懐かしい味を求めて…“駅弁大会”各地で開催中

懐かしい味を求めて集まる人々 正月明けの風物詩となっているデパートの駅弁大会。今年も25日まで開催中の東京・新宿の京王百貨店をはじめ、首都圏各地で開かれる。最近は、新作駅弁や駅ならぬ空港で販売する「空弁」なども並び、会場は正月の初売りにも匹敵する大盛況。鉄道の高速化や車での旅の定着で旅先で食べる機会が減る一方の駅弁は、いまや、デパートの集客の目玉になっている。〔写真:故郷や旅の記憶と味が凝縮した駅弁。今年も懐かしい味を求めて、会場は熱気にあふれる


日高つぶめし
▲静内駅・日高つぶめし
摩周の豚丼
▲摩周駅・摩周の豚丼
御飯の鯛めし弁当
▲長崎駅・御飯の鯛めし弁当
かごんま黒豚弁当
▲出水駅・かごんま黒豚弁当
放牧牛加工品セット
▲北海道大学研究牧場・放牧牛加工品セット
 「駅弁の甲子園」の異名を取る京王百貨店の「駅弁大会」(25日まで)。初開催は昭和41年という“老舗”で、今年も47都道府県から約200種類の駅弁が集合。同店では、「昨年は12日間の会期中、40万3672個の駅弁を販売。期間中の土日の来店者数は10万人以上。今年は、会場の通路を広げるなど、買い物をしやすいように工夫しています」という。

 正月の初売り以上という混雑だけに、その熱気で実演販売中に貧血を起こす業者も出るほど。

 長崎本線長崎駅の「御飯の鯛めし弁当」(850円)製造元の吉村常弘さんは「会場では1日700個ぐらい作る予定。1日中、うつむいて作り続けることになりそうですね」と笑う。

 吉村さんは神奈川県出身。学生時代に訪れた長崎県が気に入り27年前に移住、「地元の魚の美味しさのとりこになって、九州の味を凝縮した駅弁を作りたいと昨年から発売したのがこの鯛めし」という自慢の味をひっさげての初参加だ。

 また、今年は40回目という記念の年にちなんで新シリーズ「頑張れローカル線特集」がスタート。同店によると、「地域ならではの駅弁や特産品を紹介して、小さな規模でも毎日がんばって、地域の生活を支えているいるローカル線を応援する企画です」。

 第一弾は北海道日高本線。苫小牧から様似まで146・5キロの沿線はサラブレッドの故郷として有名だ。沿線からは、駅弁ではないものの地元の味として北海道大学研究牧場の「放牧牛加工品セット」(4200円)が特別出品されている。

 牧場長でもある秦寛北大助教授は、「家畜の育成から加工までを含めた牧場研究の一環として誕生した商品です。通常は地元の学校給食やスーパーなどに出荷している限定品です」という。

 地元の伝統の味から新作駅弁まで多彩な味が集まる駅弁大会。故郷の郷愁と旅の記憶を求める人で、今年も会場には熱気が渦巻きそうだ。

★「駅弁大会」を毎日開催?

 東京駅八重洲中央改札口を出てすぐ右手にある「駅弁屋 旨囲門」。昨年8月オープンの同店は、80〜90種類の駅弁を販売。そのうち約50種類が東京以外の駅から毎朝列車で運ばれる駅弁だ。

 同店を展開する日本レストランエンタプライズ(東京都港区)広報室の近藤昌昭次長によると、「毎日、“駅弁大会”が楽しめる場所を作りたいと考えて企画した店」。同社が駅の改札外に駅弁売店を展開するのは同店が初で、「列車利用の人だけでなく、昼食用に買いに来るサラリーマンやOLも多い」という。

 富山県から青森県までのJR東日本管内の駅弁がそろい、1日の売上個数は全体で800〜900個。東北本線一ノ関駅「前沢牛めし」(1100円)、仙台駅「炭焼き牛たん弁当」(1100円)や「南三陸・松島かきめし」(1000円)、奥羽本線米沢駅の「牛肉どまん中」(1000円)などが人気だ。

★空弁も登場!

 列車の旅の駅弁と並んで、最近人気上昇中なのが国内空港で販売されている「空弁」。今年の「駅弁大会」には、空の駅から話題の「空弁」が登場している。

 京王百貨店では、新千歳、羽田、伊丹、福岡、熊本の5空港から「空弁」16種類を用意。「石狩鮨三昧」(新千歳空港・1440円)、「ふぐの丸ごと一本鮨」(福岡空港・1500円)などが人気を集めそうだ。

 また、上野松坂屋の「全国有名駅弁大会」では、「空弁」人気の火付け役「みち子がお届けする若狭の浜焼き鯖寿司」(945円)の実演販売も実施。同店では、「今回の駅弁大会の目玉企画の1つ。26、27日には、『浜焼き鯖寿司』を開発した福井市の水産加工業「海の恵み」の矢部みち子さんも登場します」と話している。

◆その他の主な駅弁大会◆

★上野松坂屋「全国有名駅弁大会」(26日〜2月1日)=駅弁と空弁、計約170種類が集結。東海道本線・名古屋駅の「びっくりみそかつ」(980円)、新潟県山古志村の山古志牛を使用した上越線・長岡駅の「もぉ〜舞っちゃう牛肉まいたけ釜めし」(900円)など



★さいか屋藤沢店「全国有名駅弁とうまいもの会」(12日〜25日)=根室本線・厚岸駅の「かきめし弁当」(900円)、鹿児島本線・小倉駅「特製かしわめし」(890円)などの駅弁に加え、新千歳空港の「北の海鮮鮨」(1155円)など人気の空弁も登場
★伊勢丹相模原店「全国有名駅弁とうまいものまつり」(19日〜25日)=青森県から広島県まで約40種類の駅弁が登場。


★大宮そごう「諸国うまいもの大会」 (18日〜24日)=東北本線・一ノ関駅の「平泉うにごはん」(900円)、同・八戸駅の「E2系はやて」(1150円)、山陽本線・西明石駅の「ひっぱりだこ飯」(980円)、予讃線・高松駅「四国お遍路さん弁当」(880円)など
★所沢西武「全国の有名駅弁とうまいもの会」(19日〜25日、27日〜2月1日)=函館本線・森駅の「いかめし」(470円)、羽田空港の「みち子がお届けする若狭の浜 焼き鯖寿司」(945円)など、約40種類の駅弁と18種類の空弁が集結

◆元祖有名駅弁と全国うまいもの大会
実演販売駅弁売上個数ベスト10◆
  駅弁名 価格 路線 駅名 個数
(1) いかめし 470円 函館本線 森駅 7万723個
(2) 牛肉どまん中 1000円 奥羽本線 米沢駅 1万7045個
(3) たらば寿し 1350円 根室本線 釧路駅 1万4459個
(4) 元祖かに寿し 920円 山陰本線 鳥取駅 1万3387個
(5) いちご弁当 1150円 山田線 宮古駅 1万2494個
(6) かにめし 1000円 函館本線 長万部駅 1万2251個
(7) ひっぱりだこ飯 980円 山陽本線 西明石駅 1万2227個
(8) 鱈めし 1020円 北陸本線 直江津駅 1万1181個
(9) ニシン・カズノコ弁当 800円 宗谷本線 名寄駅 1万1121個
(10) 前沢牛めし 1200円 東北本線 一関駅 1万326個
(2004年京王百貨店調べ)


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