2008年05月09日 更新
騒然ワセダ抗議の嵐 胡錦濤主席はピンポン外交で友好演出

胡錦濤主席早稲田で講演 胡主席が到着するまえに、チベット解放を訴える人ら 警官隊と衝突した =東京・早稲田大学大隈講堂前、8日午後1時半【鈴木健児撮影】

華麗なラケットさばきで、福原愛選手とラリーを繰り広げる中国の胡錦濤国家主席。愛ちゃんの表情も真剣?=8日午後、東京都新宿区の早稲田大学(代表撮影)

対戦を終え、笑顔で愛ちゃんの肩を抱く胡主席(代表撮影)
来日中の胡錦濤中国国家主席(65)が8日、早稲田大学(東京都新宿区)で講演した。会場の大隈講堂前にはチベットの旗や中国国旗を掲げた学生ら数百人が集結。両グループが機動隊を挟んで怒声を上げ、一部の学生らが警察官ともみ合うなど騒然とした雰囲気に。しかし胡主席はリラックスした表情で、講演後は北京五輪代表で早大2年の福原愛選手(19)らとの“卓球対決”に臨んだ。
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飛び交う怒号や小競り合い…。“都の西北”が、中国のチベット政策の抗議行動に揺れた。
午後3時20分からの胡主席の講演を前に、正午ごろから会場の大隈講堂前には、チベットの旗を持った支援団体ら数百人が集結。学生らしき人は少なく、「フリーチベット」と大合唱。一方、機動隊を挟んで中国人留学生約100人が、中国国旗を掲げ「ワンチャイナ」(中国はひとつ)などと大声を上げた。
この日の警備態勢は約500人と胡主席が来日して以来最大規模。授業は通常通り行われたが、一部のチベット支援団体を封じ込めようと、早大の創設者、大隈重信銅像付近にバリケードが敷かれるなど、構内は異様な緊迫感が漂った。周辺では警官と学生らとのもみ合いがあったが、逮捕者はなかった。
荒れる早大で胡主席は約35分の講演。約200人の学生らを前に緊張した表情が目立ち、学生らの質問は受け付けなかった。しかし、続いて行われた早大構内での交流イベントでは、「パンダ外交」につぐ「ピンポン外交」を披露した。
「ちょっとやってみましょう」とおもむろに上着を脱ぎ、眼鏡を外す胡主席。同席した北京五輪・卓球の日中両国代表である福原愛、王楠両選手らに、勝負を挑んだ。
早大OBの福田康夫首相(71)が見守る中、愛ちゃんとの注目の対戦。胡主席は、甘い球を見逃さず、右腕から強烈なスマッシュをたたき込むなど果敢に攻め、8度のラリーを5対3で制した。先月26日の長野聖火リレーで走行中、乱入者に見舞われ「怖かった」と表情をこわばらせた愛ちゃんも、この日は笑顔が弾けた。
一方、昨年12月に訪中した際、温家宝首相とのキャッチボールを披露した福田氏。愛ちゃんにプレーを誘われたが「(福原、王両選手の)2人を見たら尻込みしますよ」と辞退。プレー後の愛ちゃんに「タジタジだったね」と声をかけていた。
“不参加”の理由について「やらなくてよかった。(胡主席は)戦略的な卓球で、油断してはならない相手ですよ。フッフッフッ」と、意味深?な感想を述べ、場内の笑いを誘っていた。
★「パンダでごまかすな」
中国製ギョーザ中毒事件で、2家族計7人の被害者が出た千葉県の堂本暁子知事(75)は8日の会見で、来日中の胡主席がパンダ2頭の貸与を表明したことについて「パンダでごまかされては困る」と苦言を呈した。知事は「ギョーザ事件にしろ、油田問題にしろ、政治的にアジアでリーダーシップを取っている国同士できちんと話して良い方向を出していくことが求められている。パンダに惑わされない方が良い」と述べた。
★w−inds.会場盛り上げる
人気ユニット、w−inds.が8日、早大・大隈講堂で行われた「日中青少年友好交流年」開幕式に出演。ヒット曲「キレイだ」のサビの部分を中国語で歌ったり、中国人歌手のジェーン・チャン(23)と「明日があるさ」を“デュエット”したりして、会場を盛り上げた。
「客席に福田首相や胡錦濤国家主席を見つけたとき、あらためてすごい場所で歌っているんだなぁと、ますます緊張しました」とボーカルの橘慶太(22)。w−inds.は昨年3月と11月、北京で行われた「日中文化・スポーツ交流年」のイベントに出演するなどアジア各国で人気があり、今回の“大役”が決まった。
■ピンポン外交
朝鮮戦争以後、敵対関係にあった米国と中国が卓球をきっかけに外交関係を改善させた。1971年、卓球の世界選手権名古屋大会で、会場に向かう中国チームのバスに米国チームが間違えて乗車。これがきっかけで両国選手団幹部や政府関係者らが動き、同年4月7日に中国が「米国選手団を招待する」と発表した。72年2月にはニクソン米大統領の訪中が実現。米国の姿勢の変化は他国にも影響し、日本も田中角栄首相が訪中し中国との国交を回復した。







