2018.5.14 13:34

【伊藤崇コラム】「声優になろう!」#034 シナリオの話2

【伊藤崇コラム】

「声優になろう!」#034 シナリオの話2

シナリオの話2

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 そこで、「読書」についてですが、良く聞くのが、小説を読むことが演技の勉強になるとか、ならないとか。

 もうこの程度で論争している輩はブラックホールに飛んでいけって感じです。教えている方も教えている方で、もうちょっと、ちゃんと教えてやれよ!って感じです。

 簡単なことです。読書は文章読解力と知識を付けるためです。読解力は前に話をした通り、書き手の意図を正確に理解するためです。知識はシナリオに書かれている、情報を整理し、理解するためのものです。

 演技を勉強、練習するなら、シナリオが良いに決まっています。シナリオなら、雑誌にだって載っているでしょ。そのものズバリの雑誌だってあるし。既存のシナリオなら簡単に手に入るでしょ。

 また、テレビを録画して練習することだってできるし、既存のものであればいくらでも手に入るので、自主練習の素材として、事欠くことがないはずです。

 ところで、既存のシナリオを使って授業を行うことが多いらしいのですが、私からすると「う~ん」という感じです。全くだめではないのです。

 たとえば、初めての人には既存のシナリオであれば、その人がどの程度の位置に居る人か、わかりやすいんですよね。一線でやっている声優さんと比較できますから。

 ただ、どうも、教えている方が楽ということもあるのでは?と思うこともありますね。

 だって、演技付けされた素材ですから、そこから外れたら、「こういう感じで」なんて放送されたできあいの方向性で教えればいいじゃないですか?手を抜くなり、演技付けができないダメ講師にとっては都合が良いわけですよね。

 みなさん、そんな経験ありませんか?なんか、○ヴァの台本が氾濫して、「シンジ」君だらけになったら、嫌ですよね。それに、演技ってそんなに狭いものではないはずです。いろんな、「シンジ」君がいないと面白くないですよね。

 その中で、あのシンジ君を選んだ所に役者としてのセンスが光っている!ってしたいですもんね。

 そこで、なんで、私がオリジナルシナリオにこだわるかが多少なりともわかってもらえたかと思いますが、どうでしょうか?

 それに、本番で渡される台本は常に演技付けされていないものでやるわけですから、その方が勉強になることは間違いないでしょ。

 だって、自分である程度、演技を構成してくることが大事じゃないですか。それに、その授業にとって都合のいいように書かれているはずもないので、何となく、せりふのバランスが悪いとか、あまりせりふがなかったとか、いろいろと不都合があるんですよね。まじめに考えたら、そういうチョイスにならなきゃね。

 まあ、既存のシナリオが全く悪いわけではないですけどね。授業が進めば、それだけではうまくいくわけないですよ。

 そこで、時々、オリジナルシナリオがあるなら良いですけど、全くないのもね、手抜きとしか言えないですよ、私から見たら。

伊藤崇

「伊藤 崇」イメージ画像(いとう・たかし) 某大手印刷会社にて、アートディレクターとして活躍後、アニメ業界に転職。プロデューサーとして、(株)アクタス(株)セブンアークスで活躍し、現在、スタジオ藍丸で活動している一方で、有名漫画家の個展企画やIMTACで声優養成所講師として活動している。声優ワークショップOTTIの主催者 HP:(http://aska.gr.jp/otti/