2017.9.26 19:14

【伊藤崇コラム】「声優になろう!」#003

【伊藤崇コラム】

「声優になろう!」#003

才能に頼って生き抜こうとすると沈んでしまう

才能に頼って生き抜こうとすると沈んでしまう【拡大】

 知り合いのシナリオライターから、現在、養成所に通っている人を私のワークショップに参加させてほしいとの話がありました。

 実は彼のことを私自身も知っていました。

 養成所で、何があったのかは知らないが、(想像はつくが)結構、へこんでいるらしいのです。

 シナリオライターと話していて結構、話題に出るのだが、決して、才能があるからこの業界に残れているのではないのです。

 むしろ、才能に頼って生き抜こうとする人間はほかの業界でも沈んでいく奴が多いのです。

 才能とは、継続力に等しいかもしれません。

 声優もそうだろう、仕事が決まらなくても、訓練を怠れば声が出なくなります。

 表には出ないが、優秀な声優さんはいまだに研究を怠ってはいないのです。

 また、自分自身の10年後を想像して、日々の仕事をこなしている声優さんもいます。

 そう、実はそんな人たちをけ落として、役を取らなければならないのです。

 それに加えて、毎年1万人くらいの人が声優を目指して、専門学校やら養成所に通い始めます。

 悩んでいる暇なんかないのが現実なのです。

 最後に決定するのは自分以外の何者でもないのです。

 よく、専門学校に行ったときに言うことがあります。

 「とにかく、やり尽くせ!結果がどうあれ、やり尽くすことが大事なのだ」と仮に、声優やアニメーターになれなかったとしても、やり尽くして結果を出した人間はそれが糧になって、ほかの業界で成功する可能性があるからです。

 二十歳そこそこだと、才能で飯が食えると勘違いしている人をたまに見かけます。

 おそらく、その人は白馬に乗った、編集者やプロデューサー、監督が現れて、「キミの才能は素晴らしい!ぜひうちで仕事をしないか?」とでも言ってくれると思っているとしか思えなのです。

 残念ながら、何もしない人間に、白馬に乗った、編集者やプロデューサー、監督は決して現れないのです。

 現れるのは、その人が想像していなかった、いや、実はうすうす感じていた恐ろしいほどの現実なのです。

 ベッドの中でいつまでも夢を見ていれば済むような人であるならば、それもいいが、世の中の99.9%の人はベッドから起きなければなりません。

 それが、自分の意思でないにしても。

伊藤崇

「伊藤 崇」イメージ画像(いとう・たかし) 某大手印刷会社にて、アートディレクターとして活躍後、アニメ業界に転職。プロデューサーとして、(株)アクタス(株)セブンアークスで活躍し、現在、スタジオ藍丸で活動している一方で、有名漫画家の個展企画やIMTACで声優養成所講師として活動している。声優ワークショップOTTIの主催者 HP:(http://aska.gr.jp/otti/

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