2007年01月04日 更新

第86回全国高校ラグビー大会

世界最高峰の技に刺激…桐蔭学園、関東決戦制し2年連続4強入り!

後半25分、桐蔭・宮澤主将が相手のタックルを振り切ってトライ。頂点を目指す東の横綱は、前へ、前へ…=撮影・浜坂達朗

後半25分、桐蔭・宮澤主将が相手のタックルを振り切ってトライ。頂点を目指す東の横綱は、前へ、前へ…=撮影・浜坂達朗

 全国高校ラグビー第5日(3日、花園ラグビー場)東日本唯一のAシードで前年準優勝の桐蔭学園(神奈川)が、関東対決となった準々決勝で正智深谷(埼玉)を29−15で下し、2年連続で4強入り。相手の得点源だったトンガ人留学生に果敢に挑みかかり、終盤に突き放した。5日の準決勝は優勝候補筆頭の呼び声高い東海大仰星(大阪第2)に決定。夏合宿で大敗した強敵に雪辱すれば、悲願の日本一に大きく近づく。

 後半途中までのシーソーゲームも、終盤に差がついた。14−15で迎えた後半20分から立て続けに3トライを奪って快勝した。相手チームは2人のトンガ人留学生が得点源。1メートル84、90キロのWTBイオンギと1メートル75、95キロのFBパエア。ともに50メートル走6秒2の突破力が武器だが、恐れることなくタックルを見舞った。これで相手は消耗し、地力発揮に結び付いた。

 「勝ったことで、やってきた方向性が間違っていない、という自信になるでしょう」。藤原秀之監督(38)が今大会初めて選手をたたえた。想定通りの展開で勝利したかげに、昨年7月下旬から8月に行った同校2度目の豪州合宿があった。

 「仲間を信じろ!!」「つらくても、下を向くな。相手に弱みを見せるのと同じだ!!」。現地のコーチからラグビー精神をたたき込まれ、外国人選手にも慣れた。そしてさらに貴重だったのが、豪州vsニュージーランドのテストマッチ観戦。関係者の尽力でプラチナチケットを入手し、試合前にスタジアムまでの約100メートルの道が人だかりで埋まったほどの大一番を見ることができた。

 12−9でニュージーランドのオールブラックスが勝った試合で、世界最高峰の技術はもちろん、ラグビーを国技とする両国が世界一の威信をかけて戦う意地のぶつかり合いをスタンドで体感した。この日の後半29分に今大会通算5個目のトライを決めたチーム随一のトライゲッターLO岩井哲史(3年)は「興奮してなかなか寝られませんでした」とふり返った。

 あの興奮が桐蔭の選手たちを変えた。岩井は春先から体重を7キロ増やし、その後に走力に磨きをかけるため2キロ絞って大会に臨んだ。岩井らの向上心とトンガ人選手に発揮した闘志は、世界一の決戦を目に焼き付けたことで、はぐくまれた。

 関東のライバルを下し、頂上まであと2つに近づいた。準決勝の相手は東海大仰星。春の選抜大会で優勝した強豪で、夏の練習試合では45点差をつけられて完敗している。「どうしてもリベンジしたかった」とSO宮澤正利主将(3年)。世界一の魂を糧にした桐蔭学園が花園の舞台でV候補に雪辱し、昨年果たせなかった日本一を狙う。

(林健太郎)

★宮澤のトライで接戦にケリ

 桐蔭学園のSO宮澤が4点リードの後半25分に右中間に飛び込み、一進一退の攻防にピリオドを打った。「トライはラッキーだった。前半はバックスにミスが多かったけど、両CTBが(トンガ勢を)よく止めてくれた」。早大に進学予定で、2日の大学選手権もテレビで観戦。「レベルが高いですね。ぼくはまずは体作りです」と謙遜したが、早大の決勝進出に刺激を受けている様子だった。

★体調は万全

 準優勝した昨年は準決勝の直前に先発3人がノロウイルスに感染。点滴を打ちながらの強行出場で何とか決勝進出した。その苦い教訓を生かして、選手に手洗い、うがい、マスクの着用を徹底。さらに細菌の活発化を抑えるといわれる『孟宗竹エキス』を入手し、宿舎で活用している。「最も気を使っているのは、体調管理です」と藤原監督。見えざる敵の“完封”にも余念がない。

★正智深谷トンガコンビ、後半息切れ

 正智深谷はイオンギ、パエアのトンガコンビの突進で突破口を開こうとしたが、後半息切れ。今季は3戦3敗と勝てなかった桐蔭学園に花園でも敗れた。だが、就任1年目の松本監督は「どれだけ前に出られるかがポイントだった。やってきたことはすべて出せた」と選手の健闘を称えた。

桐蔭学園・花園全成績
年度回戦スコア対戦相手
76962回戦○29−22大東大一
3回戦●17−20佐賀工
78982回戦○61−0山形中央
3回戦○27−14東筑
準々決勝※△27−27秋田工
準決勝●22−24大工大高
80002回戦○38−12東農大二
3回戦○22−19大阪桐蔭
準々決勝●20−29仙台育英
83032回戦○15−5
3回戦●10−27大分舞鶴
85052回戦○26−0新潟工
3回戦○32−5
準々決勝○27−8茗渓学園
準決勝○12−10大工大高
決勝●12−36伏見工
86 06 2回戦 ○72−0 日本航空二
3回戦 ○43−26 東 京
準々決勝 ○29−15 正智深谷
【注】※は抽選勝ち