宇野、団体SPぶっちぎり首位!異例の午前決戦も103・25点/フィギュア - SANSPO.COM(サンスポ)

宇野、団体SPぶっちぎり首位!異例の午前決戦も103・25点/フィギュア

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宇野が衝撃の五輪デビュー!! 苦手の朝を克服した20歳が、2位に大差をつける演技で世界を魅了した (撮影・納冨康)  平昌五輪第1日(9日、江陵アイスアリーナ)第23回冬季五輪平昌大会は9日午後8時から平昌五輪スタジアムで開会式が行われた。開会式前に実施されたフィギュアスケート団体の男子ショートプログラム(SP)で宇野昌磨(20)=トヨタ自動車=が103・25点で1位となった。フィギュアスケートでは異例の午前開催に、ネーサン・チェン(18)=米国=らライバルが苦しむなか、初出場の宇野が好演技を披露。日本は順位点の合計13点で3位発進した。

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 異例の午前決戦を制した。歯車が狂ったようにチェン、パトリック・チャン(27)=カナダ=ら各国のエースが次々とジャンプを失敗。波乱含みの幕開けも、宇野には関係なかった。

 「特別な緊張感が湧き出てくるのかなと思ったけど、特にそういった感情はなく最後まで自分の演技ができた。(昨年末の)全日本(選手権)の方が緊張しました」

 午前11時14分。最終10番目滑走の宇野が五輪の舞台にデビューした。後半にかけてテンポが上がる、ビバルディ作曲「四季」の「冬」を使ったSP。終盤に差し掛かって会場の手拍子をわき起こした。「(チェンらが)あれだけ失敗するのは初めて見たので、やはり緊張感とか特別なものがあるのかな…」。脳裏によぎった不安は滑り出して間もなく消え去っていた。

 ただ一人の大台超えとなる103・25点。堂々の演技を披露した20歳は強心臓を持つ。課題にした4回転-3回転の連続トーループを鮮やかに決めた。表現面を示す演技点は今季自己最高。2位に約15点の大差をつけた。2014年ソチ五輪団体SPで羽生結弦が出した得点(97・98点)を超えた。

 冬季五輪の花形として夜に開催されてきたフィギュアスケートにとって、異例の日程。韓国で人気のショートトラックがフィギュアスケートと同じ会場の江陵(カンヌン)アイスアリーナで夜に実施される兼ね合いなどもあった。出場選手の公式練習は午前6時半からだった。夜型の代表選手にとって、朝型への変身が今大会の課題になっていた。

 日本スケート連盟は各選手のデータをとり、快眠のための適切な睡眠時間と起床時刻を割り出し、支援を行ってきた。朝が苦手という女子代表の坂本花織(17)=シスメックス=は日の出前に起床するため、設定時間になると顔に光が当たる照射器を使うほど苦心するが、マイペースな男は自然体を貫いた。「朝は無理」と苦手を公言。特別な対策をしない。大会前、不安にならないかとの問いかけにも「朝は捨てて本番で頑張る」と言い切ってきた。

 午前7時5分から始まった宇野の組の公式練習。「眠いならアップはしない。寝たかったら寝ようと思った」。朝5時に目覚めたが、二度寝をし、1時間後にようやくベッドを出た。練習では積極的に体を動かしたチェンらを横目に、宇野は曲をかけた中では一度もジャンプを跳ばなかった。

 けが明けの羽生は16日からの個人種目に専念する。ソチ大会では団体のSPで1位と好発進した日本のエースが個人戦で、金メダルをつかんだ。羽生と同じ道に期待が高まるが、ずぶとい宇野はペースを乱さない。

 「団体戦と個人戦は全く別物。今回はたまたまうまくいった。(個人戦に)つながることはないんじゃないかな」

 個人種目(16日=SP、17日=フリー)では今季初めて羽生との対決が待つ。羽生は午前決戦を経験していない。苦手意識のあった朝を克服した20歳の若武者が、アドバンテージを持って金メダルへ突き進む。 (鈴木智紘)

小林芳子監督「宇野は100点を超えたし、いい収穫があった。団体に参加して(五輪の)この環境に慣れ、個人戦を戦う準備ができると思う。ペアは最大限の力を出した」

★フィギュアスケート・異例の午前開催の理由

 米国で人気のフィギュアスケートは米国テレビの夜のゴールデンタイムに合わせ、午前に競技が始まる。巨額の放映権料を払う米NBCユニバーサル(NBCU)の意向。NBCUは2014年から32年まで夏冬計10大会の米国向け放映権を120億3000万ドル(約1兆3100億円)で獲得し、IOCはその意向を無視できない。

★フィギュアスケート団体

 日本は男子SPに羽生結弦が登場。1位となり10点を獲得し、ペアのSPが終わった時点で日本は合計13点の4位発進。2日後に行われたアイスダンスSDで3点(8位)、女子SPでは浅田真央がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)で転倒するなど8点(3位)止まりも、上位5カ国が出場できるフリーに進出。その後はペアフリーで6点(5位)、男子フリー8点(3位)、女子フリー7点(4位)、アイスダンス・フリー6点(5位)で、合計51点の5位だった。金メダルは合計75点のロシア、2位が65点でカナダ、3位が60点で米国だった。

フィギュア団体・今後の見通し

 ★アイスダンス 日本は1月末の四大陸選手権(台北)で銅メダルを獲得した村元哉中(かな、24)、クリス・リード(28)組が出場。同ペアの今月4日発表のISU世界ランキングは14位。同1位はフランスペアで、ロシア(個人出場のOAR)、カナダ、米国、イタリアなどが強豪国。

 ★女子 日本はSPにエース・宮原知子、フリーに坂本花織(17)=シスメックス=の出場が濃厚。各国出場選手の発表はまだだが、エフゲニア・メドベージェワ(18)やアリーナ・ザギトワ(15)を擁するロシア(OAR)が頭ひとつリード。イタリア、カナダも日本の2選手を上回る実力を持つ選手がいる。

 ★ペア・フリー SPで8位の須崎、木原組がフリーも出場。今月3日発表のISU世界ランキングは38位で、ランキングから見れば出場全10カ国のうち日本は8位。

 ★男子フリー 日本は田中が出場予定。フリーの出場選手は各国未定だが、男子SPで不発だったチェン(米国)や、エントリーしているもののSPには出場しなかった金博洋(20)=中国=など力のある選手がいる。

★2014年ソチ五輪VTR

 前回ソチ五輪から採用された。10チームが出場。男女各1人、ペア、アイスダンス各1組でチームを構成し、種目ごとに1位に10点、2位に9点…10位に1点が与えられ、チームごとの順位点合計で争う。ショートプログラム(SP)の上位5チームがフリーに進む。2種目まではSPとフリーで異なる選手を起用可能。個人種目が始まる前に計3日かけて実施される。

宇野 昌磨(うの・ しょうま)アラカルト

 ★生まれなど 1997(平成9)年12月17日生まれ、20歳。名古屋市出身。血液型はB型。

 ★競技歴 5歳の頃に遊びに行ったリンクで、のちの2010年バンクーバー五輪銀メダリスト、浅田真央さんに誘われてスケート靴を履いた。中京大中京高から中京大。17年に世界選手権、グランプリ(GP)ファイナルで銀メダル。

 ★マイペース 1月に髪を茶色に染めて五輪を迎えたが、本人いわく「美容院に行き、寝て起きたらこうなっていた」。

 ★偏食家 大の野菜嫌い。一方で一日3食、焼き肉をほおばることもある。

 ★憧れの人 バンクーバー五輪銅メダリストの高橋大輔氏。

 ★4回転ジャンパー 16年4月、国際スケート連盟(ISU)公認大会で史上初めて4回転フリップを成功させた。今では4種類の4回転ジャンプを跳ぶ。

 ★趣味 ゲーム。ダーツ。

 ★サイズ 1メートル59、55キロ。

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