後は他の大学の全てが“対青学大”で、(マークされることで)成長させてもらった。ここで勝ってこそ真の強豪校だ、という重圧があった」

 采配は的中し、読みも当たった。1位の東洋大と36秒差で3年連続6区の小野田がスタート。15キロすぎでトップに立つという指揮官の目算通り、山下りのスペシャリストは終盤でトップに立つ。2位に52秒差をつけて7区につないだ。

 たすきを受けた大学3大駅伝(出雲、全日本、箱根)初出場の林は穏やかな傾斜を下る得意のコースで追い風を味方に飛ばす。かつて箱根路を沸かせた設楽悠太(東洋大、現ホンダ)の持つ区間記録を16秒更新。平塚中継所で後続との差を3分28秒まで広げ、独走態勢を築いた。最優秀選手に選ばれた3年生は「チームのエースに近い存在になれた」と誇り、適性を見て起用した指揮官は「7区残り3キロで『これは楽勝だな』と思った」と笑った。大会前に、一人でも音程を外したら負けるとし、箱根駅伝の作戦名を「ハーモニー大作戦」と命名した原監督。全10区間で選手が美しいハーモニーを奏でた。

 チームは今年100周年を迎えた。最多14度の総合優勝を誇る中大より2年早い1918(大正7)年創部。箱根駅伝初出場は43年で結果は最下位の11位だった。2004年から指揮する元カリスマ営業マンは、常勝軍団を築いた今も探求心が尽きない。昨年4月からは早大大学院スポーツ科学研究科でスポーツビジネスを学ぶ。

 平田竹男教授(57)のゼミで「青学の育成メソッド」を主題に修士論文を執筆する。過去の練習量やレースタイムをデータ化。どの時期にどのレベルに達すれば箱根駅伝で優勝できるかを選手に示し、具体性のある強化方法を探った。

 伸び悩み、マネジャー転身も考えたという林は「夏合宿で(練習)消化率80%なら箱根で使えると監督は言った。80%を意識して練習を組んだ」。昨年12月下旬に実施した選手選考に関わる千葉・富津合宿では、連覇を飾ってきたこれまでと同等レベルのメニューで設定タイムをクリア。指揮官の7区起用の判断材料となった。

 昨年10月の出雲駅伝は2位、同11月の全日本大学駅伝は3位だった。下馬評では出雲覇者の東海大、全日本王者の神奈川大との「3強」とされたが、数値化によって示された箱根優勝への指針をたどってきた選手には自信があった。

 他の先を行こうと掲げた今季のスローガンは「ベンチャーグリーン」。「勝つための方程式が確立された。常に新しいものを求めている(ベンチャー)から青学のカラー(グリーン)が生まれる」と胸を張る原監督が、この先も時代の先頭を走る。 (鈴木智紘)

青学大OBのロッテ・井口資仁監督(43)「新年早々、本当に素晴らしい姿を見せていただき、自分自身も刺激を受けました。私もこういうチームを作りたいと改めて思いました」

★復路

 【経過】36秒差の2位で出た青学大は6区区間賞の小野田でトップに立ち、2位東洋大に52秒差をつけた。7区では林が区間新記録の快走で2位に3分28秒差、8区の下田も区間賞で6分15秒差と独走態勢を築いた。

 東洋大は6区で先頭を譲ったが、10区の小笹が区間賞を獲得するなど大崩れせずに2位を守った。往路3位の早大はいったん後退したが9区の清水、10区の谷口が踏ん張って3位。東海大は3位で出た10区の川端が区間16位と振るわず、5位にとどまった。

★青学大・過去3年の箱根駅伝優勝VTR

 ▼2015年大会 5区の神野が1時間16分15秒の区間賞をマークし、往路優勝の立役者となった。復路では一度もトップを譲らないまま制し、10時間49分27秒で初の総合優勝を飾った。

 ▼16年大会 1区の久保田を含む3選手が区間賞の活躍をみせ、往路優勝。復路でも3選手が区間賞をとるなど首位を独走し、39年ぶりに1区から一度もトップを譲らない往復完全優勝を達成した。

 ▼17年大会 3区の秋山が区間賞の走りでトップに立つ。4、5区でも先頭を譲らず往路優勝。復路では8区の下田が2年連続の区間賞となる快走。3年連続の総合優勝につなげた。出雲、全日本に続いて頂点に立ち、大学3大駅伝の3冠を成し遂げた。

青山学院大

 日本に派遣されたキリスト教宣教師が1800年代後半に設立した3つの学校を源流とし、1949(昭和24)年に開設された私立大学。陸上部は18(大正7)年創部。箱根駅伝初出場は43年で、最下位の11位。76年を最後に出場できない期間が続いた。2004年に原晋監督が就任し、33年ぶりに復帰した09年は22位に終わったが、その後着実に力をつけた。12年に出雲駅伝、箱根は15年に初制覇。16年度には大学駅伝3冠を達成した。OBは神野大地(コニカミノルタ)ら。活動拠点は相模原市。

原 晋(はら・すすむ)

 1967(昭和42)年3月8日生まれ、50歳。広島・三原市出身。中京大卒。大学3年時に日本学生対校選手権5000メートル3位。89年に中国電力陸上部創設とともに入社し、95年に引退。サラリーマン生活を経て2004年4月に青学大陸上部監督に就任。15年の箱根駅伝で初の総合優勝。趣味は「卒業生と一緒に酒を飲んで夢を語ること」。

データBOX

 ◎…青学大が達成した総合4連覇は、2002~05年の駒大以来、史上6校目の快挙となった。これ以前の4連覇以上は1935~38年の日大、59~64年に史上最長の6連覇を達成した中大、69~73年に5連覇した日体大、86~89年の順大。

 ◎…これまで3年連続で勝ったチームは全て4連覇を果たしており、青学大も続いた。

 ◎…初の総合優勝から4連覇は1935~38年の日大、69~73年の日体大(5連覇)以来、46年ぶりの快挙。

箱根駅伝

 正式名称は「東京箱根間往復大学駅伝競走」。世界最古の駅伝大会。世界に通用するマラソン選手の育成を目的に、日本初の五輪マラソン代表・金栗四三の発案で1920(大正9)年に始まった。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝に続く大学3大駅伝の最終戦。毎年1月2、3日に実施。オープン参加の関東学生連合を含め計21チームが参加する。最多優勝は中大の14度。

今、あなたにオススメ

ランキング

PR