往年のアニメヒーロー人気再燃

 昭和30〜40年代に人気を博したテレビアニメヒーローたちが“復活”している。3月19日には「鉄人28号」の実写映画が公開。4月には「アタックNo.1」が初の実写ドラマ化され、来年には「ゲゲゲの鬼太郎」も実写化される。そのほか「あしたのジョー」など懐かしのテレビアニメシリーズのDVDも相次いで発売。再燃する往年のアニメヒーロー人気。その背景とは?

 3月19日公開の実写版「鉄人28号」。原作は昭和31年登場の横山光輝の漫画で、日本軍の秘密兵器として開発された巨大ロボット「鉄人28号」を少年・金田正太郎がリモコン操作して、悪者たちと戦う物語だ。

 実写版は、現代の東京を舞台に、バイオコンピューターで理想郷を作ろうとする悪の総帥「ゼロ」に、正太郎が「鉄人」とともに立ち向かう物語。映画化に先立ち、同作品の新作アニメが昨年4〜9月にTV東京系で深夜、12年ぶりに放送された。

 1月25日には、江崎グリコ(大阪市西淀川区)発売の「タイムスリップグリコ(思い出のマガジン)」のシークレットアイテムとして、誕生時に掲載された月刊誌「少年」(31年7月号別冊付録)の豆本も登場した。

 一方、4月には、初の実写ドラマとして「アタックNo.1」も復活。今後は「ゲゲゲの鬼太郎」の実写版や、「あしたのジョー」などの人気アニメのDVDも次々と発売される=別表。

 こうしたヒーローの復活の背景を、「鉄人28号」を企画した電通(東京都港区)プロジェクトマネージャーの遠谷信幸さん(45)はこうみる。

 「子供時代に『鉄人28号』に夢中になり、思い入れを持つ僕らの世代が、今、企画や制作の立場にいることがブームを作っているのでしょう」

 また、相次ぐ実写版制作について、「鉄人28号」「ゲゲゲの鬼太郎」の配給元である松竹(東京都中央区)経営情報企画室の下村忠男さんは、「CG技術の進歩が実写版の制作を後押ししている。さらに、キャラクターグッズの販売などビジネス面での広がりも魅力です」と分析する。

 一方、「当時の人気アニメは高度成長期の元気の象徴。元気だった自分を思い出し、閉塞感のある今の時代を忘れてスカッとしたいという大人たちの共感を得たのでは」とアニメ版「鉄人28号」のDVDを発売するキングレコード(東京都文京区)スターチャイルドレコードの五郎丸洋介さん。さて、懐かしのヒーローの姿に、あなたは何を見る?

★上戸彩主演で、「アタックNo.1」が初の実写ドラマ化

 同作品は、浦野千賀子原作の漫画で、バレーボールに情熱を注ぐ高校生・鮎原こずえを主人公にしたスポ根ドラマ。昭和44〜46年にフジテレビ系でアニメ化、平均視聴率19・9%、最高視聴率27・1%と大人気を呼んだ。実写版の主役は、同局系「エースをねらえ!」でテニス少女を熱演した上戸彩。三輪祐見子プロデューサーは、「上戸さんは、ひたむきに頑張る姿勢や、汗や涙が似合う女優さんNo.1。ひたむきさから生まれる輝きを今の若い世代にも伝えたい。かつてアニメを見ていた世代にも、青春時代を思い出してほしい」と話す。

★来年、「ゲゲゲの鬼太郎」の実写映画が公開!

 松竹では、水木しげる原作の「ゲゲゲの鬼太郎」を堤幸彦監督で実写映画化、来年公開する。

 同作は、昭和43〜44年にテレビアニメ第1弾を放映。TVアニメ、実写版TVドラマ、劇場版アニメなどが発表されてきたが、実写版での映画化は初めて。キャスト、ストーリーは未定だが、おなじみの鬼太郎、目玉おやじ、ねずみ男、一反もめん、猫娘、砂かけ婆(ばばあ)、子泣き爺(じじい)らが勢ぞろいする妖怪ファンタジーとなる。鬼太郎役のキャストも注目だ。

★「あしたのジョー」DVDボックス発売

 3月2日には、「『あしたのジョー』コンプリートDVD−BOX」(5万円)がコロムビアミュージックエンタテインメント(東京都港区)から発売。昭和45〜46年放映分79話を、最新デジタル処理し収録。オールカラー解説書、本放映時ラストシーン集や原画・修正原画などの特典映像付き。“泪橋”の文字が刻まれた愛蔵版BOXに収納されている。

 同社宣伝企画グループプランナーの篠塚義彦さんは、「DVDは30〜40代の男性が主な購入者。当時リアルタイムで『あしたのジョー』をはじめとしたヒーローアニメを見ていた人たちで、根強いファンも多く、財布にも余裕がある」とビジネスチャンスを狙う。

●懐かしのTVアニメ&リメイク版DVD●
★タイトル/発売元=特長
★「キューティーハニー」/バップ=昨年12月発売。昭和48〜49年放映の永井豪原作の人気アニメを「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野秀明監督が佐藤江梨子主演で実写映画化、昨年5月に公開。アニメ版のポップな味わい、特撮ヒーローものの雰囲気、永井豪の世界が調和
★「デビルマン」/東映ビデオ=4月21日発売。昭和47〜48年放映の永井豪原作の人気アニメを実写映画化、昨年10月公開。人類存亡の危機の中、苦悩しつつも人間を守ろうと戦うデビルマンの姿を描いたもので、アニメ的誇張表現をCGを駆使して映像化。斬新でリアルと評価
★「CASSHERN」/松竹=昨年10月発売。「鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる!」という冒頭ナレーションで知られる昭和48〜49年放映の吉田竜夫原作のSFアニメ「新造人間キャシャーン」。同作品を宇多田ヒカルの夫でプロモーションビデオの制作で知られる紀里谷和明監督が、実写映画化。公開は昨年4月
★「エースをねらえ!」DVD−BOX/ジェネオン エンタテインメント=昨年7月発売。昭和48〜49年にアニメが放映された山本鈴美香原作のスポ根少女漫画。初の実写ドラマとして、上戸彩主演で昨春放映。お蝶夫人や宗方コーチなど強烈なキャラクターたちも人気に
★「タイガーマスク」BOX1〜3/東映ビデオ=平成15年1〜6月発売。昭和44〜46年放映の梶原一騎・辻なおき原作プロレスアニメ。悪役レスラー・タイガーマスク(伊達直人)は組織を裏切ったことから命を狙われ、次々と襲いかかる強敵たちと壮絶な闘いを繰り広げる
★「バビル2世」DVD−BOX/ジェネオン エンタテインメント=昨年3月発売。昭和48年放映の、横山光輝原作のアニメ。超能力に目覚め、バビル2世となった少年が、悪の超能力者・ヨミと対決する
★「東映動画モノクロアニメ傑作撰」1〜3/ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント=3月18日、4月20日、5月18日に「狼少年ケン」「少年忍者 風のフジ丸」「ハッスルパンチ」「宇宙パトロールホッパ」「レインボー戦隊ロビン」「海賊王子」「魔法使いサリー」「サイボーグ009」「あかねちゃん」を順次発売
★「鉄人28号」DVD−BOX/キングレコード=3月16日発売。昨年深夜枠で放映された新作TVアニメシリーズ全26話を収録。ロボット鉄人28号を操って、正太郎少年が数々の強敵に果敢に挑む
★「エイトマン」DVD−BOX1〜4/エイベックス・ディストリビューション=昨年4〜10月発売。昭和38〜39年放映。人間の心とサイボーグの体を持つ刑事・エイトマンが数々の事件に挑む
★「スーパージェッター」1〜8/コロムビアミュージックエンタテインメント=昨年9月発売。昭和40〜41年放映。本格派タイムトラベルSFアニメ。愛機・流星号の時間航行装置の故障で20世紀に不時着した30世紀のタイムパトローラー・ジェッターが、未来の機器を使い難事件を解決。脚本に筒井康隆、豊田有恒、眉村卓らSF界の大物が参加
★「遊星少年パピィ」DVD−BOX1・2/エイベックス・ディストリビューション=4月27日、5月25日発売。昭和40〜41年放映。地球の平和を願うクリフトン星人の少年パピィの活躍を描く。全52話収録


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