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【ラグビーコラム】感心させられた三菱重工相模原のファンサービス 日本ラグビー界に必要な「ウエルカム」の精神

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 【ノーサイドの精神】ラグビーのトップチャレンジリーグ(TC)が、17日で第2節を終えた。昨季まで東日本、関西、九州の3地域に分かれていたトップリーグ(TL)下部リーグを統合。事実上のTL2部が動き出した。17日には聖地・秩父宮ラグビー場で2試合が行われたが、三菱重工相模原-マツダの試合後の風景には感心させられた。

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 秩父宮の前の広場(駐車場)に、試合を終えたばかりの三菱重工相模原の選手が続々と出てきて列を作り、スタンドから出てきたファンと握手や記念撮影に応じていたのだ。

 上位リーグのTLでも、試合直後にグラウンドから客席のファンと握手をしたり、一部選手がファンと接する“グリーティングタイム”というサービスを導入したりしているが、この三菱重工相模原のサービスは、さらに上をいく。この日の雨で、泥まみれ、汗まみれのメンバーは、疲労を返上してファンに笑顔で接し続けた。

 種明かしをすると、これは昨季までの“2部リーグ”トップイーストのチームが行ってきたサービスだ。その1チームだった三菱重工相模原が、新リーグに参入した今季も継続しているわけだ。

 選手のコンディションなどを重視する関係者は不安を感じるかもしれない。だが、ここにはチームと選手が、応援に来てくれたファンに感謝の思いを伝えたいという強い熱意がある。

 この選手たちの姿をみて、2000年の取材を思い出した。ラグビーの老舗用具メーカーで、東京都内でショップも経営するスズキスポーツの鈴木次男社長にインタビューをしたときのことだ。当時、すでに人気が低迷していた日本ラグビー界に、いま必要なことを聞いたとき、鈴木社長は「ウエルカム(歓迎)の気持ちだ」と語っていた。

 日本ラグビー協会もある、ラグビーの聖地であるはずの秩父宮だが、ファン、選手の家族、ラグビー関係者ら、訪れる人たちへの歓迎の気持ち、感謝の気持ちが、あまりにも希薄なことを、同社長は17年前には気づいていたのだ。

 ただプレーヤーは、自分たちのできる範囲でファンに感謝の思いを伝えればいい。それは、一生懸命プレーすることでも十分だろう。三菱重工相模原フィフティーンの姿から「ウエルカム」の思いを学んでほしいのは、他のTC選手やTL選手以外にいる。

吉田 宏(よしだ・ひろし)

「吉田 宏」イメージ画像元号が平成に変わった年に入社して、1995年ラグビーW杯後からサッカー、野球担当を挟みながら現担当。“軟式ラグビー(自称)”出身で、こちらも自称の江戸川キャップ2を誇る。99年W杯の報道陣による南北半球決戦・プレスマッチで、なぜか南半球の一員で世界制覇を果たして現役を引退してからは、書き手専門で楕円(だえん)球を追う毎日。

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