2006年12月31日 更新

第86回全国高校ラグビー大会

“荒ぶる”名護旋風!清宮イズムで沖縄県勢初の3回戦進出

雄たけびをあげながら突進する名護のCTB比嘉栄。沖縄県勢初の夢をつかんだ(撮影・佐藤雄彦)

雄たけびをあげながら突進する名護のCTB比嘉栄。沖縄県勢初の夢をつかんだ(撮影・佐藤雄彦)

 全国高校ラグビー第3日(30日、花園ラグビー場)7年連続出場の名護(沖縄)は城東(徳島)を41−7に勝ち、沖縄県勢として初めて“正月越え”を果たした。

 歴史が変わった。ノーサイドの笛が鳴ると、名護・宮城博監督(56)の目から熱いものがあふれ出た。沖縄県勢初として初めて2勝を挙げ3回戦進出。「ずっとこの日を夢見ていた。沖縄県の高校ラグビーの一つの壁を破ってくれた。おめでとう、と言ってやりたい」。涙をこらえ切れなかった。

 1980年に、沖縄県勢として石川が花園に初登場して以来、跳ね返され続けてきた厚い壁。沖縄勢はこれまで、1勝するのが精いっぱいで、名護も過去9度の出場のうち、6度は初戦で敗退している。快挙を後押ししたのは、静かに培われた“荒ぶる魂”だった。

 87年に沖縄県で国体が初開催された時、ラグビー競技の強化の一環で早大ラグビー部との交流が始まった。以来毎年、早大のOB、現役選手が名護を訪問。その中には昨年まで早大で指揮をとったサントリーの清宮克幸監督(39)もいた。

 4年前に所用で沖縄を訪問した際、2日間同校に立った同監督は、練習前に宮城監督から生徒の特徴を聞きながら、約1時間かけてメモを走らせた。体が大きくない沖縄の子供たちに、どのような練習が効果的か。相手の体が大きい場合、どんな防御システムが有効なのか。宮城監督自ら書き写した“清宮メモ”が、ピッチの上で花開いた。

 「帰りのチケットも、今年は搭乗日の変更がきくものにしたんです」と宮城監督は明かした。年末年始の帰省便の混雑を考慮し、例年は2回戦が終わる12月30日に沖縄に戻れる航空券をあらかじめ購入していた。大会前から2回戦敗退を覚悟していた過去とは違う。「沖縄でもできる。離島のハンディはない」と宮城監督は力を込めた。

 高校野球では99年のセンバツで沖縄尚学が優勝している。甲子園の次は花園−。沖縄ラグビーの新たな歴史をつくる戦いが、07年元日に始まる。

★早大も進撃中

 1月2日に東京・国立競技場で行われる京産大との全国大学選手権・準決勝に向けて午後2時から約2時間、東京・杉並区の上井草グラウンドで練習を行った。練習後は合宿所で花園のテレビ中継を観戦。選手それぞれが母校や出身県のチームの応援をした。

 名護の正月越えに早大フィフティーンも盛り上がったが、花園開幕前に沖縄で直接指導した後藤コーチは選手以上に満面の笑みを浮かべていた。