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ノーベル文学賞受賞から一夜明け…日本列島にイシグロさん特需!

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自宅庭先の緊急会見に続き、ロンドン市内の出版社でも記会見したイシグロ氏。日本にも“特需”が波及している (撮影・岡部伸)  長崎市出身の英国人小説家、カズオ・イシグロ氏(62)のノーベル文学賞受賞決定を受け、6日の日本各地は“ノーベル賞特需”に沸いた。書店は売り切れが続出し、早川書房(東京都千代田区)は22万5000部の増刷を緊急決定。TBSが昨年ドラマ化したイシグロ氏の代表作、「わたしを離さないで」の再放送も決まった。

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 イシグロ氏のノーベル文学賞受賞決定を受け、書店には著作を買い求める客が次々と訪れた。

 東京都千代田区の三省堂書店神保町本店では、在庫を全て特設コーナーに集めたが、開店から1時間半ほどで邦訳版の約50冊が完売。副本店長の松下恒夫さんは「もっとコーナーを広げたいけれど、これが限界ですね」と、苦笑しながら“空席”の目立つ棚を見つめた。

 深夜営業する東京都渋谷区の代官山蔦屋書店では、発表があった5日夜から6日未明の閉店までに、邦訳版はほぼ売り切れた。担当者は「引き続き在庫確保の努力を続ける」と話す。大阪市北区の紀伊国屋書店梅田本店でも、在庫を切らしているという。

 これを受け、日本でイシグロ作品を独占的に刊行する早川書房は6日午前、同社発行の全8作品を計22万5000部増刷すると発表した。

 19日に文庫を発売予定だった最新長編の単行本「忘れられた巨人」は発売日の前倒しを検討。発売前重版も決めた。この増刷により、同社から出版されているイシグロ作品の発行部数は単行本、文庫を含めて計約120万部となる。

 また、綾瀬はるか主演でTBSが昨年ドラマ化した「わたしを離さないで」の再放送も決定した。CS放送のTBSチャンネル2で14日午後1時から1~5話、15日午後1時から6~10話を放送。TBSチャンネル1では、11月25日午前11時から全10話を一挙放送する。

★芸能界

 日本の芸能界からもイシグロ氏への賛辞が続いた。舞台版「わたしを離さないで」に出演した女優、木村文乃は「とても悲しい物語ですが、強く、厳しく、でもどこか優しさが漂っていて、イシグロさんが日々感じていらっしゃる切なさ、そして起こり得る未来へのメッセージに正面から向き合う時間を過ごせたことを、改めて光栄に思います」とコメント。ドラマ版の出演俳優、三浦春馬は「これからもイシグロさんの作品たちが世界中の人々に愛され続けることを願っています」と訴えた。

★政界

 菅義偉官房長官は記者会見で、イシグロ氏のノーベル文学賞受賞決定について「心からお祝い申し上げる。作品は世界中の読者を魅了し、日本でも多く読まれている。これからも一層の活躍を祈りたい」と祝意を述べた。一方、松山政司科学技術担当相は、日本人が4年連続の受賞を期待された自然科学系のノーベル賞を逃したことについて「大変残念だ。国内の大学では基盤的経費が減少し、世界的に注目される論文数のランキングも下がり、基礎研究の低下が危惧されている」と述べた。

★親族

 イシグロ氏の幼少時代を知るいとこで長崎県の獣医師、藤原新一さん(71)は「いずれ取ると思い、毎年期待していた。おめでとうと伝えたい」と喜びを語り、「これからも頑張って良い小説を書いてほしい」とエールを送った。また、イシグロ氏の母方の叔母、森永和子さん(88)=神戸市=は、イシグロ氏の母、静子さん(91)がノーベル文学賞について「今年かな」と期待するたび、イシグロ氏が「騒がれたら、その年は取れないんだよ」となだめていたと明かした。

★次作は漫画?

 イシグロ氏はロンドンの自宅敷地内で開いた会見に続き、出版社で2回目の記者会見を開催。今後の表現活動について「漫画の分野で活躍している人たちと(コラボに向け)話し合いを進めている。漫画を読んで過ごした子供時代を思い起こして興奮する」と説明した。5歳で渡英後、日本の祖父が送り続けた少年漫画を読んだ経験がある。また、親交のある村上春樹氏の名前を挙げ「他の偉大な作家が受賞していないので少し罪悪感を覚える」と複雑な思いも吐露した。

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