「北京以外」を確認・政府内で意思統一−曽我さん一家再会場所
拉致被害者で唯一、家族と再会できなかった曽我ひとみさん(45)と家族の「第三国再会」について細田博之官房長官は1日、曽我さんと面談した杉浦正健官房副長官、中山恭子内閣官房参与らと首相官邸で対応を協議。曽我さんの意向を尊重して、北京など中国以外から面会場所を選び、北朝鮮と調整を進めることを確認した。
★政府内の意思統一図る
外務省に近いとされる杉浦氏は先月30日に中山氏とともに曽我さんと面談後、「曽我さんは北京を否定しなかった」と勝手に説明。驚いた曽我さんが31日に「できれば北京以外で」と異例の声明を出し、中山氏も「言外に北京以外を伝えようとしていた」と杉浦氏の曲解を認めていた。このため細田氏は杉浦、中山両氏や、面会に同席した外務省の斎木昭隆アジア大洋州局審議官から報告を受けて、曽我さんの真意に沿って政府内の意思統一を図った。
協議後、中山氏は「北京以外も含めて検討することを確認した。(杉浦氏との)食い違いはない」と述べた。
細田氏は「(再会の)場所、時期、期間を取りまとめて先方(北朝鮮)に連絡したい。(夫の)ジェンキンスさんの意向を踏まえてまた返事があると思う」と説明。候補地については「十分議論したうえで先方に伝えることになる。できるだけ早くしたい」と述べるにとどまった。
川口順子外相は再会場所について「いろいろな条件を満たすことが必要。それを絞っていく過程に若干、時間がかかるかもしれない」と述べた。
川口外相は1日、安否不明の拉致被害者10人の再調査で「いろいろなコンタクトを北朝鮮側とはやっている。いろいろ始めている」と述べ、北との接触を始めたことを明らかにした。外相は「こちらも資料を整理する作業を加速化していく」として日本独自の調査結果を早急に取りまとめ、北の調査内容と突き合わせる意向を示した。
曽我さんと家族の第三国再会について、カンボジア外務省スポークスマンは1日、「(面会の設定で)日本政府などから要請があれば進んで協力する」と表明した。スポークスマンは「現時点では日本と北朝鮮から依頼や打診は受けていないが、友好関係の強化や人道上の観点から(曽我さんらの訪問を)歓迎したい」と述べた。
曽我さんの夫ジェンキンスさん(64)は在韓米軍から北に亡命したとされ、米軍は訴追姿勢を崩していない。このため再会場所は米国と身柄引き渡し条約がないことが求められるが、カンボジアは米国と同条約を結んでいない。
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