2017.3.21 13:24

【高橋信之コラム】世界初のロボットアニメは…? 後編

【高橋信之コラム】

世界初のロボットアニメは…? 後編

特集:
高橋信之
『ミッキーのメカニカルマン』(1933年6月17日)

『ミッキーのメカニカルマン』(1933年6月17日)【拡大】

 前編では世界初のロボットアニメと推定されるフライシャースタジオの『ビンボ、ロボットに乗る』(1932年)を紹介した。今回は、その続き。

 さて翌年には、対するディズニーも負けずに「ロボット」と「ボクシング」をモチーフにして作品を公開している。

 『ミッキーのメカニカルマン』(1933年6月17日)も同様にミッキーが造ったロボットがチャンピオンを倒す話だが、敵が「コンゴ・キラー」呼ばれる大猿であるところが明らかにウィリス・オブライエンの『キング・コング』(1933年4月7日)の成功を受けてのものだろう。

 搭乗して操縦するビンボのロボットと違い、ミッキーのメカニカルマンは半自動思考型。オモシロイのは「音楽を聴かせることで戦闘モード」になるというところ。

 サイレント時代の史劇大作『ベン・ハー』(1925)ではローマの軍船の戦いで奴隷達に船速を伝えるシーンでドラムに合わせて漕ぐ場面が有名となり、同作は1930年代初頭にトーキー版が再公開されている。(1959年版は同作のリメイク)

これらがヒントになったのではなかろうか?

 ピアノを弾いてロボットを操縦する…というシーンはなかなかにロマンティック。

 後に手塚治虫が鉄腕アトムシリーズ『人工太陽球』(1960)ではマッドサイエンティストがパイプオルガンでエネルギー兵器を操縦していたり、ディズニーの『海底2万マイル』(1954)年ではネモ艦長がノーチラス号の中で演奏を披露しているが、おおもとはここかもしれない。

 『ミッキーのメカニカルマン』は、最期、コンゴ・キラーとの戦いでバラバラになって勝利するんだけど、ラストのフィナーレ曲に合わせて部品がそれぞれ踊り出す…というところが印象的だった。

 後年の名作ロボットアニメ『アイアン・ジャイアント』(1999)のラストシーンを見た時、どこかで既視感があったのは、ここだった。

高橋 信之

「高橋 信之」イメージ画像スタジオ・ハードデラックス株式会社 代表取締役 東京国際アニメフェア実行委員 日本アニメーター・演出協会 応援団長 アニメ記者クラブ/アニメプレスセンター 起案者・理事「出版や広告、商品開発、映像メディアで活動するプロデューサー/プランナー。アニメ、SF映画、ビデオゲーム、玩具、デジタルデバイスなどを得意分野とし、多くの雑誌編集者やデザイナー、映画監督と交流する。

  • 『ミッキーのメカニカルマン』(1933年6月17日)
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