2007年01月08日 更新

第86回全国高校ラグビー大会

東海大仰星7年ぶり2度目の優勝!春の選抜に続き2冠達成

後半28分に東海大仰星がダメ押しトライ。優勝を確信した選手たちは抱き合って喜んだ

後半28分に東海大仰星がダメ押しトライ。優勝を確信した選手たちは抱き合って喜んだ

 全国高校ラグビー最終日(7日、花園ラグビー場)“横綱ラグビー”で完全Vだ。東海大仰星(大阪第2)が東福岡(福岡)に19−5で勝ち、7年ぶり2度目の優勝。史上2校目となる春の選抜との2冠を達成した。後半ロスタイムには右足首骨折のWTB北野雄大(3年)=顔写真=をグラウンドに立たせるという夢までかなえ、今季25戦全勝という完ぺきな戦績で日本一の座に輝いた。

 花園の芝も、松葉づえなしで立つ背番号22を待っていた。後半ロスタイム直前、土井崇司監督(47)は右足首骨折のWTB北野雄大(3年)をコール。北野は左足で跳ねながら、憧れの地に立った。5分間、痛みをこらえ、ノーサイド。中学時代に8つの相撲部屋からスカウトされた体重110キロのLO木津武士(3年)に支えられた北野に仲間が駆け寄る。公式戦無敗の25連勝でつかんだ頂点。北野がみんなの力で“男”になった。

 「僕には、やり残したことがあった。ラグビーを始めたころから、花園の決勝に立つのが夢でした。みんなにありがとうと言いたいです」

 準々決勝で脱臼骨折し、9日に手術する。本来なら安静が必要だが、ギプスを外し、テーピングを5重、シューズの上からまた5重に巻いた。

 「北野と一緒に優勝したい」というフィフティーンの熱意に折れた土井監督は「(相手に)失礼と思いましたけど、心を育む意味でどうしても出してやりたかった」と嗚咽をもらした。

 風下の前半は自陣での戦いを強いられた。無失点でしのぐと風上の後半に勝負をかけた。6分に敵陣15メートルのラインアウトからモールで突進。8人の平均体重は「重戦車」の異名を取る明大の95.5キロを上回る99.3キロ。木津ら超高校級の重戦車で迫り、FL石上裕一(3年)が倒れ込むように先制トライを決めた。

 直後の10分にはWTB谷野智紀(3年)がハーフライン付近でインターセプトし、50メートル独走トライ。「北野を出すために点差を広げよう」を合言葉に、28分にはNO・8前川鐘平(3年)が右中間へダメ押しトライ。守っても、4戦連続50得点以上の花園新記録を打ち立てた東福岡を1トライに封じた。

 「大型FWと言われるけど、世界では彼らが一番小さくなる」という土井監督の考えで、重量FWだけで押すのではなく、BKと一体となって集団で攻める仰星ラグビー。生徒の心も、楕円球を通じて1つになった。

 「最高にいい仲間とできて、最高の思い出」と、土井監督の次に胴上げされた主将のHO緑川昌樹(3年)は笑った。ベンチでは、女子マネジャーが1枚ずつ「ケガをしないように」などと願いを書いた千羽鶴が見守っていた。部室に保管している99年大会の千羽鶴。その横に、花園に爽やかな友情を描いた一羽が、新しく仲間入りする。

(周伝進之亮)

■東海大仰星

 1983年創立の東海大系列の私立共学校で、総合進学科、英数特進科がある。生徒数は982人(うち男子652人)。ラグビー部創部は84年で、現部員数は83人。花園は92年度に初出場し、8度の出場で優勝2。主なOBはラグビー日本代表のWTB大畑大介(神戸製鋼)、FB正面健司(トヨタ自動車)、プロ野球に上原浩治(巨人)ら。土井崇司監督(47)。所在地は大阪府枚方市桜丘町。

■データBOX

 ●…東海大仰星は春の全国選抜大会との2冠を達成。01年度の啓光学園に続く史上2校目の快挙となった
 ●…仰星は今季公式戦25全全勝。シーズン全勝を記録したのも、01年度の啓光以来
 ●…近畿勢が9連覇。うち大阪勢は仰星の2度を含む7度。大阪の優勝は通算15度目で、都道府県別で秋田、東京、京都に並ぶ最多タイとなった

東海大仰星・公式戦25連勝
年・月・日回戦スコア対戦相手
【近畿大会府予選】
06・1・222回戦○102−3汎愛
1・29 準決勝○86−10金光八尾
2・5 決勝○102−0浪速
【近畿大会】
3・212回戦○41−12同志社
3・23 準々決勝○73−0関西学院
3・25 準決勝○57−0大阪朝鮮
3・27 決勝○38−12大工大高
【全国選抜大会】
4・42回戦○79−3東海大翔洋
4・6 準々決勝○56−5大分舞鶴
104・7 準決勝○44−19国学院久我山
114・9 決勝○31−15東福岡
【大阪総体予選】
124・16リーグ戦○70−0金光八尾
134・22 ○69−5浪速
144・23 ○50−0同志社香里
155・14準決勝○15−5大工大高
165・21 決勝○39−5啓光学園
【全国大会府予選】
179・242回戦○96−0高津
1810・29準々決勝○118−0桜塚
1911・5準決勝○100−0布施工
2012・12決勝○19−5大阪朝鮮
【全国大会】
2112・302回戦○38−0東海大翔洋
2207・1・13回戦 ○65−5 高鍋
231・3 準々決勝○33−12 長崎北
241・5 準決勝○40−13 桐蔭学園
251・7 決勝○19−5 東福岡