帰宅途中のOL(27)が2人組の男にバッグを奪われたものの、執念で“奪還”する事件が大阪府堺市で起きた。OLは顔面パンチを食らってもバイクで逃げる男の腰にしがみつき、約30メートル引きずられて両膝打撲。しかし最後は男の方が“根負け”してバッグを手放し、何も取らずに逃走した。府警は強盗致傷事件として捜査している。
食らいついたら放さない…執念の“OLバッグ奪還劇”の幕が開けたのは、18日午後11時ごろ。西堺署によると、堺市西区鳳西町の市道で、自転車で帰宅途中の近くのOLの後方から、2人乗りの原付きバイクが近づき、自転車の前かごにあった現金約7000円などが入ったバッグをひったくろうとした。
バッグは自転車の一部に引っかかり、ひったくりは未遂に終わったが、バイクの後部座席の男が降りてOLに接近。取られまいと前かごを押さえたOLに顔面パンチを見舞い、ひるんだすきにバッグを奪って運転の男に渡し、後部座席に乗って逃げようとした。
しかしここは大阪府、OLもタダでは起きなかった。とっさにバイクの後ろの男の腰にしがみつき、急発進するバイクに引きずられて約30メートルズルズル…。しがみつかれた男がギブアップし、運転の男に「もう放せ」とバッグを手放すよう指示。バッグが路上に落ちたところで、OLも腰から手を放したという。
OLは両膝打撲と両下肢に擦過傷を負い、全治3日の軽傷。幸い、大事な顔にけがはなかった。バッグは若い女性に人気のブランド「ピンキー&ダイアン」で時価8000円相当。現金以外にも免許証やカードなどが入っていたという。
府警によると、昨年府内で認知されたひったくりは4647件で、32年連続全国ワースト1。今回のバッグ“死守”は一歩間違えば危険な事件に巻き込まれる恐れもあるが、「コメントは差し控えます」と同署は言葉を選びながら話した。
現場はJR阪和線鳳駅南西約400メートルの住宅街。西堺署は強盗致傷容疑で逃げた2人の行方を追っている。2人は中高生風で、ともにノーヘルでTシャツ姿。1人は茶髪だった。18日は市内の公立中学など多くの学校で終業式が行われていた。同署は、夏休み期間中の補導活動などを強化するとしている。