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【高橋信之コラム】すごい!超絶の路上アート! 

【高橋信之コラム】

すごい!超絶の路上アート! 

特集:
高橋信之
すごい!超絶の路上アート!

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 街中がテーマパークになる楽しい仕掛け

 日本ではあまり聞き覚えや見覚えが薄いが、欧米では、3Dペーブメントアートというストリートパフォーマンスが堅実に流行している。ペーブメントというのは「舗装道路」のことで、チョークや水溶性の絵の具で道路に描かれた路上アートのことだ。

 パースをごまかして路上に描かれてるんだけど立体的に飛び出して見えたり、ぽっかりと地面に開いた穴から地下空間やら摩天楼のてっぺんから下界を見下ろした絶叫風景が見えたりするやつだ。

 西洋絵画の分類学上だとトリックアート、いわゆる騙(だま)し絵(トロンプ・ルイユ)のひとつとされる。この騙し絵の歴史は長く遡(さかのぼ)れば17世紀には出現が確認されている。カメラ・オブスキュラ(写し絵箱)によって写実性が増した油絵の技術で数々の騙し絵がかかれたのが、この頃なのだ。

 エッシャー、マグリットなどのファンタジーアートも、こうした騙し絵の延長線上にある。

 ペーブメントアート(道路芸術)の出現は、はるかに若い。

 20世紀後半からの自動車の普及により舗装道路が整備されたことでチョークで描けるキャンバスが出現し、世紀末にそうしたパフォーマンスをスポンサーする商業利用者(おもに広告主)が現れたことで専門職とするひとが僅かに現れたのだ。

 それまでの芸術作品のパトロンは収集家や投資家という性質をもっていたから自分のギャラリーに飾れず、価値が高まってから売れない公共アートには興味がなかったのだ。

 21世紀になるとインターネットの画像投稿が普及し、さらに近年はインスタグラム、ツイッターといったSNSの流行によって「参加型トリックアート」が流行の兆しを見せている。

 崖に立っていたり、サメに喰(く)われそうになっている自分の写真をアップしてウケを取るために。この写真のどこかに企業や商品のロゴや宣伝が映り込めばバイラル広告としてはしめたものである。

 さらにショッピングモールや商業施設、住宅展示場などの集客アトラクションのひとつとしても注目を集め始めているようだ。

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  • プールの壁面空間にモナリザを描いているヒトが落ちないように支えているモナリザ、それを写すテレビカメラと複雑な入れ子構造の騙し絵
  • 「貧困創造の歴史」としてアフリカを正面にした地球儀は、G8(先進国8カ国首脳会議)の開催地に描かれた政治的メッセージアート
  • ジュリアン自らがその場にいることで成立するインスタレーション。本人サイドのビールは絵、絵のサイドのビールは本物というユーモア。
  • 美術学生なら数十枚、数百枚は描かされる静物画。見るタイミング(撮影された時間)の太陽の影の向きと絵の影が一致している時間がベスト。
  • ジュリアンがもっている栓抜きに注目。とても巨大なコークのボトルは開けられそうにそうにない。
  • 広告モデルのコマーシャルアートで、どうやらCOOP(生活協同組合)のピザの宣伝パフォーマンス。奧にサイン看板も置かれている。
  • 巨大スパイダーも驚かされるが、トリック合成された人間の方が小さく見えるのが、これまたすごい。
  • 巨大ヘビに丸呑みされる寸前のわんちゃんが、いい芝居しています。リードをもっている飼い主は新聞を読んでいて気がついていない様子。おそらくセットでのパフォーミング。
  • ひとつ前のヘビ、こんな風に描かれています。かなり画像を歪曲してパースを誤魔化すんですね。
  • これは世界中のペーブメントアートファンを驚かせた一枚。巨大かたつむりの左側の触角に注目。
  • なんと触角、もともと路上にあったガイドポールを利用していました。ベンチと路上のふたつに絵を分けて描いている高等テクニック!特撮ですわ。
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