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【山田将史の鉄道コラム】「山田将史の出発進行!」第11回 線路幅が織りなす鉄道世界の多様性

【山田将史の鉄道コラム】

「山田将史の出発進行!」第11回 線路幅が織りなす鉄道世界の多様性

 前回、近畿日本鉄道についてとり上げた際、3つの線路幅を使っていたことをお話ししました。線路幅は、鉄道に興味を持つと避けては通れない話題の一つです。今回は、そんな「ゲージ」の世界を見ていきます。

 ■そもそも幅が違うと何が変わるのか

 突然ですが、「レール」のことを日本語でなんというか知っていますか?軌条(きじょう)と言います。そして、線路幅のことを「軌間」といい、英語では「ゲージ」と呼ばれています。

 高校生の時、世界史で「どうしてインドにはいくつものゲージがあるのか」という授業を受けたことがあります。ゲージが変わるとなにが変わるのでしょうか。まとめると、このような感じになります。

 1.広いほど、走行が安定する。

 2.広いほど、曲線を曲がりにくくなる。

 3.広いほど、建設費が高価になる。

 基本的に広ければ走行にとっては有利になりますが、広すぎると曲線を曲がるとき、車両(特に台車)にかかる負荷が大きくなります。世界的に広く用いられているのが1435ミリメートルという軌間。広すぎず狭すぎず、高速走行にも適した非常に安定した軌間で、「標準軌」と呼ばれています。これより広いものは広軌、狭いものは狭軌といいます。インドの鉄道でははじめ広軌で建設されましたが、やがて経済性などからそれぞれの地域に応じた狭軌での建設も進められていきます。しかし、これは結果的に問題をはらむことになるのです。

 ■個々の輸送量に応じた軌間でなく、全体で統一された軌間の重要性

 日本の鉄道では、狭い国土、狭い平地という事情から、標準軌ではなく1067ミリメートルの狭軌が採用されました。これがJR路線のゲージとして現在でも当然のものとして使われています。つまりどういうことかというと、一度決めてしまったゲージはほぼ未来永劫(えいごう)変えられないということです。改軌、つまりゲージを変えることもありますが、それは極めてまれな特殊な事情があったということです。

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  • 博物館で展示されている京王線車両の車軸。幅の広い方が1372ミリ。
  • 車輪の幅を変えられるスペイン国鉄の車両。ロシアなどにも輸出されている。
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