2018.4.19 19:02

【高橋信之コラム】オタクの宝はどこにある? マニア垂涎(すいぜん)のアイテムの在り処を探せ!

【高橋信之コラム】

オタクの宝はどこにある? マニア垂涎(すいぜん)のアイテムの在り処を探せ!

特集:
高橋信之
艦番号NC1701宇宙巡洋艦エンタープライズ号、50年も前のデザインとは思えない。

艦番号NC1701宇宙巡洋艦エンタープライズ号、50年も前のデザインとは思えない。【拡大】

 SF映画に登場したもっとも有名な宇宙船のネームシップといえば『スタートレック』、日本初放映タイトル  『宇宙大作戦』(1966-1969)の宇宙巡洋艦エンタープライズ号であることに異論はないだろう。

 ライバル作品『スター・ウォーズ』(1977~)の帝国軍のデストロイヤー級巡洋艦も同じくらいカタチは知られているが、艦名は定かにされていない。

 さてトレッキーと呼ばれるマニアにとって気になるのは、その撮影用モデルがどこにあるのかということ。

 全長3.4メートルの木製+プラスチック製の模型はロサンゼルスの工房で製作され4年間に渡り撮影スタジオに配備されていた。

 これ今は、ワシントンD.C.のスミソニアン航空宇宙博物館に保管展示されている。

 公式ウェブサイトでは、1974年にパラマウント映画テレビ部門から寄贈され輸送用の木箱で届いたところから、破損個所の修復プロセスまでが公開されている。

 (https://airandspace.si.edu/collection-objects/model-starship-enterprise-television-show-star-trek

 元々は、模型製作チームの工房からデシルプロダクションのスタジオで撮影され、そのあとデシルがパラマウント映画に買収されてテレビ部門と一緒になったときにパラマウントスタジオの美術倉庫にしまわれたんだそうだ。

 この、素晴らしいデザインを創造したのはアートディレクターのウォルター・マット・ジェフリー(1921ー2003)で、敵のクリンゴン人の戦闘艦もデザインしている。

 同氏は、第二次世界大戦中は空軍の技術テストクルーとしてB-17、B-24、B-25などの爆撃機に搭乗していたという。ちなみに同作のプロデューサー、ジーン・ロッデンベリーは大戦中、空軍パイロットとして勤務し、戦後はロス市警のバイク警官をやっていたそうだ。

 エンタープライズ号が奇抜なデザインであるにもかかわらず、どこか説得力があるのは「ホンモノ」と触れてきたヒトたちが作ったからなんだろうか。

高橋 信之

「高橋 信之」イメージ画像スタジオ・ハードデラックス株式会社 代表取締役 東京国際アニメフェア実行委員 日本アニメーター・演出協会 応援団長 アニメ記者クラブ/アニメプレスセンター 起案者・理事「出版や広告、商品開発、映像メディアで活動するプロデューサー/プランナー。アニメ、SF映画、ビデオゲーム、玩具、デジタルデバイスなどを得意分野とし、多くの雑誌編集者やデザイナー、映画監督と交流する。

  • 1965年に美術スタッフにより11フィートの模型が作られ、制作会社デシルプロダクションのスタジオに搬入された時のスナップ。
  • CG登場以前、空想の巨大宇宙船を映像で表現するには大型の模型を撮影するしかなかった。
  • 初期スケッチには創作者ジェフリーのサイン(右下)が見える
  • 前出の初期コンセプトを見ながら、このようにデティールを修正して完成に近づけていく。
  • パラマウント映画のスタジオからスミソニアン博物館に届けられた時の梱包状態。かさばる形状のため、バラバラに解体されて保管されていた。
  • 荷ほどきしてパーツを並べた状態。四年間の撮影を経て塗装も退色して古色蒼然としている。
  • スミソニアン博物館の美術展示スタッフにより改修を受けたエンタープライズ号。
  • 当初の展示スタイルは宙吊りだったが、より細部まで見たいという訪問者のリクエストにより現在は変更。
  • スミソニアン博物館の公式サイトに設けられた専用ページには改修の様子が豊富な写真で紹介されている。