2017.10.30 11:59

【伊藤崇コラム】「声優になろう!」#008

【伊藤崇コラム】

「声優になろう!」#008

ボイスサンプルにも気を使って

ボイスサンプルにも気を使って【拡大】

 生徒さんから、どの様な役柄が向いているかという質問をよくされます。それぞれに、現状に即した回答をしました。

 その質問の解答をしながら思ったのですが、意外とキャスティングする側と演じる側では考え方に違いがあるような気がしました。

 うちのワークショップの生徒に限らず、ボイスサンプルの方向性が違う声優さんが多いのではないか? それだけではなく、ボイスサンプルのうまい下手ということがよくあります。

 もう少し、ボイスサンプルには気を使った方がいいと思います。なぜなら、プロデューサーや監督が最初にコンタクトするのはそのボイスサンプルそのものなのですから。

 それでは、自分の売りってなんなのでしょう?

 「自分の売りってなんでしょうか?」

 「自分は何の役に向いていますか?」

 専門学校でも、養成所などでも、質問攻めにあいます。これから声優を目指すという、素人さんもそうですが、皆、お悩みどころのことです。

 正直、プロでも悩むのですから、当たり前の話ではありますが・・・。

 なんで当たり前かというと、自分が自分の声を聴いているのは骨に反響した音を聴いているわけで、他人が聴いている音とは違うわけですよね。

 「当たり前じゃないか、そんなこと常識だよ」と思ったマネージャー志望の方は今すぐ辞めて、他の業種への転換をお薦めします。

 話を戻すと、レコーダーなどの簡易機器でもその辺はわかるのですが、ここで問題になるのが実は、脳という存在なのです。

 例えば、何の役に向いているかと考えながら、自分の声を聴いていたとしても、そこに、脳が記憶した情報が入ってくるのです。

 実はこれが厄介で、この情報は本人の希望などさまざまな要素が入った情報として、思考に入ってくるのです。そんなわけですから、正確にとらえるのは他人の力が必要なわけです。

 ワークショップに出てくれた方は思い出してほしいのですが、私は「声優はセルフプロデュースが必要です」と何度も突き放すように言いましたが、「売りと売り方についてはこちらも考えます」とか、「一緒に考えていきましょう」と話していたのはこの点にあるのです。もちろん、演じる側とキャスティングをする側では考え方が違うので、その当たりも押さえていきたいという、意図もあってのことです。

 とりあえず、一人一人にアドバイスをしていきましたが、何度も言うように、このワークショップが良いと思ったなら、声と名前と顔を覚えるまで来てくださいと言ったのはそんなことからも含んでいるのです。なので、焦らず、ついてきてくれるとうれしいです。

伊藤崇

「伊藤 崇」イメージ画像(いとう・たかし) 某大手印刷会社にて、アートディレクターとして活躍後、アニメ業界に転職。プロデューサーとして、(株)アクタス(株)セブンアークスで活躍し、現在、スタジオ藍丸で活動している一方で、有名漫画家の個展企画やIMTACで声優養成所講師として活動している。声優ワークショップOTTIの主催者 HP:(http://aska.gr.jp/otti/

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