2017.12.5 18:53(1/2ページ)

【高橋信之コラム】大躍進!東京コミコン

【高橋信之コラム】

大躍進!東京コミコン

特集:
高橋信之
寄生獣ミギーじゃなくて惑星アキールの人工知能宇宙船ネル!

寄生獣ミギーじゃなくて惑星アキールの人工知能宇宙船ネル!【拡大】

 ハリウッドSF映画とヒーローアメコミにフォーカスした洋物イベント、それが東京コミコンだ。昨年の第1回に続き、スケールアップしての第2回が先週末に開かれた!

 今年は、有名なSF映画の撮影プロップや自動車なども運び込まれ、ますます充実のイベントになったんだけど、タカハシ的にはもっとマニアックなところで感激の展示があった。

 ■東京コミコンの収穫(オレ的発見)

 この宇宙船ミニチュアが見られるとは!

 げっ!

 B級映画の帝王:ロジャー・コーマン製作総指揮、ジミー・T・ムラカミ監督による『宇宙の7人』(1980)の宇宙船ミニチュアが展示されてました!

 専門誌の写真ではちらっと見たことがありましたが、実物が来るとは!

 銀河宇宙の野党から狙われた惑星アキールの平和な住民が、到底、自分らでは立ち向かえないからと宇宙から用心棒を集めて防衛作戦を展開する話。

 そう、黒澤明の名作『七人の侍』、その西部劇リメーク『荒野の七人』をベースにしたSFリメーク作品だ。惑星アキールも、黒澤監督の名前:明(あきら)からネーミングされたそうだが、おそらく金は支払っていない。

 それがロジャー・コーマンの基本スタンス。

 至極マイナーなB級映画ですが、これ、ジェームズ・キャメロン監督が美術監督としてデビューした記念すべき一作なんです。今回、展示された撮影用ミニチュアもおそらく、美術監督としてのキャメロン氏の手によるもの。

 後に『ターミネーター』『エイリアン2』『タイタニック』『アバター』とヒットを連発するキャメロン監督ですが、そのキャリアのスタートでは苦労してたんです。

 さて展示されていた旧型宇宙船ネルの模型は、右のエンジンポッドが折れてました。そのおかげで材質がポリパテ、エポキシ樹脂系ねんどらしいと推定できましたが。木製ソリッドでもレジンキャストでも、ましてFRP造形でもなく、ネンドからの造形! おそら型取りして複製作る予算も時間もなかったんだなぁ。そして、どの機体もすべて小さい!

 ルーカスやダイクストラが実存感を出すために、大きなミニチュアでピントや露出そしてレンズ歪曲(わいきょく)をごまかしを克服しているときに、この小さなミニチュアで挑んでいたわけですよ、キャメロン監督は。

 宇宙船ネルの曲線フォルムは、数年後に撮る『ターミネーター』のスカイネット・ハンターキラー(マシン軍殺戮(さつりく)掃討機)にも通ずるデザインですね。

【続きを読む】

  • 前後逆に展示されていましたが、こちらが船尾方向です。曲線が美しい!
  • ケースの中は照明が仕込まれていますが、向きが後ろからなんだよねェ。
  • 前から見た宇宙船ネルの勇姿!ま、この逆光もカッコいいかも!
  • 双発の駆動系ポッドの右側支柱が折れているところがわかりますね。直して~。
  • 女性のボディを模した曲線構成の船体が、艶っぽい!
  • 戦闘宇宙艦ですが市販のプラモ程度のミニチュアサイズに驚きました。低予算!
  • 美術監督キャメロンの意地で作った模型のデティールと塗装もすばらしい!
  • 映画に使われたマット画&コンセプトスケッチは、残念ながら展示されず!
  • のちに技術者によってリファインされた宇宙船ネル!艦首のふくらみは、消波効果のバウというよりも女性の胸をイメージ!
  • 『スターウォーズ』から大胆に始まったミニチュア模型のデティールアップを流用したプラモのパーツで代用する技法。キャメロン監督も取り入れている!
  • アメリカ版ポスターも、ひょっとしてキャメロン監督が描いたかも?
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