【ラグビーコラム】慶大FB丹治のイリュージョナルなステップは一見の価値あり 大学でアメフット部の門叩くも2年になった昨春に入部 - SANSPO.COM(サンスポ)

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【ラグビーコラム】慶大FB丹治のイリュージョナルなステップは一見の価値あり 大学でアメフット部の門叩くも2年になった昨春に入部

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24日の筑波大戦で後半、突進する慶大・丹治  【ノーサイドの精神】ボールを持てば、見る人をワクワクさせる選手がいる。日本代表でいえばパナソニックのWTB山田章仁、サントリーのFB松島幸太朗あたりが双璧だろう。パナソニックのWTB福岡堅樹の直線的なスピードも大いに魅力的だ。

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 大学にもワクワク感を与えてくれる選手がいる。慶大FB丹治辰碩(たんじ・たつひろ、3年)。1メートル83、86キロとサイズもあるが、特徴的なのがイリュージョナルなステップ。相手が密集して抜けそうにないところを、ヒョイと抜いていくプレーは一見の価値がある。

 「なぜ抜けるのかと聞かれても正直、自分では分かりません。あまり考えたこともないですし。ただ、走るのは楽しいと思っています」

 小2から世田谷区ラグビースクールでラグビーを始め、慶応幼稚舎-慶応普通部-慶応高と進んだ生粋の慶応ボーイ。高3では花園に出場し、SOとして高校日本代表にも選ばれた(負傷で辞退)。本人はSOよりランニングスペースがあるFBに魅力を感じ、こだわりもあるという。

 相手の逆をつくステップに加え、相手のタックルが入ってくる瞬間、体勢を強くして逆にタックラーの弱そうな部分にコンタクトする、ように見える。体の使い方がうまいということなのだろう。だから抜ける。

 大学1年のときに、一時ラグビーから離れた。

 「高3の途中から、何か惰性でラグビーやっているな、という感じでした。大学に入ったら何か別のスポーツをやるか、留学するか」と考え、アメリカンフットボール部の門を叩いた。しかし、「ラグビーと比べると、動きが決まっていて面白くない」と感じ、夏には退部していた。それから英国へ1カ月の短期留学。ケンブリッジ大のコンバインドチームの一員で英国遠征した帝京大とも対戦した。

 「やっぱり、目の前で起きたことに反応して判断するラグビーは面白いと、改めて思いました」

 高校で同期だったLO辻雄康、SO古田京が公式戦に出て活躍している姿も背中を押し、「覚悟もできて」2年になった昨年4月に入部。シーズン中盤以降はFBでの先発も果たした。

 「去年は“新人”だったのでラグビーを楽しむことを優先させました。今年は上級生なので、ゲーム全体のことを考え、パスを投げられるときは正しい判断でしっかり投げることを心がけています」

 9月24日の対抗戦初戦、筑波大戦でもランで相手に脅威を与え、後半24分には筑波大を突き放すトライもマーク。金沢篤ヘッドコーチが「慶応にはなかなかいないタイプ。これまでは1人で局面を打開するようなプレーが多かったが、彼をチームがどう生かすか、彼がチームの中でどう機能するか」と期待する背番号15は「アグレッシブに、自分らしいランやパスでチャンスをつくり出していきたい」と口元を引き締める。地味で泥臭いタイガー軍団に“華”が咲く。

田中 浩(たなか・ひろし)

「田中 浩」イメージ画像1983年入社。ラグビーブーム全盛期に担当を約10年、その後デジタルメディア、ボクシング担当、アマ野球担当などを経て2008年から運動部一般スポーツ担当デスクを務め、14年秋に二十数年ぶりにラグビー取材の現場に復帰した。秩父宮ラグビー場でトライ(高校都大会決勝)と東京ドームでヒット(スポーツ紙対抗野球)の両方を経験したのがプチ自慢の56歳。

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